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18/12/26

家計・ライフ

60歳以降も働かないと老後資金が足りない! でも、働くと年金はどのくらい増えるのか

現在、約2割の企業が60歳定年の制度を採用しています。その後は、65歳まで再雇用になります。
あなたは、何歳まで働く予定でしょうか?
内閣府の「高齢社会白書」(平成29年版)によると、60〜65歳の就業者の割合は、男性77.1%、女性50.8%になっています。つまり多くの方は、60歳以降も働いていることになります。
では、60歳以降も働くと、お金の面でどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
年金の受給額などを中心に考えてみましょう。

60歳以降も働かないと老後資金が足りない!

老後の生活費で約3000万円必要などというデータが多いのですが、実際に3000万円の老後資金を準備するのは大変だと思います。老後資金がぜんぜん足りないという人は、長く働く必要があります。

仕事を辞めた場合は、収入がなくなってしまうので貯蓄を取り崩して暮らすことになり、貯蓄は、どんどん減ってしまいます。しかし、働き続ければその分の収入はあるので、貯蓄の減りは少なくなり、老後の資金寿命を延ばすことができます。これが大きなメリットです。

デメリットとしては、収入が一定程度を超えると、受け取れる年金がカットされる可能性があります。
月額の給料と年金額を合わせて28万円以上の場合、65歳までに受け取ることができる年金の一部または全額がストップされることがあります。これを在職老齢年金制度と言います。

残念ながら、支給停止になった年金は戻ってはきません。しかし、カットされるのがもったいないからといって、働くのをやめたり、少なく働いて給与を減らすのは、得策ではありません。なぜなら、働くのを少なくすると当然その分の収入も減りますし、それが65歳以降に受け取れる年金額にも影響が出るのです。
ここは、仕方がないと思いあきらめて働きましょう。

60歳以降も働くと年金はどのくらい増えるのか?

60歳以降も厚生年金に加入しながら働いた場合には、その払い込んだ保険料の分の受給額も増えていきます。では実際、どのくらい増えるのでしょうか?

まずは、厚生年金についてです。
60歳から65歳まで働いた場合には、厚生年金はどのくらい増えるかというと、ざっくりですが、「平均月収×0.005481×加入期間」の計算式でわかります。
たとえば、60歳から65歳まで月額の給与が20万円だとすると、おおよそ次の計算になります。
平均月収20万円×0.005481×加入期間60ヵ月=6万5772円
つまり、65歳以降の年金額に、この6万5772円が加算されます。これが一生涯続くのです。

国民年金の加入期間が40年に満たない人は経過的加算がある

次に基礎年金部分(国民年金)についてです。
厚生年金は2階建てになっています。1階が国民共通の基礎年金部分で、2階が厚生年金です。
この1階の基礎年金は、原則20歳から60歳までの40年間が払込期間になります。学生時代や転職などで年金の未納期間があることが多いので、60歳の時点で40年間支払っている人は、少ないのではないかと思います。その場合60歳以降働いても、基礎年金は増えません。しかしそれに変わる経過的加算という仕組みがあります。

国民年金の加入が40年に満たない人は、経過的加算が適用されます。
増える金額は、1625円×加入期間です。
60歳の時点で加入期間が5年残っている場合は、65歳までの5年間は経過加算されます。
1625円×60ヵ月=9万7500円が加算されます。

たとえば平均月収20万円で、60歳から65歳まで働いた場合は、先に述べた厚生年金が6万5772円加算され、さらに国民年金の加入が40年に満たない人は経過的加算があります。経過的加算が5年間の場合は、さらに9万7500円加算されるので、合計16万3272円が年金に増額されるのです。
この額を一生涯受け取ることができるので、かなり大きな金額になります。

老後資金が不足している人は長く働くことが必須!

60歳以降も働くと受け取る年金が減ってしまうというデメリットもありますが、働くことで得る収入はもちろん、その後の年金の増額を考えるとメリットの方が大きいのです。
とくに老後資金が足りないと心配な人には、定年前より給料が下がったとしても再雇用で働くことをオススメします。

つまり当たり前の解答で申し訳ないのですが、「老後資金が足りない!」という人の最良な方法としては、長く働くのが一番の解決策なのです。
その上で、ゆとりのあるリタイア生活ができるワザとしては、繰下げ受給をして年金を増やす方法もあります。
詳しくは拙著『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)を参考にしてください。

長尾 義弘 NEO企画代表

日本ファイナンシャルプランナー会員(AFP)
大学卒業後、出版社の編集部に勤務。何社かの出版社を渡り歩き、何冊かのベストセラーに携わる。その後、1977年にNEO企画を設立。2004年に2級FP技能士を修得。現在、日本ファイナンシャルプランナー会員(AFP)。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。若干オタクが入っているほど経済とアニメが好き。著書・監修は、「金持ち定年、貧乏定年」(実務教育出版)、「別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』」(宝島社)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社)など多数。

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