19/05/03
ごく普通の夫婦が「貧乏夫婦」に陥る4つの落とし穴
世帯の収入が少ないわけではない、むしろ共働きでそれなりに収入があるにも関わらず、貯蓄が思うようにできない、ときには収支がマイナスになり貯蓄を取り崩すことも…といったご相談者が多くいらっしゃいます。そんな夫婦に共通している「お金の使い方」と、「貧乏夫婦」に陥らないために見直すべきポイントをご紹介します。
貧乏夫婦の落とし穴1:毎月の収支が把握できていない
収入の額と貯蓄額が見合っていない人は、毎月の収支が把握できていないことが多い傾向にあります。家計の改善をしようにも、何にお金を使っているのか把握ができていないと、どこから手をつけたらいいのか分かりません。
まずは世帯の収入と支出を把握しましょう。ざっくりで構わないので費目ごとに家計簿を付けてみましょう。手書きは面倒という人は、無料で使える家計簿アプリもあるので、利用してみるのも良いでしょう。
付けた家計簿は、少なくとも1か月単位で、振り返り・確認と反省をしましょう。また、貯蓄額については、手取り給与の15~20%を目安とし、給料が振り込まれたら先に貯蓄分は専用の口座などに移して、それ以外の金額から支出するようにしましょう。
貧乏夫婦の落とし穴2:住宅費や保険料が多い
人生の中で、支出の大きな割合を占める住宅費や保険料。貧乏夫婦はこの割合が極端に多いことがあります。でも、ちょっとした工夫で支出が削減できるかもしれません。ポイントをみていきましょう。
・住宅費
賃貸住宅の場合、収入が下がるなど家賃の負担が大きくなったとき、今より家賃の低い住宅に住み替えることができますが、住宅を購入しローンを組むと数千万円という大きな金額を30年や35年といった長い期間払い続けることになります。
これから住宅ローンを借りるなら、まず物件価格の20%以上の頭金を用意したいものです。また、年間の返済額と購入後にかかる諸費用を合わせた額が年収の25%を超えないようにしましょう。購入後の諸費用とは、固定資産税やマンションであれば管理費・修繕積立金や駐車場代などです。
一方、すでに住宅ローンを支払っている場合、借り換えを検討するのも良いでしょう。2019年4月時点の金利は過去最低水準で推移しています。借り換え時にかかる手数料を考慮しながら検討してみましょう。
・保険料
生命保険文化センターが実施した調査では、1世帯あたりの年間保険料は平均で38.2万円とのこと。30年間払い続けたら約1150万円です。こうして見ると大きな金額ですよね。
必要な保障は年齢や家族構成によりさまざまです。
子どものいる家庭では、世帯主に万が一のことがあったときのために遺族の生活費や教育費などの保障が必要になります。一方、子どものいない共働き夫婦であればそれほど大きな死亡保障は必要ないかもしれません。
また、住宅ローンの名義人である世帯主に万が一のことがあったときは、ローンを借り入れる際に加入する団体信用保険でローンを返済できるため、賃貸住宅なのか住宅ローンを組んでいるかによっても生活費の考え方は変わってきます。
医療保険については、公的医療保険に、医療費の自己負担額が一定の金額を超えた分が払い戻される高額療養費制度があることも踏まえた上で、必要な保障がどのくらいなのか決めると良いでしょう。
このように、家族構成や年齢によって、「今なにかあった場合いくら必要になるか」を基準に見直していくと、現在加入している保険ではカバーしきれていない保障や、反対に不要な保障が見つかるかもしれません。
貧乏夫婦の落とし穴3:リボ払いのようなキャッシングをしている
いまや銀行のATMだけでなくコンビニATMでも利用できるキャッシング。店舗によっては24時間365日利用できるところもあるようです。
計画的に利用できれば便利なサービスですが、行き当たりばったりの状態での利用の場合、返済できずリボ払いを利用するといったことになり兼ねません。
リボ払いは、利用金額や件数にかかわらず、あらかじめ設定した一定の金額を月々支払うシステムのため、目先の返済額だけ見ていると負担が軽く感じます。しかし残高に金利手数料が日々かかってくるため、残高がどんどん増えていきます。キャッシングをするときは、その後の返済のことをしっかり計画した上で利用するようにしましょう。
貧乏夫婦の落とし穴4:外食費、通信費、教育費……それぞれの削減ポイントを踏まえていない
働いていると、なかなか自炊する時間がなかったり仕事で疲れたりして、つい外食が多くなりがちです。ただ、回数が増えると同時に食費はどんどん膨らんでいきます。家計簿を振り返り、外食の回数が多めだなと感じたら、そのうちの数回は中食(総菜など調理済み食品を購入し自宅で食べる)に切り替えてみましょう。自炊が難しくても外食に比べたら食費はぐっと抑えられます。また、食材の買い出しは毎日ではなく、数日分の献立を立ててまとめ買いをすることをお勧めします。毎日スーパーに行くと、目に付いた必要のない物をつい買ってしまいがちだからです。
通信費は、スマホの普及とともに年々上がっています。筆者の周りでもかなり利用者の増えている格安スマホですが、通話をすることはあまりなく、メールやSNS、調べ物などネットサーフィンがメインといった利用なら、毎月の通信費はぐっと下がる可能性があります。家電量販店に行くと格安スマホの売り場がありますので、そういったところで料金のシミュレーションをしてもらうと良いでしょう。
そして人生の大きな支出のひとつでもある教育費。可能な限り子どもの年齢が低い時期から準備しておきたいものです。
「大学までの教育費は1000万円」とよく耳にしますが、実際いくらかかるかは、どのような教育を受けるかによってさまざまです。将来どのような教育を受けさせたいか、その場合かかる金額はいくらかを算出し、逆算して貯めていくようにしましょう。
ちなみに、児童手当を所得制限未満で受給したときの全額を貯蓄していた場合、中学を卒業する3月時点で約250万円から268万円(出生月により受給月数が異なるため金額が変わる)になります。教育費の貯め方として、児童手当は収入として考えず貯蓄するのもひとつの方法です。
まとめ
それなりに収入はあるのになぜか貯まらない、それどころかキャッシングの残高が増えてしまい貧乏夫婦まっしぐら、なんてことにならないよう、まずは家計の把握と一つひとつの費目について管理していきたいものです。短期的なことが把握できたら、次は将来のライフプランを見据えた長期的な計画もしていきたいですね。
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田中 友加 「自分らしい生き方」を応援!お金のパーソナルトレーナー
自動車販売業に従事した後、税理法人にて経営コンサルティング業へ。その後、IT関連会社を設立、取締役に就任。2016年にFP資格を取得、「FPリファイン」を創業。並行して独立系FP事務所にて、家計改善を中心とした幅広い相談業務を2年間経験。「実現しやすく・分かりやすく」をモットーに、賢い資産形成のサポートを活動中。日商簿記1級。
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