20/05/18
クレジットカードの利用限度額はどう決まる? 利用限度額を上げる3つの方法
不意な出費などでクレジットカードの利用限度額に達してしまうと、それ以上使えなくなってしまいます。これを防ぐためにクレジットカードの利用限度額を上げたい…! そんなこと、できるのでしょうか。
今回は、クレジットカードの利用限度額の種類や利用限度額の決まり方、利用限度額を上げる方法について解説します。
クレジットカードの利用限度額は支払いに利用できる金額の上限
クレジットカードの利用限度額とは、支払いに利用できる金額の上限のことです。もし、カードでの利用金額がクレジットカードの利用限度額を超えると、利用限度額が復活するまで、そのカードでの支払いができません。
利用限度額が復活するのは、カード会社への支払いが済んだときです。
例えば、毎月27日払いのカードの場合は、27日に支払いを終えた金額分だけ利用限度額が復活します。毎月の1日や締め日などに利用限度額が復活する、というものではないので、注意してください。
クレジットカードの利用限度枠は4種類ある
クレジットカードには、「ショッピング枠」「割賦利用可能枠」「キャッシング枠」「総利用可能枠」という、4つの利用限度枠があります。以下簡単に紹介します。
●ショッピング枠:買い物の際にカードで支払い可能な枠
ショッピング枠はカードで買い物などの支払いをした時に利用できる枠のこと。どのクレジットカードにもショッピング枠が付いています。
●割賦利用可能枠:分割払いやリボ払いができる枠
割賦利用可能枠とはショッピングをした時に「分割払い」「ボーナス払い」「リボ払い」「2回払い」が利用できる枠のこと。割賦利用可能額はショッピング枠に含まれています。ショッピング枠のうち、分割払いなどに利用できる枠、というわけです。割賦利用可能枠は、割賦販売法により、支払い可能額の90%以上を超えてはなりません。もし、割賦利用可能枠がなくなった場合は、1回払いでしか支払いができなくなります。
●キャッシング枠:お金を借りられる枠
キャッシング枠はお金を借りられる枠のこと。クレジットカードにはキャッシング機能が付いており、国内のATMや銀行などでお金を借りられます。また海外旅行や出張先で現地のATMから現地通貨を下ろせる海外キャッシングサービスもあります。なお、海外でも使えるカードの場合は、国内と海外の利用可能枠がそれぞれ設定されています。
●総利用可能枠:クレジットカードで利用できる金額の上限
総利用可能枠は、クレジットカードで利用できる金額の上限です。
例えば、総利用可能枠が以下のとおりだったとします。
・ショッピング枠 100万円
・割賦利用可能枠 90万円
・キャッシング枠 80万円
・総利用可能枠 100万円
このケースでは、総利用可能枠の100万円までカードを利用可能です。総可能利用枠には、ショッピング枠とキャッシング枠の両方が含まれているため、どちらか片方の枠を利用すれば、もう片方の枠は減ります。
例えば、ショッピング枠で30万円を利用した場合は、キャッシング枠の金額は70万円までになります。
なお、同じ発行会社のカードを複数枚利用している場合の利用限度額は、最も利用限度額が高いカードのものが適用されるので注意してください。利用限度額が100万円と50万円のカードを持っている場合は、両方のカードを合わせても100万円までしか利用できません。
クレジットカードの利用限度額はどうやって決まるのか?
クレジットカードの利用限度額が高ければ高いほど、利用できる金額は多くなります。では、クレジットカードの利用限度額は、どのように決められているのでしょうか?
クレジットカードの利用限度額を決めるのはカード会社です。カード会社は、カードの入会審査をする時とカードの増枠審査をする時に利用限度額を決めます。具体的には、次のような情報を参考にしています。
●利用限度額が高くなりやすい人と低くなりやすい人の特徴
基本的に、年収が高ければ高いほど利用限度額が高くなります。ただし、審査では、年収の高さだけでなく、「安定した収入があるか」という点が重要です。そのため、個人事業主や自営業の場合は、年収が高くても収入が安定していなければ、利用限度額が低くなります。
さらに、個人信用情報機関に問い合わせを行い「過去に延滞や自己破産などを起こしていないか?」「消費者金融など他社からの借り入れはあるか?」「支払いは延滞なく行われているか?」なども調べられます。
これらの情報をもとに、あなたのショッピング枠が決まります。
割賦利用可能枠は、年収から年間の生活維持費、年間請求予定額を差し引いた支払い可能見込額(無理をせずにカードで支払いができる金額)の9割と決められています。
また、キャッシング枠は貸金業法に基づいて審査されます。キャッシングできる金額は、総量規制というルールにより、年収の3分の1までと決められています。
なお、上記は基本的なルールで、実際には返済能力などを考慮してカード会社ごとに利用限度額を決めます。そのため、必ずしも計算上の上限額になるとは限りません。
クレジットカードの利用限度額を上げる3つの方法
クレジットカードの利用限度額は入会審査の時に決まります。ただ、最初の利用限度額では足りない場合もあるかもしれません。そんなときは、利用限度額を上げる手続きをしましょう。
クレジットカードの利用限度額を上げるには、「カード会社に増枠申請をする」「一時的な増枠申請をする」「カード会社が自動的に増枠をする」の3つの方法があります。
●クレジットカードの利用限度額を上げる方法1:カード会社に増枠申請をする
カード会社に電話やインターネットで、増枠申請をする方法です。利用限度額が引き上げられたら、足りなくなる事態も回避できるでしょう。
ただし、増枠には審査が必要。現在の返済能力や他社からの借入状況などもチェックされます。そのため、増枠申請をすれば、必ず審査に通る、というわけではありません。それどころか、返済能力が下がっていると判断されれば、利用限度額も下がる可能性があります。
また、基本的に自分から増枠申請をする場合、6ヶ月以上の利用実績が必要なカード会社が多いようです。実際に、ライフカード株式会社に問い合わせをしたところ、「新規契約者の場合、カードの増枠は、6ヶ月経過後に受け付けています」と返答がありました。
審査には1週間以上かかります。その理由は、入会審査よりも審査が厳しく「他社からの借入状況」「利用実績」「返済能力」などをチェックされるから。もし、すぐに利用限度額を増やしたい場合や増枠申請の審査に落ちた場合は、新たに別のカードに申し込むのも一つの手です。
●クレジットカードの利用限度額を上げる方法2:一時的な増枠申請をする
急にまとまったお金が必要になった場合は、一時増枠の申請がおすすめです。なぜなら、一時増枠は、通常の増枠申請よりも審査に通りやすく、審査期間が2、3日しか掛からないからです。
一時増枠の申請をする場合、利用日の1ヶ月前から3日前までに申し込みを済ませる必要があります。
一時増枠が認められると、一定期間内は利用限度額が引き上げられ、通常よりも多く利用できるようになります。利用限度額が引き上げられる期間は、カード会社により異なります。
・一時増枠の申請可能期間と引き上げ期限の例
●クレジットカードの利用限度額を上げる方法3:カード会社が自動的に増枠をしてくれることもある
カード会社はクレジットカードの利用状況に応じて、定期的に利用限度額の見直しを行っています。返済の遅れがなく、きちんと延滞なく支払いを続けていれば、カード会社が自動的に利用限度額を増枠してくれることがあります。
なお、増枠は利用実績で評価されるため、カードの利用金額が利用限度額に対して少なすぎる場合は、増枠されません。
利用限度額が自動的に上がるタイミングはカード会社によって違いますが、概ね半年から1年前後利用しつづける必要があります。
すぐに利用限度額を上げる理由がないのであれば、カード会社が限度額を上げてくれるのを待ってもいいでしょう。
まとめ
クレジットカードの利用限度額は、返済能力だけで決まるわけではありません。また、ショッピング枠やキャッシング枠は、総利用可能枠の範囲内で決められます。
クレジットカードの利用限度額を上げるためには、カードを利用して信用を積み重ねることも大事です。カード会社から信用を得ることができれば、自動的にカードの限度額を上げてくれるでしょう。
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小栗健吾 現役のFXトレーダー及びWEBライター
地方の大学を卒業後、会社員を経て、WEBライターとして活動中。FXや仮想通貨の取引経験(FXは8年以上)があり、現役トレーダーの目線で記事を多数執筆している。また、現在はFXだけでなく、「キャッシング」「副業」「節税」などマネー系の記事も多く執筆している。
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