24/12/11
同じ銀行に複数の預金口座が持てないのはなぜ?目的別に貯めたい場合の裏技
貯蓄をするには、目的の設定が肝心です。
目的は、ひとつとは限りません。旅行や買物、引越しなど、いろいろやりたいことがありますよね。それぞれに必要なお金は、「いつまでにいくら」と目標とするゴールがあります。
そのゴールにむかって、目的別に貯めていくとよいのは、多くの方が知っているとおりです。
目的別に貯めるなら口座を分けよう、と考えられます。
しかし、同じ銀行では複数の口座が基本的に持てません。
では、どのように貯めていけばいいのでしょうか。
同じ銀行で複数の口座は持てない
昭和の時代のテレビドラマなどでは、登場人物が通帳の表紙に、「留学資金」、「結婚資金」などのように目的を黒々と書いていて、「来年の春までに100万円が目標、今これだけ貯まっている」と、通帳の最後のページを見せながら言う、といった場面を見ることがあります。
口座はその目的のための口座で、生活費のための口座は同じ金融機関で別口座にしています。金融機関はその地域の地銀や信金などが多かった記憶です。
目的別に「いつまでにいくら」と設定して、目標に向かって貯蓄すると成功しやすい、というところは、今も昔も変わりませんね。
しかし、同じ金融機関で複数の口座が開設できることは、今ではほとんどありません。
同じ金融機関で複数の口座を開設できない理由としては、口座管理コストの削減、 犯罪防止といったことがあるようです。
また、同じ名義の口座が複数あると、手続きミスが発生しやすくなる場合も考えられます。
事情によっては複数口座を開設できることもありますが、一般的にはできないと考えて差支えないでしょう。
ネット銀行では「目的別口座」が開ける
とはいえ、目的ごとに金融機関を変えて口座開設するのは面倒、と思うのも、もっともです。
そんな時には、目的別口座を開けるネット銀行の利用が便利です。目的別口座とは、さまざまな目的のお金を1つの口座内で分けて管理できるサービスです。たとえば、次のようなサービスがあります。
●目的別口座①住信SBIネット銀行の「目的別口座」
スマホ画面で管理のしやすいネット銀行は、多くの人が利用しているのではないでしょうか。
そのひとつ、住信SBIネット銀行には、「目的別口座」というサービスあります。
住信SBIネット銀行に口座があれば、その口座を代表口座にして、目的別口座を10個まで作ることができます。
目的別口座には自分で好きな名前を付けられて、目標金額や期日を設定できます。
また、代表口座から目的別口座に、毎月同じタイミングで自動振替することもできるので、計画的に貯蓄を続けられます。
ATMでの出金は、目的別口座からできないこともポイントです。
目的別口座の残高はスマホ画面から確認できるので、モチベーション維持につながります。
●目的別口座②GMOあおぞらネット銀行の「つかいわけ口座」
GMOあおぞらネット銀行でも、「つかいわけ口座」のサービスがあります。
開設したひとつの口座を親口座として、つかいわけ口座を10個まで作ることができます。
つかいわけ口座では、親口座から決まったタイミングで自動的に振替ができる、定額自動振替を利用することができます。
たとえば、毎月5日に1万円を旅行積立用口座に振替、毎週火曜日に5000円を年払い保険料の準備口座に振替、という具合です。
また、つかいわけ口座は貯めるだけではなく、引き落とし口座としても設定できるので、生活費用の口座にすることもできます。
「生活費は月15万円」と決めるなら、毎月15万円を生活費用の口座に入れて、光熱費やクレジットカードの引き落としもその口座から、とすると支出の管理もできます。
つかいわけ口座で収入も支出も管理することで、貯蓄もしやすくなりそうですね。
●目的別口座③みんなの銀行の「ボックス」
みんなの銀行は、ふくおかフィナンシャルグループのスマホ銀行です。
普通預金の口座とは別に、アプリ内で貯蓄預金としてお金を入れる仮想の箱=ボックスを20個まで作る、という考え方です。ちなみに、普通預金は財布=ウォレットとして管理します。
ボックスは好きな名前で作れるので、旅行用、引越し用、といった名前にするとよさそうです。
ただ、あまり多すぎると分かりにくくなってしまいかねないので、家計のスタイルに合わせて使うといいでしょう。
ボックスの貯蓄預金の金利は0.2%(税引前、2024年11月時点)。ATM出金は1回110円(25歳以下は月3回まで無料)、他行あて振込は1回200円(25歳以下は月3回まで無料)の手数料がかかります。月額600円を払うとプレミアム会員になって、貯蓄預金金利は0.4%(同)にアップ。ATM出金・他行あて振込はそれぞれ月10回まで無料(25歳以下は月13回まで無料)になります。
利用状況次第では、プレミアム会員がおトクになるでしょう。
目的別貯蓄はネット銀行が便利
目的別貯蓄をすると、お金を貯める目的がはっきりして、貯蓄しやすい心理効果がありそうです。同じ金融機関で複数の口座を開設できない今、ネット銀行の目的別口座を活用すれば、目的別貯蓄もしやすいでしょう。ぜひ活用して、貯蓄の目標達成を目指してください。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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