23/07/19
新NISA「30年積立投資」資産がいくらになるかシミュレーション。すぐわかる早見表を紹介
2024年から新しいNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)が始まります。これを機に、積立投資を始めようと考えている人も多いのではないでしょうか。
積立投資は継続することが大切ですが、それには「続けた先にあるもの」のイメージが必要。そこで今回は、30年の積立投資をした場合に、資産がいくらになるのかシミュレーションしました。毎月の積立額と30年後の予想金額を見比べて、計画を立ててみてください。
新しいNISAの特徴は?
投資をして運用による利益が出たら、通常は20.315%の利息がかかり、差し引いた金額が手元に残ります。たとえば、10万円の利益が出ても、税金を差し引けば手元のお金は8万円弱です。
しかしNISAなら、運用益が非課税なので、10万円まるまる受け取れます。そこがNISAのおトクなポイントです。ただし、1年間に投資できる金額には上限があり、投資期間に定めがあります。
運用益が非課税になるのは、旧NISAに引き続き、新NISAでも変わりません。
さらに新NISAでは、年間投資枠が増え、投資期間の定めはなくなり無期限になります。
●新NISAの制度概要
金融庁「新しいNISA」より
また、旧NISAの制度では、積立投資ができる「つみたてNISA」と、上場株式や投資信託で運用する「一般NISA」はどちらかを選ばなくてはなりませんが、新NISAではつみたてNISA同様の「つみたて投資枠」と一般NISA同様の「成長投資枠」を併用できるのもうれしいポイントです。
積立額と利回りからシミュレーション
ただ、投資初心者であれば、まずはつみたて投資枠からスタートすることをおススメします。なぜなら、つみたて投資枠で投資できる金融商品は、長期の積立・分散投資に適している、金融庁の基準をみたした投資信託に絞られているからです。
つまり、専門的な知識が少なくても、つみたて投資枠を選んでおけば、自動的にリスクの高い投資先は避けられる仕組みなのです。
では、積立投資を30年続けた場合に、資産はいくらになるでしょうか。
毎月1万円から毎月5万円を30年にわたって投資して、年1%・2%・3%・5%・8%の利回りが得られた場合の資産総額は次の表のとおりです。
●30年後の資産額
金融庁「資産運用シミュレーション」より筆者作成
毎月ほんの1万円でも、30年で8%の運用ができれば、資産は1500万円近くにもなることがわかります。
とはいえ、8%の利回りはローリスクとは言えませんので、もっと手堅く運用したいと思う人もいるでしょう。その場合には、利回り2%とするかわりに、毎月の投資額を3万円にします。
すると、30年後の資産は同程度の1500万円に迫ることがわかります。
投資の利回りは変動しますので、30年の間には運用益が大きくなる時もあれば、逆に損失が出ることも考えられます。資産額には波がありますが、30年の長期間全体としての利回りがプラスになればよいのです。
時間を味方につけ、継続することが資産づくりのコツと言えるでしょう。
新NISAの投資するときの注意点は?
最後に、新NISAで積立投資をするときの注意点をお伝えします。
●新NISAの注意点1:つみたて投資枠と成長投資枠は、同じ金融機関で利用する
つみたて投資枠と成長投資枠は、別々の金融機関での利用はできません。ひとつの金融機関で利用することになるので、金融機関選びは慎重にしましょう。
金融機関は、新NISAで投資したい金融商品が豊富にラインナップされているところを選ぶとよいでしょう。迷ったら、ラインナップ数の多さで選ぶのもありです。
とはいえ、年単位で金融機関を変更することは可能ですから、あまり考えすぎなくても大丈夫です。
●新NISAの注意点2:損失が出てもあわてない
投資に利益や損失の浮き沈みはつきものです。少しの損失が出たからといって慌てて売ってしまったら、その後すぐに値上がりした…となる可能性もあります。そのため、じっくり判断することが必要です。値上がりが見込めるのであれば、そのまま保有を続けるのがいいでしょう。しかし、値上がりが見込めない場合は損切りをタイミングよくしていきましょう。
なお、新NISAで商品を売却した場合、非課税の投資枠は翌年に復活します。売却してもその分の投資枠はまた使えますので、損切りはタイミングよくしていきましょう。
●新NISAの注意点3:旧NISAは新NISAに移管はできない
すでに旧NISAを利用している人は、新NISAを始めるからといって旧NISAの資産を売却する必要はありません。旧NISAの資産はそのまま保有することができます。購入時から一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間、そのまま非課税で保有することができ、売却も自由です。
ただし、非課税期間終了後、新NISAに商品を移管することはできません。非課税期間終了後は、課税口座(特定口座または一般口座)に商品が移管されます。
まとめ
旧NISAもおトクな制度ですが、さらにバージョンアップするのが新NISAです。
預貯金の低金利が相変わらず続くなか、投資にもチャレンジして資産を増やす工夫をしてみてはいかがでしょうか。
【関連記事もチェック】
・会社も役所も銀行も教えてくれない、定年後のお金の正解【Money&YouTV】
・6月に届いた「年金振込通知書」確認しないとヤバイ!
・年金が78万円上乗せになる「長期加入者の特例」受けられる条件
・6月に届く「年金振込通知書」は確認しないと危険!何が書いてあるのか
・会社も役所も教えてくれない、年金受給者が確定申告で得する8つの事例
タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
この記事が気に入ったら
いいね!しよう