connecting…

  • NISA
  • FIRE
  • Money&You TV
  • 確定拠出年金「iDeCo」「企業型」
  • マネラジ。
  • ふるさと納税
  • 届け出だけでお金がもらえる! 給付金制度を活用しよう
  • セミナーレポート
  • まとめ記事/チェックテスト
  • 歴女の投資ファイル
  • ズボラでも出来るシリーズ
  • 投資信託でプチリッチ!「投信ウーマン」
  • 投資女子への道
  • 恋株
  • ぽいきさんの幸せを呼び込むシリーズ
  • 大人女子を応援!家庭で出来る漢方の知恵
  • 読書ブロガー小野寺理香のブックレビュー
  • 駐在マダム、モラハラ夫からの逃亡記
  • “逆打ち”お遍路をご紹介

23/02/15

相続・税金・年金

会社も役所も教えてくれない、年金受給者が確定申告で得する8つの事例

会社も役所も教えてくれない、年金受給者が確定申告で得する8つの事例

確定申告の時期は、毎年2月16日から3月15日となっています。
確定申告は個人事業主や会社員だけがするものではありません。年金受給者の方でも確定申告したほうが得な場合が多くあります。
原則65歳からもらえる年金からも、税金は引かれてしまいます。しかし、確定申告をすることで税金の還付が受けられることもあります。
今回は、年金受給者が確定申告で得する8つの事例を紹介します。

年金受給者でも所得税・住民税の支払いがある

老後に受け取る年金は「雑所得」として扱われ、所得税や住民税の課税対象となります。
65歳未満で年金受給額が108万円超、65歳以上で年金受給額が158万円超の場合、年金から所得税があらかじめ源泉徴収されます。
また、4月1日時点で65歳以上の方で、前年所得に対して住民税が課税されている人は公的年金から住民税が源泉徴収されます。扶養親族のない方の場合、公的年金等収入が155万円超になると住民税が課税されます。

これまで、会社員として働いてきた人は、会社は年末調整を行い、税金を調整してくれていました。しかし、年金受給者には年末調整がありません。ですから、正しい税額を納めるためには確定申告をしたほうが良いのです。

ただ、確定申告は面倒なものですし、手間もかかります。人によっては、毎年確定申告するのは大きな負担でしょう。そこで、年金には「確定申告不要制度」が設けられています。

確定申告不要制度が利用できるのは、
①公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下
②公的年金等にかかる雑所得以外の所得金額が20万円以下
の両方に当てはまる人です。
多くの人が確定申告不要制度の対象者に該当するはずです。

しかし、「だから確定申告しなくていい」というわけではありません。
毎年納めている税金額は、あくまで概算の金額ですので、納めすぎになっている場合があります。会社員のように年末調整があれば、正しい税額に調整されますが、年金受給者には年末調整がありません。したがって、確定申告することで税金が減らせる(所得税が還付され、翌年の住民税が安くなる)というわけです。

実際、年金額面から天引きされている税金や社会保険料は、それなりに高額です。東京都文京区・65歳・独身の方で、年金が年100万〜500万円までのときの手取り額の推移は次のようになります。なお、税金・社会保険料は他の所得や年齢・家族構成・お住まいによって変わりますので、あくまでも参考程度に見ていただければと思います。

●年金年100万〜500万円までの手取り額の推移

東京都文京区・65歳・独身のモデルケース
※所得控除は基礎控除と社会保険料控除のみで計算しています。
※税金・社会保険料は他の所得・年齢・家族構成・お住まいによって変わります。

(株)Money&You作成

青のグラフが年金額面、赤のグラフが手取りです。年金額面が増えるほど、税金や社会保険料も増えるため、手取りがなかなか増えない様子がわかります。

さらに、年金、手取り、税金、社会保険料の推移を金額で示したのが次の表です。

●年金、手取り、税金、社会保険料の推移

(株)Money&You作成

多くの場合、年金から天引きされる金額は10〜15%程度です。少しでも手取りを増やすべく、所得税・住民税を節税するなら、確定申告が必要というわけです。

次の8つのケースに当てはまる年金受給者の方は、確定申告することでお得になりますので、ぜひ確定申告しましょう。

年金受給者が確定申告で得するケース1:年の途中まで働き、年末調整を受けずに辞めた場合

定年退職したあとに再雇用されたり、同年内に再就職したりして、12月末まで勤めた場合は、勤務先が年末調整をしてくれます。しかし、年の途中で退職すると、年末調整が受けられません。そのため、所得税を納めすぎになっているケースがほとんどです。確定申告をして税金を取り戻しましょう。

年金受給者が確定申告で得するケース2:「扶養親族等申告書」を提出し忘れた場合

年金受給者が配偶者控除や扶養控除を受けるには、毎年9月ごろに郵送で届く「扶養親族等申告書」の提出が必要です。扶養親族等申告書を提出し忘れると、配偶者控除や扶養控除の適用のないまま税金が計算されてしまいます。この場合も、確定申告をすることで控除の適用が受けられます。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

年金受給者が確定申告で得するケース3:生命保険料控除・地震保険料控除

生命保険料を払っているならば生命保険料控除、地震保険料を払っているならば地震保険料控除が適用できます。毎年10月〜11月ごろに届く控除証明書を確認して確定申告することで、税金が安くできます。

年金受給者が確定申告で得するケース4:医療費控除・セルフメディケーション税制

多くの医療費を支払った場合に利用できる医療費控除の計算式は、所得が200万円以上か未満かで変わります。

●医療費控除の計算式

【所得200万円以上】
(1年間の医療費の合計-保険金や公的給付などの補てん金額)-10万円
【所得200万円未満】
(1年間の医療費の合計-保険金や公的給付などの補てん金額)-所得の5%

医療費控除といえば「医療費が10万円を超えたら利用できる」というイメージの方が多いのですが、年金受給者の場合は「所得200万円未満」に該当するケースがほとんどです。したがって、医療費が「所得の5%」を超えた場合に医療費控除が利用できます。仮に所得が100万円ならば、医療費が5万円超のときに医療費控除が利用できる、というわけです。

また、セルフメディケーション税制は、特定の市販薬を購入し、年間費用が1万2000円を超えた場合、その超過分(最大8万8000円)が控除対象になる医療費控除の特例制度です。

医療費控除とセルフメディケーション税制は、どちらか片方しか使えませんので、よりお得な方を活用しましょう。また、医療品の購入時や健康診断などのときにもらった領収書は、税務署から提示や提出を求められる場合に備え、5年間保管しましょう。

年金受給者が確定申告で得するケース5:ふるさと納税

ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄付をすることで「寄附金控除」というしくみを利用し、2000円を超える金額を所得税・住民税から控除できる制度です。そのうえ、多くの自治体からは寄付金の3割を上限とする返礼品ももらえます。また、寄付金の使い道(子育て、医療、農業など)を選ぶこともできます。

ふるさと納税で自己負担額が2000円になる金額には、上限額があります。ふるさと納税の上限額は、年収や家族構成により異なります。

●自己負担2000円となる寄付金上限額の目安

(株)Money&You作成

たとえば、年金250万円・65歳独身の方がふるさと納税する場合、自己負担2000円となる寄付金上限額は2万4000円で、その3割にあたる7200円相当の返礼品がもらえるとわかります。

自分のふるさと納税の上限額は、ふるさと納税を扱うウェブサイトでシミュレーションできます。自分のケースを確認した上で、ふるさと納税を行いましょう。

年金受給者が確定申告で得するケース6:雑損控除

雑損控除は、災害や盗難にあった場合に使える所得控除です。具体的には、次の(1)と(2)のうちいずれか多い方の金額を控除できます。

(1) 損害金額 + 災害等関連支出 - 保険金等 - 所得額×10%
(2) 災害関連支出 - 保険金等 - 5万円
※「損害金額」は損害を受けた時の直前の資産の時価を基にして計算
※「災害等関連支出」は住宅・家財などを除去するための支出や、盗難・横領により損害を受けた資産の原状回復費用

また、雑損控除で控除できる損害の原因は、次のいずれかに限られます。
(1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
(2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
(3) 害虫などの生物による異常な災害
(4) 盗難
(5) 横領

これらに該当する損害がある場合には、確定申告することで税金が安くできます。
なお最近、投資詐欺のニュースなどが報じられることもありますが、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。

スマートプラス『STREAM』開設プロモーション

年金受給者が確定申告で得するケース7:住宅ローン控除・投資型減税

住宅ローンを利用して自宅を購入している場合は住宅ローン控除が利用できます。住宅ローン控除は税額控除といって、税額から直接税金を差し引くことができます。2022年度(令和4年度)以降の入居の場合、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を控除できます。

また、自己資金で自宅をバリアフリー・省エネ・耐震性能アップなどリフォームした場合、には「投資型減税」といって、リフォーム費用の10%の控除を受けられます。対象となる工事には「耐震リフォーム」「バリアフリーリフォーム」「省エネリフォーム」「三世代同居リフォーム」などがあり、それぞれ控除対象限度額が異なります。これらのリフォームを活用したときには、ぜひ確定申告をしましょう。

年金受給者が確定申告で得するケース8:損益通算・繰越控除

損益通算とは、複数の口座の利益と損失を合算した金額で税金の計算を行うことです。たとえば、2つの証券会社で投資信託を買い、一方で20万円の利益、もう一方で30万円の損失があったとします。このとき、確定申告を行い損益通算すれば、利益と損失が相殺されて利益が0円になるため、税金がかからなくなります。

また、損益通算をしてもなお引ききれない損失(上の例では、10万円)は、翌年以降3年以内に生まれた利益と相殺することができます。これを「繰越控除」といいます。
損益通算・損失の繰越控除は節税に役立つので、もし損失を抱えているなら忘れずに確定申告しておきましょう。

ただし、繰越控除で3年間にわたって損失を繰り越したい場合は、ほかに確定申告することがなくても確定申告が必要です。また、NISAやiDeCoでの利益、損失は損益通算や繰越控除の対象外です。

まとめ

年金受給者が確定申告で得する8つのケースを紹介してきました。これらのケースに該当するならば、ぜひ確定申告をして税金を取り戻しましょう。
また、税金を還付してもらうための「還付申告」は、対象となる年の翌年1月1日から5年間できます。過去5年分を確認して「確定申告をし忘れていた」「控除が漏れていた」ということがあれば、還付申告をしましょう。

今回の内容は動画でも紹介しています。ぜひご覧ください。

頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍90冊、累計150万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。twitter→@yorifujitaiki

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連するみんなのマネー相談(FP Cafe)

50歳から正社員とパート、どちらが得?

年金神奈川県 いいね 2
2015/12/06

主人は自営業で二人で国民年金を20年以上払ってきました。 
50歳になって私は正社員になり厚生年金に。主人は会社で厚生年金を始めました。
正社員といっても手取りで20万円程度で残業代もボーナ...

マネー相談の続きを見る

国民年金基金か確定拠出年金か

年金広島県 いいね 2
2016/10/31

▼プロフィール
年齢:夫 48歳、私 37歳
住居:賃貸マンション
職業:夫(彼) 正社員、私 アルバイト
貯金:夫(彼) 約4000万円、私 約2500万円
年収:夫(彼) 約150...

マネー相談の続きを見る

▼プロフィール
年齢:私 53歳、妻 37歳 娘 小学校6年生
住居:私 賃貸マンション暮らし
職業:私 契約社員、妻 アルバイト
貯金:私 約400万円、妻 約600万円
年収:私 ...

マネー相談の続きを見る

閉じる
FP Cafe® お金の相談をするなら、一生涯の「お金の相談パートナー」へ