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23/01/28

家計・ライフ

役所も銀行も教えてくれてない定年前後のお金の正解「定年前後のお金の教科書」

役所も銀行も教えてくれてない定年前後のお金の正解「定年前後のお金の教科書」

定年後の人生に不安がないという人は、おそらくいないのではないでしょうか。とくにお金の不安は、誰もが抱えているものでしょう。
今回紹介する「老後の不安がぜんぶなくなる! 知った人だけが得をする! マンガと図解 定年前後のお金の教科書」には、お金の不安をなくすための働き方・年金のもらい方・資産運用の仕方などがまとめられています。

老後はお金が足らないというシビアな現実

仕事で毎日忙しく過ごしていると、引退したら趣味や旅行など好きなことをしてのんびり暮らしたくなりますね。その反面、年金をちゃんともらえるのか、老後の資金は足りるのかという不安もよぎります。

事実、退職金は年々減額される傾向にあり、年金だけで暮らそうとすると計算上では月に2、3万円の赤字になってしまうのだそう。生活費が足りなくなる上に、高齢になるとなにかと医療費がかさむことを考えると、退職後にはなかなかシビアな現実が待っていそうです。

そこで、安心して老後を過ごせるように、今のうちから対策を立てておきましょう。年金以外の収入を得るには、やはり働くことです。といっても生活費の不足分だけ補填できればいいわけなので、現役時代のようにフルタイムで働く必要はありません。再就職や独立など、定年後の働き方の選択肢はいろいろあります。

何もせずに家でゴロゴロしていると、脳はさびついてくるし、身体の機能が衰えて一気に老け込んでしまいます。働くことで社会とつながり、さまざまな体験をしたり人と交流したりすると、脳が刺激されてはつらつと過ごせます。老化予防と健康維持のためにも働くことは大切です。

働かずとも収入を得たい人は

ただ、働き続けることが必ずしもいいとは限りません。高齢者は体力が落ちて、ケガや病気になりがち。無理に働いて身体を壊すと、逆に医療費がかかってしまいます。

働くほかに収入を得る方法があります。資産運用です。投資はリスクがあるため注意が必要ですが、堅実な運用を心がけて始めてみてはどうでしょうか。初心者でも資産の大半を安定運用に当て、少額を株式投資に当てる「コア・サテライト戦略」という基本のやり方をおさえれば大丈夫。運用しやすいのは投資信託(インデックス型・バランス型)で、iDeCoやつみたてNISAといった制度と組み合わせると税金面で有利です。

投資を始める時、自分は初心者だからプロに任せるのが安心だと銀行の窓口に相談したくなりますが、ちょっと待ってください。銀行が勧める退職金運用プランは手数料が高いものばかりなので要注意です。お金を増やそうとして、逆に貯金を失ってしまうことのないように気をつけましょう。

ほかに貯金を減らさない方法は、節約してお金をなるべく使わないことです。電気代は契約アンペア数を下げると費用が下がり、通信費は低価格プランや格安スマホに換えると削減できます。シニア割があれば積極的に活用しましょう。ストレスなく手軽にできる節約術は知っておいて損はありません。

貯めたお金は使うもの

お金は生きるために必要ですが、自分の人生を実り多いものにする方が大切だということを忘れないようにしましょう。いくら貯めてもお金で本当の幸福は買えません。誰もがうらやむ大金持ちなのに、人生の目的が見つけられない不幸なままの人は大勢います。

お金は使うための道具なので、持っているだけでは意味がありません。自分の貴重な時間を消費して稼いだのですから、使わないのはもったいないもの。やりたいことを我慢してひたすらお金を溜め続けるだけの人生だと、むなしさを感じてしまうかもしれません。お金と引き換えにさまざまなすばらしい経験ができるし、あの世には持っていけません。ある程度貯金ができたら、自分のために取り崩すことを考えましょう。

老後はまだずっと先の話に思えても、本書掲載の「定年前後のお金の手続きカレンダー」を見ると定年までにすべきことは案外多いものです。中でも50代から65歳以降までにやることはたくさんあるため、早くから取り組んでいきましょう。タイムバケットという人生計画ツールを使うと、人生でやりたいことやどう生きるのかという重要なテーマがクリアになります。

知識は力なり。制度が変わってもすぐに対応できるように、本書のような本から情報を更新することが大切です。全カラーページでマンガも多く、全体がわかりやすく簡潔にまとめられている一冊です。

マンガと図解 定年前後のお金の教科書

小野寺 理香 おのでら りか

読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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