26/04/07
「マグニフィセント・セブン」と「日本の時価総額トップ7社」の平均年収はどのくらい違うのか

「マグニフィセント・セブン」とは、世界経済を牽引する米国の巨大ハイテク企業7社のことで、Google、Apple、Meta Platforms、Amazon、Microsoftの「GAFAM」の5社にTestaとNvidiaを加えた7社のことを指します。これらの世界トップ企業の従業員の報酬は一体いくらなのでしょうか。
日本で最大規模のトヨタをはじめ、時価総額上位7社の従業員の年収とどれくらい違うのか紹介します。
マグニフィセント・セブンの従業員の年収はどのくらい?
世界中から優秀なAI人材を引き寄せるために、マグニフィセント・セブンの企業では職種がエンジニアなら新卒でも3000万円ちかくの報酬を提示する企業もあります。
ここでは、マグニフィセント・セブン各社のSEC(米国証券取引委員会)提出書類に記載されている従業員の総報酬の中央値を紹介します。
米国では2018年から「Pay Ratio」(ペイレシオ)と呼ばれる、企業の経営トップの報酬が従業員の総報酬の何倍かを示す倍率を開示することが義務付けされています。ペイレシオは、
ペイレシオ=CEO報酬総額÷従業員の報酬の中央値
の計算式で求めることができます。ペイレシオを開示することで、株主がCEOの報酬の妥当性を監視し、従業員が正当に評価されているかを測る指標となっています。
報酬の金額は、2024~2025会計年度のものです。円建ての金額は1ドル=155円として計算した金額(千円単位を四捨五入)です。
●グーグル(Google、親会社はAlphabet)
・従業員の年間報酬の中央値 33万1894ドル(約5144万円)
・CEOの年間総報酬 約1073万ドル(約16億6315万円)
・ペイレシオ 32倍
●アップル(Apple)
・従業員の年間報酬の中央値 13万9483ドル(約2162万円)
・CEOの年間総報酬 約7429万ドル(約115億1495万円)
・ペイレシオ 533倍
●メタ(Meta Platforms)
・従業員の年間報酬の中央値 41万7400ドル(約6470万円)
・CEOの年間総報酬 約2722万ドル(約42億1910万円)
・ペイレシオ 65倍
●アマゾン(Amazon)
・従業員の年間報酬の中央値 3万7181ドル(約576万円)
・CEOの年間総報酬 約160万ドル(約2億4800万円)
・ペイレシオ 43倍
●マイクロソフト(Microsoft)
・従業員の年間報酬の中央値 20万972ドル(約3115万円)
・CEOの年間総報酬 約9650万ドル(約149億5750万円)
・ペイレシオ 480倍
●エヌビディア(NVIDIA)
・従業員の年間報酬の中央値 30万1233ドル(約4669万円)
・CEOの年間総報酬 約4987万ドル(約77億2985万円)
・ペイレシオ 166倍
●テスラ(Tesla)
・従業員の年間報酬 5万7243ドル(約887万円)
・CEOの年間総報酬 0ドル
・ペイレシオ 0倍
マグニフィセント・セブンの中で従業員の年間報酬の中央値が一番高いのは、Metaで6470万円。Metaは7社の中で最も高額な報酬を提示し、AI人材獲得に力を注いでいます。上位層のエンジニアにおいては、2~3億円の報酬です。
次いでAlphabetの5144万円。Alphabetは、世界中の従業員に対して最高水準の報酬を出すことを明言しています。2024年は、従業員数18万3323人に対して売上高が3501.8億ドル。一人当たりの生産性は、190万ドル超(約2.9億円)です。高い生産性であるからこそ、高報酬を提示できることに納得できます。
3番目に年間報酬が高いのがNvidiaで4669万円。生成AI向けの半導体の企業で、AIブームを背景に急成長しています。待遇や評価の高い企業に求人が集まり、トップエンジニアを急増させているといわれています。
下位の報酬の企業について見てみると、Amazonが576万円。従業員の報酬の中央値が低いのは、 物流倉庫の現場スタッフとIT技術職の従業員とでは報酬の二極化が起きているからです。Teslaも製造現場の従業員が多いため、887万円と報酬が低くなっています。TeslaのCEO総報酬については、2025年11月6日の定時株主総会で、イーロン・マスク氏に対する1兆ドル(約155兆円)規模の報酬案を承認しましたが、今後10年間でTeslaの市場価値を高める目標を達成する必要があります。2018年に設定された報酬パッケージがデラウエアの裁判所で無効とされた影響などで、公式な報酬は「0ドル」と報告されています。
マグニフィセント・セブンのCEOの報酬額は、株式報酬付与のタイミングなどによって年ごとに大きく変動します。表面的な数字だけでは測れない事情があります。
日本の時価総額トップ7社の平均年収は?
それでは、日本の企業について見ていきましょう。時価総額上位7社といえば、日本を代表する企業が並び、株式市場の評価や人気などで日々順位が入れ替わります。ここでは、2026年3月19日の株式相場を参考に、トヨタ、三菱UFJ、日立、三菱商事、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、ソニーグループの平均年収を紹介します。
●トヨタ自動車
トヨタ自動車の平均年収は982万5635円(2025年3月期)。
国内だけではなく、海外でも事業展開する自動車メーカーで、日本の自動車企業ではトップの平均年収です。トヨタ自動車では、役職やグレードによって年収が決まります。また、年収に占めるボーナスの割合が高く、業績や評価によって変動します。従業員の人数も多く、さまざまな職種にまたがっているため、平均年収は押し下げられる傾向があります。
●三菱UFJフィナンシャル・グループ
三菱UFJフィナンシャル・グループの平均年収は1093万3000円(2025年3月期)。
日本最大級の総合金融グループです。平均年収は、国内金融機関の中でもトップクラスの水準で、成果主義に基づいた給与体系を採用しており、業績が収入に反映する仕組みが整っています。
●日立製作所
日立製作所の平均年収は961万3890円(2025年3月期)。
日立は、幅広い事業を展開する総合電機メーカーで、年功序列の傾向がありますが、実力に応じた昇進も可能な制度を取っています。
●三菱商事
三菱商事の平均年収は2033万3662円(2025年3月期)。
入社10年目から年収2000万円という年収水準の高い企業になっています。海外駐在になれば海外駐在手当が出るため、さらに収入アップが期待できます。近年では中途採用を積極的に行っています。
●ソフトバンクグループ
ソフトバンクグループの平均年収は1363万1161円(2025年3月期)。
通信事業を行う「ソフトバンク株式会社」とは別会社です。ソフトバンクグループ株式会社は投資持株会社で、テクノロジー企業への株式投資とファンド運営が中核事業です。
●ファーストリテイリング
ファーストリテイリングの平均年収は1250万6000円(2025年8月期)。
ファーストリテイリングは、ユニクロ、GUなどのアパレルブランドを世界中で展開するグローバル企業です。年収は会社独自のグレード制度を採用しており、成果や実力に応じて昇進が決まる評価制度があります。各グレードの要件を満たせば、昇進が可能ですが、目標が達成できない場合には降格になることもあります。評価によって年収が変わる可能性があります。
●ソニーグループ
ソニーグループの平均年収は1118万3744円(2025年3月期)。
ソニーはエレクトロニクス分野だけではなく、エンターテイメントや金融の事業展開を行っている世界的な企業です。年収体系は、基本給はグレードによって、賞与は評価によって決定され、ジョブ型の年収制度を採用しています。日本の大手総合電機企業とくらべて最も高い年収水準です。
日本の企業も「競争力」のあるものに変えていく時期
マグニフィセント・セブンについては「年間報酬の中央値」、日本の時価総額トップ7社については「平均年収」について紹介しました。平均は一部の高い年収をもらっている人が数字を押し上げ、中央値より数字が高くなる傾向があります。
とはいえ、国税庁の「民間給与実態調査(2024年)」では、日本の平均給与は478万円と低いものになっており、従業員の報酬は世界の水準から劣後する結果になっています。日本の時価総額が大きい企業は、年功序列の給与体系から成果を賃金に反映する制度を取り入れています。
米国の従業員の報酬が上昇した要因として、イノベーションを生む産業構造であり、職務内容やスキルに応じた成果主義を取り入れていることが挙げられます。より良い待遇を求めて転職するので、人材確保のためには高い報酬を提示しなければならず、結果として専門性の高い職種では報酬が上昇しています。
日本では働き方改革が叫ばれていますが、年功序列の給与体系のままでは優秀な人材は獲得できない可能性があります。日本の企業も従来の給与体系を見直し、競争力あるものに変えていく時期に差し掛かっているといえるでしょう。
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池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®
証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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