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23/03/22

家計・ライフ

NHKの受信料「契約しないと3倍」は本当なのか

NHKの受信料「契約しないと3倍」は本当なのか

2023年の春から、NHKの受信契約をしない人や受信料を支払わない人には、受信料に加えて「割増金」が請求される可能性があります。今回は、NHK受信料に関するルールの変更内容をお伝えするとともに、NHK受信料を安くする方法を紹介します。NHK受信料の負担を増やしたくない人やお得に支払いたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

NHKの契約をしない人は受信料の3倍を請求されることも

2023年4月1日から日本放送協会(NHK)放送受信規約 が変更され、NHKは以下に該当する人に対して、支払わなかった受信料に加えて、受信料の2倍の割増金を請求できるようになります。つまり、実質受信料の3倍を請求される可能性があるのです。

●改正放送法の規定(第64条第3項第4号より)

次に掲げる場合において協会が徴収することができる受信料の額及び割増金の額その他当該受信料及び当該割増金の徴収に関する事項
イ 不正な手段により受信料の支払を免れた場合
ロ 正当な理由がなくて第二号に規定する期限までに受信契約の申込みをしなかった場合

イの「不正な手段」については、NHKの解約や免除などに関して虚偽の内容を届け出るような悪質なものです。ですから、まだ割増金が徴収されても仕方ないかもしれません。しかし、ロの「期限内に申込みをしなかった場合」も割増金を請求される可能性があるので注意が必要です。受信申込み期限は「受信機の設置の月の翌々月の末日まで」。例えば受信機の設置が4月10日なら、申込み期限は6月末となります。

割増金については、上記に該当する場合に一律に請求されるものではありません。NHKによると、

・割増金が導入されても、NHKの価値や受信料制度の意義をご理解いただき、納得してお手続きやお支払いをいただくという、これまでのNHKの方針に変わりはありません。
・割増金は、事由に該当する場合に一律に請求するのではなく、個別事情を総合勘案しながら運用していくものと考えています。

と説明していますが、受信契約をしないことで高くつく可能性があるので注意が必要です。

NHKの受信料を安くするおすすめの方法は?

割増金を請求されないためにはNHKの受信契約をするのが得策ですが、できるだけ安く抑えたい思いもあるでしょう。NHK受信料を安くする方法としておすすめなのは「クレジットカードでのまとめ払い」です。

NHK受信料の支払い方法には以下の3つ方法があります。

1.振込用紙での支払い
2.口座振替
3.クレジットカード払い

このうち口座振替とクレジットカード払いは、振込用紙での支払いより受信料額が安く設定されています。またNHK受信料は2か月単位での支払いが基本ですが、「6か月前払い」「12か月前払い」も選択でき、前払いの期間が長いほどお得になります。

支払方法によって受信料額は次のように変わります。

●NHK受信料

※沖縄県の受信料額は別途(上表の金額より割安)
NHK「放送受信料のご案内」より筆者作成

地上契約・衛星契約ともに、口座振替・クレジットカードの12か月前払いが最もお得なのがわかります(上表赤枠を参照)。

例えば衛星契約をクレジットカードで支払う場合、12が月前払いなら、2か月払いに比べてひと月あたり155円、年間で1860円お得になります。口座振替も同じ金額ですが、クレジットカードならポイント還元もあるので、よりお得に支払えます。

このほかにも、NHKの受信契約が複数あるご家庭の場合、2軒目(同一生計に限る)の受信料が半額になる「家族割引」や、一定の条件を満たす人(一定の障害状態にある人や奨学金を受給している学生等)を対象とした免除制度もあります。これらに当てはまりそうな人は、NHKのウェブサイトで詳細の条件をチェックしてみましょう。

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2023年10月からは受信料の値下げも

2023年10月以降は、以下のとおり受信料の値下げも予定されています。また、現在は継続振込等払いと口座・クレジットカード払いの受信料額は分けられていますが、変更後は一本化される予定です。

●2023年10月以降のNHK受信料

NHK「NHK経営計画(2021-2023年度)の修正(案)について」より筆者作成

受信料の値下げ率は約1割。口座振替・クレジットカード払いの場合、地上契約では125円(年間1500円)、衛星契約は220円(年間2640円)の値下げとなります。電気代・ガス代や食料品などの値上げが続く中、NHK受信料の値下げは多少なりとも家計にとっての朗報といえるのではないでしょうか。

まとめ

2023年4月以降は、NHKの受信契約を期限内にしなかったり不正に支払いを免れたりすると、受信料の3倍の額を請求される可能性があります。NHKの受信料に関してはみなさん色々な考えをお持ちかと思いますが、金銭的なデメリットを避けるためには受信契約をするのが得策でしょう。それを踏まえたうえで、今回紹介したNHK受信料を安くする方法を参考に、お得に利用する工夫をしてみてはいかがでしょうか。

鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com

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