22/12/20
【2024年切り替え】「マイナ保険証」なら高額療養費も自動申請できるのは本当か
現行の健康保険証が2024年秋に廃止される見込みです。その前段階として、2022年10月からマイナンバーカードを保険証として利用する「マイナ保険証」が導入されています。
この「マイナ保険証」は、今までの健康保険証とは何が違うのでしょうか?今回は、マイナ保険証で高額療養費の手続きも自動化されることなど、マイナ保険証のメリットとデメリットをご紹介します。
マイナンバーカードが保険証がわりに使える!
マイナ保険証は、マイナンバーカードを健康保険証の代わりに利用することです。「マイナ受付」のステッカー・ポスターのある医療機関や薬局では、保険証の代わりにマイナンバーカードをマイナ保険証として使えます。
使い方はとても簡単で、医療機関や薬局でマイナンバーカードをカードリーダーにかざすだけ。マイナンバーカードをかざした後、顔写真で本人を確認します。
マイナ保険証を使うと高額療養費も自動で手続きできる
病気やケガでの医療費の支払いが高額の場合、限度額を超えた自己負担分を返金してくれる高額療養費制度。たとえば、年収約370万~770万円の69歳未満の人が、1カ月で100万円の医療費がかかり、3割負担によって30万円を支払ったとします。この場合、高額療養費を申請することで約21万円が戻ってきて、自己負担は9万円に満たない程度になります。
ただ、高額療養費は一旦実費で支払って後から請求する必要があります。支払いが難しい場合は事前に限度額適用認定証の交付を受け、医療機関に提示することで自己負担限度額のみの負担で済みますが、手間がかかるのが欠点でした。
しかし、オンライン資格確認が導入された医療機関でマイナ保険証を使用すれば、高額療養費も自動で手続きできます。そのうえ、限度額適用認定証を医療機関に提示する必要がなくなり、自己負担限度額のみの負担で済みます。
医療費が大きくかかるときは体調が思わしくなく、手続きなどが大変な時期なので、手続きの手間が軽減されることにメリットを感じる人は多いはずです。
マイナ保険証のメリットは他にも
マイナ保険証のメリットは、他にもあります。
●マイナ保険証のメリット:①薬局での窓口負担が安くなる
2022年10月以降、マイナ保険証を使用した場合の窓口負担が減るようになりました(現行の保険証を使用の場合は負担が増えます)。
2022年9月までは、初診料として現行の健康保険証を使った場合は9円、マイナ保険証を使った場合は21円がかかっていました。マイナ保険証を使ったほうが高かったのです。しかし2022年10月からは、現行の健康保険証の初診料12円、マイナ保険証6円となり、マイナ保険証のほうが少し安くなります。
なお再診の場合は、マイナ保険証と従来の健康保険証ともに上乗せはありません(ともに3割負担の場合)。 また、病院や薬局でマイナ保険証のシステムを導入していない場合は現行の健康保険証を使用しても追加負担は発生しません。
●マイナ保険証のメリット:②就職や引っ越し後も手続き不要で使用できる
現行の健康保険証は就職や引っ越しなどの際には都度再発行の手続きが必要でした。今回導入されたマイナ保険証では、再発行が不要になります。転職や転勤が多い忙しい人たちにとって、面倒な手続きがなくなるのは嬉しいのではないでしょうか。
●マイナ保険証のメリット:③病院、薬局での受け付けがスムーズになる
体調が良くないときに訪れる病院や薬局。人との接触をなるべく避けたいと思っている方も多いのではないでしょうか。マイナ保険証を利用すれば、担当の方に対応してもらわずとも、窓口でカードリーダーにかざすだけで受け付けが完了します。顔認証つきなので、本人確認も自動ででき、スムーズに手続きをすることができます。
コロナ感染が心配な人にとっても、人との接触を極力減らすことができることは大きなメリットと言えるでしょう。
●マイナ保険証のメリット:④マイナポータルで医療情報や確定申告が管理できるようになる
マイナ保険証を使うと、行政手続きのオンライン窓口「マイナポータル」から特定健診の結果や過去に処方された薬の情報などを閲覧できるようになります(利用に際しては本人の同意が必要)。 お薬手帳を落ち歩いたり、健診結果をファイリングしたり必要がなくなるのです。複数の病院を受診している場合も安心して薬を処方してもらうことができます。
予防接種の履歴も残すことができるので、幼児期の怒涛の予防接種も管理できます。幼い子供をお持ちのお母さんには心強いでしょう。薬局で処方された薬の情報なども記録されるようになるため、複数の病院を受診している場合は薬の重複がないことを薬剤師が確認することもできます。
また、確定申告の医療費控除が簡単にできるのもマイナポータルの良い点です。
従来は自分で医療費を計算して申告する必要がありましたが、マイナポータルで履歴が残り、スムーズに手続きができるようになりました。「領収書を無くしてしまって、申告できない」「年間の医療費が10万円を超えているか分からない」などの理由で申告できなかった人も手軽に正確に申告できるようになります。
●マイナ保険証のメリット:⑤マイナポイントがお得!
マイナンバーカードをマイナ保険証として利用するには、マイナ保険証の利用申込みが必要です。マイナ保険証の利用申込みを行うと7,500円分のマイナポイントがもらえます。
マイナポイントは、①マイナンバーカードの取得などで5000円分、②マイナンバーカードの健康保険証申し込みで7500円分、③マイナンバーカードの公金口座登録で7500円分がもらえます。まだ、マイナンバーカードを発行していない人は、最大2万円分のマイナポイントがもらえます。
ただし、マイナポイントの対象となるマイナンバーカードの申請期限は2023年2月末まで。また、マイナポイントの申込期限は2023年5月末までとなっています。まだマイナンバーカードをお持ちでない方やマイナ保険証に切り替えていない方は今がチャンスです。
マイナ保険証にはデメリットも
利便性が高く、お得なマイナ保険証ですが、1つ欠点があります。それは、マイナ保険証に対応している病院や薬局が少ないことです。未対応の医療機関の場合、せっかくマイナ保険証を持参しても、利用できずに現行の健康保険証を求められることになってしまいます。マイナ保険証の普及とともに利用できる範囲も広がってくるでしょう。
まとめ
情報の管理や医療費の手続きの負担を大幅に減らすことができるマイナ保険証。デメリットもありつつも、メリットも大きいことがお分かりいただけたと思います。現行の健康保険証の廃止は2024年秋までとまだ少し先ですが、今なら普及に向けてのお得な施策もあり、切り替えに最適な時期と言えそうです。今年中の申し込みを検討してみてはいかがでしょうか。
【関連記事もチェック】
・10月から年金の振込額が減ってしまう人がいるのは本当か
・年金から天引きされる5つのお金 月20万円もらえる場合いくら引かれる?
・「節約でお金持ち」の人が決して削らない7つのお金
・クレジットカードを解約せずに放置して起こる5つのデメリット
・生活費が高くなる「意味のない」節約5選
城山ちょこ ライター
東京海上日動火災保険出身。慶応大学院SDM研究科修了。
2013年よりライターの道へ。執筆ジャンルは金融(保険)、働き方、子育て、結婚など女性のライフスタイル全般。2児の子育てと仕事の両立に日々奮闘中。丁寧でわかりやすい記事をモットーとしています!
この記事が気に入ったら
いいね!しよう