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22/03/02

家計・ライフ

定年後の「再雇用」と「再就職」は何が違う?お金面での違いは?

定年後の「再雇用」と「再就職」は何が違う?お金面での違いは?

現在では60歳で定年退職を迎えて、そのまま老後の生活に入る人は少ないようです。定年後も企業で働く場合、大きく分けて再雇用と再就職の2つの選択肢があります。どちらも継続的に働き続けるのは同じですが、再雇用と再就職ではいったい何が違うのでしょうか。今回は再雇用と再就職の違いとそれにまつわるお金について解説します。

同じ企業・グループ企業で働く「再雇用」

再雇用とは、それまで勤めていた企業を定年退職した後、希望すれば同じ企業、もしくはグループ企業などに再度雇用されて働く仕組みです。事業主に義務付けられた「65歳までの雇用確保措置」では、「65歳までの定年の引上げ」「65歳までの継続雇用制度の導入」「定年の廃止」のどれかを講じる必要があります。このうちの「65歳までの継続雇用制度の導入」が再雇用にあたります。

一度定年退職を迎えるため、退職金を受け取ることができます。しかし、再雇用後は新たな契約となるため退職前と同じ条件で雇用されるとは限りません。再雇用後は正社員だけでなく、嘱託や契約社員、パート・アルバイトなどあり、賃金も定年前の5割から8割くらいの水準になることが一般的です。
とはいえ、退職前の仕事場で慣れた仕事ができることや、新しく人間関係を築くストレスがないことなどのメリットもあります。
厚生労働省『令和2年「高年齢者の雇用状況」集計結果』によると、60歳定年退職者の85.5%が再雇用を選択していることがわかります。

●60 歳定年到達者の動向

厚生労働省『令和2年「高年齢者の雇用状況」集計結果』より

自分は再雇用を希望していても、会社に制度がなければ希望は叶いません。高年齢者雇用確保措置の実施状況によると、99.9%の企業が制度を導入していますが、企業規模が小さい場合は対象になっていないかもしれませんので、確認が必要です。

●高年齢者雇用確保措置の実施状況

厚生労働省『令和2年「高年齢者の雇用状況」集計結果』より

他の企業で働く「再就職」

定年退職後、再雇用を選択しなかった場合は、他の企業に再就職するという選択肢もあります。退職後、しばらくは失業保険(雇用保険の基本手当)を受けながら再就職先をゆっくり探すこともできます。
しかし、ハローワークや転職サイトなどを使って自分で再就職先を見つけなければなりません。さらに、60歳以上を対象とした正社員の求人は少なく、契約社員などの非正規雇用が多くなります。

厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概況」によると、入職者に占めるパートタイム労働者の割合は、女性の場合60~64歳で約76%、65歳以上では約90%となっています。また、男性でも60~64歳で約43%、65歳以上では約70%と高い水準になっていることがわかります。

●入職者に占めるパートタイム労働者の割合

厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概況」より

また同調査によると、再就職後賃金が低下した人の割合は60〜64歳で71.3%、65歳以上で53.2%と大多数を占めています。

とはいえ、再就職する場合は、それまでと違った仕事を選択することができます。それまでやりたかったことや、趣味を生かした仕事に就くこともできます。新しい職場で新たな人との出会いがあるかもしれません。

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再雇用と再就職、どっちがお金がもらえるの?

再雇用でも再就職でも、現役時代に比べると賃金は低下するケースが多いでしょう。しかし、そうした賃金低下に対して給付金などの制度があります。

●再雇用の場合もらえる「高年齢雇用継続基本給付金」

雇用保険の基本手当を受け取っていない再雇用の場合、60歳時点の賃金と比較して、再雇用後の賃金が低下した場合、「高年齢雇用継続基本給付金」を65歳まで受け取ることができます。

高年齢雇用継続基本給付金の金額は、賃金の低下率によって異なります。

【高年齢雇用継続基本給付金の金額】
・賃金低下率75%以上:支給なし
・賃金低下率61%超〜75%未満:実際に支払われた賃金額×支給率
・賃金低下率61%未満:実際に支払われた賃金額×15%

厚生労働省の資料より

例えば、定年退職前の賃金が30万円、再雇用後の賃金が15万円だった場合の賃金の低下率は50%ですから、「61.00%以下」に該当します。したがって、15万円の15%の2万2500円が毎月支給されます。65歳まで受け取ると、合計135万円になります。

●再就職の場合もらえる「失業保険(基本手当)」

定年退職であっても、働く意欲があればハローワークに登録することで失業保険の基本手当をもらうことができます。

基本手当の給付日数は被保険者期間が20年以上あれば150日です。また、60歳から64歳までの基本手当の上限は最高でも日額7096円(2021年8月〜)なので、最大106万4400円です。

定年退職後のお金で考えなければならないのは、賃金のことだけではありません。退職後の健康保険料についても考えておきましょう。
再雇用される場合の健康保険料は、それまで通り事業主と折半した自己負担分だけが天引きされます。しかし、基本手当を受け取っている間は、前の会社の健康保険を任意継続するか、国民健康保険に加入しますが、保険料は全額自己負担です。さらに、国民健康保険の場合、扶養親族がいるならばその分の保険料も必要になります。

これらのお金のことを考えると、再雇用で働いた方がもらえるお金は多く、支出も少なく抑えられるでしょう。

まとめ

平均寿命も年々伸びている現在では、60歳で定年退職しても働き続ける人は増えています。収入や支出を考えれば再雇用で働く選択肢が良さそうです。
しかし、定年後は「第二の人生」といわれます。セカンドライフで何かやりたいことがある場合は、収入だけに囚われず、自由になる時間などを優先できる働き方を選択してもよいのではないでしょうか。

黒須 かおり ファイナンシャルプランナー(CFP)

女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識など幅広い資金計画とライフプランのアドバイスを手がけている。金融機関にて資産形成のアドバイザーとしても活動中。FP Cafe登録パートナー

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