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22/02/07

家計・ライフ

高額療養費制度の意外な3つの落とし穴

高額療養費制度の意外な3つの落とし穴

医療費が高額になった際に上限金額以上のお金を払い戻してくれる「高額療養費制度」。予期しない病気や事故のリスクを抱えた私たちにとって、非常にありがたい制度ですが、実は、知らないと損をしてしまう制限やルールがあるのです。
もらえるべきお金をしっかりと受け取るためには何に気を付ければよいのでしょうか?
今回は、高額療養費制度の内容や注意すべきポイントについてご紹介します。

高額療養費制度とは

高額療養費制度とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担上限額)を超えた分が、払い戻される制度です。自己負担限度額は、収入や年齢(70歳以上か否か)によって違いがあり、下図のように分けられています。

●高額療養費制度の自己負担限度額

(69歳以下)

(70歳以上)

たとえば、69歳以下で年収が約370万円~約770万円の人の医療費が200万円かかった場合「80,100円+(200万円−267,000円)×1%=97,430円」。つまり、この月の自己負担上限額は97,430円となり、この額を超えた分に関しては、返金を受けることができるということです。

高額療養費制度の3つの落とし穴

高額療養費制度はとてもありがたい制度ではありますが、意外な落とし穴もあります。

●高額療養費制度の落とし穴①:医療費は1か月ごとに計算する

高額療養費制度は、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費を対象に自己負担上限額を決定します。つまり、高額療養費制度は毎月1日から末日の1か月で区切られるということ。月をまたいだ分がある時は、それぞれの月で上限額の負担が発生する点、注意が必要です。

たとえば、69歳以下で年収が約370万円~約770万円の人が20日間入院して、医療費が200万かかったとします。この場合、入院期間の違いで自己負担上限額が変わってきてしまいます。

・入院期間が3月1日~3月20日までの場合
80,100円+(200万円−267,000円)×1%=97,430円(自己負担上限額)

・入院期間が3月20日~4月8日までの場合
3月20日~3月31日までの高額療養費(医療費150万円かかった場合)
80,100円+(150万円-267,000円)×1%=92,430円
4月1日~4月8日までの高額療養費(医療費50万円かかった場合)
80,100円+(50万円-267,000円)×1%=82,430円
⇒3月分の92,430円+4月分の82,430円=174,860円(自己負担上限額)

今回のケースの場合、月内入院と月またぎ入院でなんと77,430円もの違いが!同じ治療内容でこの差は大きいのではないでしょうか?
急を要さない場合や入院日数に融通が利く場合には月内におさまるように病院側に相談することをお勧めします。

●高額療養費制度の落とし穴②:家族分の医療費が合算できない場合がある

一人では上限額に届かないが、家族で合算すれば、上限額に達するという場合、医療費を世帯合算して高額療養費制度を利用することができます。家族の誰かが一つの医療機関で入院と外来を受診した場合や同月に複数の医療機関を受診した場合、または家族の複数名が別々の医療機関を受診した場合には、それぞれの医療費を合算できます。

しかし、ここで落とし穴となるのが、家族ならば誰でもOKというわけではないこと。世帯合算には条件があり、合算しようとする家族が同じ健康保険に加入している必要があります。また、69歳以下の場合には、合算できる自己負担額が21,000円以上のものに限られます。夫婦共働きでそれぞれに健康保険に加入しているような場合や一人一人の医療費が21,000円未満の場合には適用にならないことを覚えておきましょう。

●高額療養費制度の落とし穴③:お金はすぐには戻ってこない

高額療養費制度を利用しても、上限を超えた医療費が返金されるまでには3か月以上かかります。お金に余裕がある場合には問題ありませんが、すぐに戻ってくるわけではないということを頭に入れておくとよいでしょう。
なお、医療費が高額になりそうなときは、限度額適用認定を受けることで、窓口での支払額が自己負担限度額までになります。手続きは、お住まいの自治体や協会けんぽ、健康保険組合などで行います。

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まとめ

かさむ医療費負担を減らしてくれる心強い「高額療養費制度」。しかし、考えなしに請求しては、想定している金額を受け取れない可能性が大きいことが、お分かりいただけたのではないでしょうか。逆に言うと、事前にしっかりと考えて行動すれば、万単位の負担を軽減できるかもしれないのです。万が一の病気や事故に備え、ぜひこの機会にしっかりと高額療養費制度について理解しておくことをおすすめします。

城山ちょこ ライター

東京海上日動火災保険出身。慶応大学院SDM研究科修了。
2013年よりライターの道へ。執筆ジャンルは金融(保険)、働き方、子育て、結婚など女性のライフスタイル全般。2児の子育てと仕事の両立に日々奮闘中。丁寧でわかりやすい記事をモットーとしています!

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