16/09/27
お地蔵さんに酒断ち祈願、底が抜けたひしゃくは安産祈願? 巡りたくなる土佐の札所
ライター吉田明乎の四国遍路ひとり旅、第5回目は引き続き土佐の霊場巡りです。ほかのお寺ではあまり見かけない、ちょっとユニークな願掛け法を見つけました。
お酒がやめらない人に! 第二十九番・国分寺(こくぶんじ)
お遍路をしているとたくさんのお地蔵さんに会うことができます。
第二十九番・国分寺(こくぶんじ)では、「ひとこと地蔵」という、とてもユニークなお地蔵さんに出会いました。祠の中には、ひと言だけ願いを叶えてくれるというお地蔵さんがいらっしゃいます。
一人の女性が夫の禁酒を願ったところ、その願いが叶ったそうな……。通称「酒断(さけだち)地蔵」。お酒がやめられない方は、ぜひ拝んでみましょう!
国分寺は741年に建立、行基菩薩が千手観世音菩薩を彫ってご本尊としました。杉苔が美しいことから「土佐の苔寺」とも呼ばれています。
画像提供:Akiko Yoshida
画像提供:Akiko Yoshida
「よさこい節」の舞台、第三十一番・竹林寺(ちくりんじ)
高知民謡「よさこい節」の舞台でもある第三十一番・竹林寺。
五台山山頂付近にあり、眼下には浦戸湾と高知市街が広がります。高知の札所唯一の五重塔は見所のひとつ。実は高知の札所唯一どころか、意外にも四国霊場で五重塔は、4つしかありません。総檜造りで31メートルくらいの高さがある竹林寺の五重塔。紅葉の季節は特に風情があってとても綺麗。思わず写真に納めたくなりますよ。
お寺のご本尊は文殊菩薩。知恵の神様ですね。四国霊場で文殊菩薩をご本尊としているのは竹林寺だけだそうです。本堂は江戸時代に建てられたもので、国の重要文化財になっています。
画像提供:Akiko Yoshida
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底の抜けたひしゃくにご利益が? 第三十四番・種間寺(たねまじ)
唐から帰朝した空海さんが、薬師如来をご本尊として開創した第三十四番・種間寺(たねまじ)。空海さんが唐から持ち帰った五穀の種(米・麦・あわ・きび・豆またはひえ)を境内に蒔いたことが、お寺の名前の由来だそうです。
このお寺の安産祈願方法はとてもユニーク。妊婦さんがしゃくしを持ってお詣すると、お寺では底を抜いて二夜三日の安産祈祷をしてくれます。そのひしゃくを持ち帰り、安産のお守りに。無事に出産したら、ひしゃくをお寺に納めに行くのだそうです。ひしゃくの底を抜くのは、「通りが良くなるよう」にという意味だそうで。子育て観音像の周りには、底の抜けたひしゃくがたくさん奉納されていました。
画像提供:Akiko Yoshida
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次はどんな札所でしょうか。次回もお楽しみに!
【四国八十八カ所、“逆打ち”お遍路の年】特集記事
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吉田 明乎 編集ライター/地域エディター
弘法大師・空海の超人ぶりに惚れています。自宅の机に鎮座する、弥勒菩薩半跏像に毎日癒されている瞑想女子。ロケ取材などで全国をめぐるかたわら、日本の美しい癒しスポットをHP「Akiko Yoshida Official Website」で発信中。
近著に『高野山に伝わるお月さまの瞑想法』(祥伝社黄金文庫)、共著に『こころ安らぐ仏教女子入門』(洋泉社)他多数。
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