16/11/02
お遍路泣かせの難所中の難所を超えて、絶景へ!
ライター吉田明乎の四国遍路ひとり旅、第6回目は引き続き土佐の札所をめぐります。有名力士がトレーニングしたお寺や天井画が楽しめるお寺、絶景が楽しめるお寺と今回も盛りだくさんです!
あの元横綱も修行した? 第三十四番・青龍寺(しょうりゅうじ)
引き続き土佐の札所から。第三十四番・青龍寺(しょうりゅうじ)は、170段の急な階段で知られているお寺です。第68代横綱・朝青龍関は、学生時代にこの階段で足腰を鍛えたのだとか。「朝青龍」の名前は、このお寺が由来と言われています。上を眺めると階段の高さにギョッとしますが、一段一段息を切らせながら登るのも、修行をしている感じがしていいもの。しばしの我慢です!
青龍寺の縁起によると、805年、唐の青龍寺で真言密教の秘宝を授かった空海さん。日本に帰国して寺院を建てようと、東の空に独鈷杵(とっこしょ)を投げ、最適な地が見つかるように祈願。帰国後、この地で巡教をしていたところ、老松に独鈷杵が留まっていたのを見つけ、後に「独鈷山・青龍寺」と名付けた寺を建立しました。本堂には、空海さんが唐から投げた独鈷が納められています。
江戸時代には、土佐藩山内家の厚い加護を受け発展しました。
本尊は波切不動明王(なみきりふどうみょうおう)。空海さんが舟で唐をめざした際、暴風雨を鎮めるために現れてくださった仏様です。宝剣で荒波を切り開き、難を払う功徳がありますよ!
画像提供:Akiko Yoshida
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能面やマリリンモンロー!天井画に見とれる第三十七番・岩本寺
第三十六番から次の三十七番までは、約58キロ。歩き遍路では長丁場になってしまいますが、バスツアーならそういった心配もなく、安心です。
第三十七番・岩本寺は、不動明王、聖観世音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来、地蔵菩薩がご本尊。5つの本尊が祀られた寺院は、四国霊場ではほかに類がありません。
本堂に入ったら、天井を見上げてみてください。昭和53年に改築した際、全国から公募した575枚の格天井画が見事です。花鳥風月や能面、マリリンモンローまで、色彩豊かな絵が上から迫ってきます。
画像提供:Akiko Yoshida
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四国最南端、足摺岬の端に立つ、第三十八番・金剛福寺(こんごうふくじ)
お遍路泣かせと言われるのが、この第三十八番・金剛福寺(こんごうふくじ)。第三十七番札所からなんと約80キロもあり、札所間の距離としては四国霊場最大。さすがに車遍路でも長い道のりです。歩き遍路だと3日〜4日かかるので、難所中の難所と言えるでしょう。
画像提供:Akiko Yoshida
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金剛福寺は足摺岬(あしずりみさき)の突端に位置し、岬全体が境内となっています。本堂前に大きな亀の石像がありますので、頭をなでてみてください。願いを込めてなでると幸運が訪れるのだとか。
お寺の周辺は亜熱帯植物が繁り、独特の雰囲気を醸し出しています。
ちなみに、『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』にて、「足摺岬」と「足摺岬からの眺望」がそろって二つ星の評価を得ています。難所に絶景あり! 参詣が終わったら、ぜひ足摺岬灯台の方にも足を運んで、旅の疲れを癒してください。
画像提供:Akiko Yoshida
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土佐国(高知県)の「修行の道場」を抜け、次回はいよいよ伊予国(愛媛)の「菩薩の道場」に入ります。お楽しみに!
【四国八十八カ所、“逆打ち”お遍路の年】特集記事
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・空海にまつわるユニークな伝説が残る土佐の札所へ
・おいしい名水に美しい庭園。イケメン不動明王にも逢える神峯寺
・お地蔵さんに酒断ち祈願、底が抜けたひしゃくは安産祈願? 巡りたくなる土佐の札所
・お遍路泣かせの難所中の難所を超えて、絶景へ!
・悟りへと続く「菩薩の道場」、伊予国を巡る
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吉田 明乎 編集ライター/地域エディター
弘法大師・空海の超人ぶりに惚れています。自宅の机に鎮座する、弥勒菩薩半跏像に毎日癒されている瞑想女子。ロケ取材などで全国をめぐるかたわら、日本の美しい癒しスポットをHP「Akiko Yoshida Official Website」で発信中。
近著に『高野山に伝わるお月さまの瞑想法』(祥伝社黄金文庫)、共著に『こころ安らぐ仏教女子入門』(洋泉社)他多数。
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