17/02/27
ミュシャの最高傑作《スラブ叙事詩》の謎、米国の実業家が関わっていた!?
《大ボヘミアにおけるスラヴ的典礼の導入》1912年
2017年3月6日、世界初公開。チェコの国内でしか見られなかったミュシャの《スラブ叙事詩》が新国立美術館で見られる!
一夜にして時代の寵児になったミュシャ
ミュシャといえば、リトグラフのポスターを思い出す人が多いのではないでしょうか?
アール・ヌーヴォーを代表する画家で、植物などの曲線を優雅に書き上げた構図が特徴です。
劇場のポスター、タバコのポスター、鉄道会社のポスターなど一度は目にしたことがあるかも知れません。
彼の成功は、まさにシンデレラ・ストーリーだったのです。
ミュシャは、モラヴィア(チェコ)に生まれ、パリに出てきたのは、1887年、彼が27歳のときでした。そして1894年の暮れ、劇場「ルネサンス座」から、舞台の新作「ジズモンダ」のポスターの依頼が印刷所に入りました。しかし、あいにくのクリスマス、残っていたデザイナーはミュシャしかいません。それまで雑誌の挿絵しか書いていなかったミュシャにとって、劇場のポスターは大仕事でした。
そのポスターがパリ中に張り出されるやいなや大評判!無名の画家が、一夜にして時代の寵児になったのです。
ミュシャは熱烈な愛国主義者でオカルト主義者?
ミュシャは、敬虔なカトリック信者、しかもなんと秘密結社のフリーメイソンのメンバーで、オカルト主義者なのです。
そして、熱烈な愛国主義者です。その愛国心は半端ではなかったようです。
なぜかというと、成功を手にしたミュシャは、祖国のために、後半生のすべてをつぎ込んだ《スラブ叙事詩》(高さ6メートル、幅8メートルにわたる油彩画)の大作に取りかかりました。
最高傑作《スラブ叙事詩》の秘話
ミュシャに詳しくチェコに留学経験のある小川里枝さん(チェコの藍染めを日本に紹介している「ヴィオルカ」代表)の調査によると、《スラブ叙事詩》にはスポンサーの存在も大きいそうです。
ミュシャはスラブ叙事詩を完成させるために、アメリカの実業家として、財産を築き上げたチャールズ・R・クレーンから援助を受けました。その規約の内容は、「毎年3点の作品を描き上げ、プラハ市に贈呈することを請け負うという内容で、着手金として7500USドル(当時の価値から計算すると約3億円)、さらに作品をプラハ市に納品するとさらに7500USドルを受け取るという内容です。本当にこのとおりの契約が実行されたのかはわかっていません。
どんな時代でも、優れた芸術の影には、力のあるスポンサーがいるものです。
『ミュシャ展』
会期:2017年3月8日(水) ー 6月5日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
観覧料(一般):1,600円
URL:http://www.mucha2017.jp/
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長尾 義弘 NEO企画代表
ファイナンシャル・プランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。
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