16/06/18
空海にまつわるユニークな伝説が残る土佐の札所へ
ライター吉田明乎の四国遍路ひとり旅。前回は、バスツアーで土佐最初の霊場、第二十四番・最御崎寺(ほつみさきじ)についたところまでお話をしました。今回は参拝の手順と、次の第二十五番・津照寺(しんしょうじ)からご紹介します。
お遍路のお作法。参拝手順を知ろう
この連載を読んで下さっている方は、一度はお寺にお参りした経験がある方々だと思います。お遍路としてお寺を巡る際はお作法がありますので、ざっとご紹介しましょう。
一. 山門で一礼する
二. 手水場で手と口を清める
三. 鐘をつく
四. 本堂で灯明、線香、納め札を納め、読経をする
五. 大師堂で、本堂と同じ手順を繰り返す
六. 納経所にて、お納経(ご朱印)をいただく
※サンデーツアーさんのHPにて写真入りで詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。
http://www.tokubus-kanko.co.p/88/2016/sahou.php
人生をより良い方向に導いてくれる、第二十五番・津照寺
さて、前回は室戸岬の第二十四番・最御崎寺(ほつみさきじ)までをご紹介しました。次に向かうのは、第二十五番・津照寺(しんしょうじ)。土佐湾に沿うように続く55号線を走ります。「津寺(つでら)」とも呼ばれる津照寺。山の形が地蔵菩薩の持っている宝珠に似ていることから、聖なる山として空海さんがこの地に寺を建立、自ら彫った地蔵菩薩をご本尊にしました。
津照寺は小高い丘の上にある札所で、120段以上ある階段の先には朱塗りの鐘楼門が。眼下には室津港が静かに広がっていました。
土佐の藩主・山内一豊が室津沖で暴風雨に巻き込まれた際、この寺のご本尊が僧侶に姿を変え、舵を取って救ったという言い伝えがあります。それ以来、ご本尊の延命地蔵は、かじ取り地蔵とも呼ばれているそうです。
人生の舵取りは自分自身でしなければなりませんが、人生に迷ったときにお参りすると、よい方向に導いてくれるかもしれませんね。
画像提供:Akiko Yoshida
画像提供:Akiko Yoshida
薬師如来が自ら鎮座したという、第二十六番・金剛頂寺(こんごうちょうじ)
土佐湾につきだした小さな岬、行当岬背後の高台に位置した金剛頂寺(こんごうちょうじ)。室戸岬の最御崎寺を「東寺」と呼ぶのに対し、こちらは「西寺」と呼ばれます。ご本尊は空海さん作の薬師如来。この薬師如来さんは完成したときに自ら本堂の扉を開けて鎮座したそうです。若干不気味な伝説ではありますが…。(あ、失礼しました)大師堂の横にあるのは、一粒万倍の釜。空海さんが釜でお米を炊いたところご飯が一万倍にも増え、人々を飢えから救ったという言い伝えが残っています。今、自分が美味しくご飯を食べていることに関しての感謝と、これから一生ご飯を食べるのに困らないよう、ぜひ手を合わせたいですね。
画像提供:Akiko Yoshida
画像提供:Akiko Yoshida
たくさんのユニークな空海伝説が根付く土佐の札所。次回はお遍路泣かせの難所、二十七番・神峯寺(このみねじ)からご案内。ライター吉田明乎のはじめての四国お遍路、まだまだ続きます!
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吉田 明乎 編集ライター/地域エディター
弘法大師・空海の超人ぶりに惚れています。自宅の机に鎮座する、弥勒菩薩半跏像に毎日癒されている瞑想女子。ロケ取材などで全国をめぐるかたわら、日本の美しい癒しスポットをHP「Akiko Yoshida Official Website」で発信中。
近著に『高野山に伝わるお月さまの瞑想法』(祥伝社黄金文庫)、共著に『こころ安らぐ仏教女子入門』(洋泉社)他多数。
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