21/06/13
「お金が貯まる夫婦」と「お金が貯まらない夫婦」を分ける、決定的な違い5選
世帯年収が伸び悩む中、なかなか貯蓄ができず、余裕のない生活を送っている夫婦が増える一方で、順調に貯蓄も資産も増やし、充実した生活を送っているいわゆるお金が貯まる夫婦もいます。「お金が貯まる夫婦」と「お金が貯まらない夫婦」の決定的な違いはどこにあるのでしょうか。
今回は、決定的な5つの違いについてご紹介します。
決定的な違い1:夫婦でライフプランのイメージを共有しているかどうか
お金が貯まる夫婦の共通点としてまず挙げられるのが、将来のビジョンを共有していたり、夫婦それぞれの実現したい目標についても共有していたりすることです。これは、夫婦仲が良いからできることでもあります。
1年に1度は夫婦で海外旅行に行きたい、5年後に車を買いたい、10年後に移住したい、老後は夫婦で老人ホームに入りたいなど、目先のことから中長期にわたって、ライフプランを描き共有しています。
お金を貯めるためには、強い目的意識が必要です。「いつまでに」「何のために」お金を貯めるのか、ここが明確だからこそ、お金を貯めることができるのです。
夫婦で目的が明確になっていると、挫折しそうになった時にも励まし合うことができるので、お金が貯まりやすくなります。
一方、お金が貯まらない夫婦は、そもそも将来のビジョンを夫婦で共有していないため、「今」を楽しむことにお金を使ってしまう傾向にあります。もちろん、今を楽しむために、外食をしたり、買い物をしたり、旅行に行ったりすることも大切ですが、それでは、自転車操業になってしまい、いつまでたってもお金が貯まりません。
決定的な違い2:夫婦共通の口座で家計管理をしているかどうか
お金が貯まる夫婦は家計管理についても夫婦で話合いながら管理しています。
家計管理の方法は、夫婦の収入を全額共通のお財布に入れ、そこから固定費や生活費を支払う「共通財布型」にしています。貯蓄やお小遣いもすべて共通財布から割り振ります。毎月のお金の流れも貯蓄も「見える化」されているので無駄なくお金がたまりやすい傾向にあります。また、家計が一元化されているので家計管理も簡単です。
貯蓄の状況を定期的に確認することを前提に自由度を増やすために、固定費や生活費だけを共通財布にいれてお小遣いと貯蓄は各自で管理するという方法をとっている夫婦も。自由度を増やせる方がお互いの記念日にプレゼントを買ったり、食事に行ったりと、ちょっとしたゆとりがでて夫婦円満にはよいかもしれませんね。
一方で、お金が貯まらない夫婦は、夫婦それぞれの財布で家計を管理する「それぞれの財布型」という方法で家計管理をしているケースが多いです。
この方法は夫婦共通のお財布はつくらずに、住宅ローンと食費は夫、通信費と水道光熱費は妻といった具合に予め分担する項目を決め各自が負担する方法です。貯蓄も各自で行います。お互いに自由になるお金が多く、お小遣いという面からは不満がたまりにくいですが、一方で相手の支出について無関心になりがちになり、一緒に家計を管理するという意識が希薄になります。そのため、実は収入が多い割に無駄な出費が多く、その結果、貯蓄も思うようにできないようです。
決定的な違い3:夫婦で資産全体のポートフォリオを考えているかどうか
お金が貯まる夫婦は、資産の管理についても夫婦で一緒に取り組んでいます。
将来のビジョンを共有しているので、家を買うための資金は夫、老後のための資金は妻という具合に、役割分担で目標別に資産運用をすることができます。
夫は、株式やFXなどで攻めの運用、妻は、つみたてNISA(積立NISA)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)などで着実な運用をするという具合に、家計の資産全体のポートフォリを考え、攻めと守りに分けて運用ができます。
お金が貯まる夫婦の場合、夫婦でつみたてNISAをやっているという場合にも、夫はアクティブ投信、妻はインデックス投信という具合に分けて、投資をしているケースが少なくありません。
リスクを分散して運用することで、リーマンショックやコロナ危機のように、世界経済を揺るがすような危機が訪れた時でも、資産が大きく減ることを防ぐことができるわけです。
また、運用がうまくいっている時もうまくいっていない時も、その後の運用方針について、夫婦で判断しています。例えば、老後資金のために資産運用をしているということが夫婦で共通で理解できているので、目先の値動きに一気一憂することなく、運用を継続させるという判断になり、その結果、大きな資産を築くことができるのです。
一方、お金が貯まらない夫婦は、貯蓄ができていない状態ですから、そもそも資産運用へとステップを進めることができません。
仮に資産運用をする機会があったとしても、お金が貯まっていない夫婦ほど損をしがちです。というのも、将来のビジョンも明確ではない上に、貯蓄がないので、精神的にも経済的にも余裕がなく、短期的な市場の動きに一喜一憂して、判断を誤ってしまうからです。その結果、お金を失い、お金が貯まらないという負のループに入ってしまうわけです。
決定的な違い4:お金の情報に関するアンテナの感度が高く、行動に移すかどうか
お金が貯まる夫婦は、お金の情報に関するアンテナの感度も高い傾向にあります。
お金に関する書籍を読んだり、セミナーなどに夫婦で参加したりして、家計管理や資産運用、節税などについて勉強しています。また、キャッシュレス決済やスマホ投資など、最近のお金のトレンドについてもしっかりキャッチ!
さらに、お金が貯まる夫婦がすごいところは、情報の収集のみにとどまらず、夫婦ですぐに行動するところです。勉強しただけ、知識を得ただけで終わらず、自分たちにとってメリットがありそうなことを吟味し、行動を起こします。夫婦で家計や資産状況についての情報を共有しているからこそなせる技ですね。
これまで私のところには多くのご夫婦がご相談にいらっしゃいましたが、お金が貯まっているご夫婦のほとんどは、私からのアドバイスをその日中、もしくは翌日には実行していて、その行動の早さに毎回びっくりしてしまいます。
一方、お金が貯まらない夫婦は、お金について無頓着な傾向があります。特に夫婦共にお金に無頓着な場合、そもそもお得な情報を知る機会がないので、損をしているケースが少なくありません。お金に関する情報のアンテナを高くしていれば、今の時代、携帯電話の料金を安くしたり、ATMなどでお金を引き出すときに無駄な手数料の支払いを防いだりすることは容易にできます。情報収集力と行動力の差が貯蓄の差につながっていくのです。
決定的な違い5:夫婦で幸せなお金の使い方ができるかどうか
たとえ、お金がたくさんあっても幸せでなければ、人生はつまらないものになってしまいます。お金が貯まることに加えて、幸せな夫婦を目指したいものです。
お金も貯まり、かつ、幸せな夫婦に共通しているのは、自分たちが幸せな気持ちになることには惜しまずお金を使っていることです。そして、幸せなことになることにお金をしっかり使えるよう、無駄使いを極力減らすなど、支出にメリハリをつけているのです。それだけ、日頃から支出に意識を向けているということです。
自分のパートナーや家族、親しい友人、仕事仲間など、自分たちが大切だと思う人には、定期的にプレゼントを贈ったり、食事に招待したりと惜しまずにお金を使います。大切な人たちが嬉しそうにしているのを見ることで、自分たちも幸せな気持ちになり幸福度が増します。
一方、お金が貯まらない夫婦は、なんとなくお金を使っていることが多いため、無駄遣いしていることも多く、お金を使っても満足度が低いことも少なくありません。
お金を何に使うか、何に使うと幸せなのかを考えることが幸せなお金持ち夫婦への道につながっていきます。
まとめ
以上、今回は、お金が貯まる夫婦、貯まらない夫婦の決定的な違い5つについてお話しました。お金が貯まらない夫婦かもと思った方は、ぜひ、お金が貯まる夫婦の真似をしてみてくださいね。行動を変えれば、お金が貯まらない夫婦からお金が貯まる夫婦へと変わることができます。
お金が貯まる夫婦は夫婦仲が良く、将来のビジョンを共有し、家計管理、資産管理、情報収集も夫婦で取り組んでいます。また、幸せになるためのお金の使い方も考えています。今回ご紹介したお金が貯まる夫婦の習慣を真似することができれば、お金が貯まらない夫婦から貯まる夫婦へと変わることができるでしょう。
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高山 一恵 ファイナンシャルプランナー
(株)Money&You取締役。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』『Mocha(モカ)』や登録者1万9000人超のYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、全国で講演活動、執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)など書籍100冊、累計170万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
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