21/03/21
夫婦間で絶対やってはいけない5つのお金のルール
結婚生活には、お金の問題がついてまわります。お金について夫婦で意見の食い違いが多ければ、共同生活に支障が出てしまうでしょう。夫婦円満のためには、お金のルールを決めておくことが欠かせません。
今回は、夫婦間で絶対やってはいけない5つのお金のルールについて説明しますので、参考にしていただければ幸いです。
3組に1組の夫婦が毎年お金で喧嘩している
お金に対する価値観は、生まれ育った環境などによって異なるものです。夫婦というのは、元々は他人。お互いが違う環境で育った男女が一緒に暮らし始めると、相手のお金の使い方に不満が出てきても不思議ではありません。
スパークス・アセット・マネジメント株式会社(本社:東京都港区)が20歳以上の既婚の男女1000名を対象に行った「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査 2020」によると、「1年に1回はお金が原因の夫婦喧嘩をしている」という夫婦は33.1%、さらに、お金が原因でケンカしている夫婦の48.0%が「お金のことが原因で離婚の危機を迎えたことがある」と答えています。夫婦にとって、お金の問題は軽視できないことがおわかりいただけるでしょう。
夫婦間でお金についてどのような決まりごとがある?
世間の夫婦は、お金についてどのようなルールを決めているのでしょうか?「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査 2020」では、「夫婦間でどのようなマネールールがあるか?」についても質問しています。
●夫婦間にあるお金のルール(複数回答)
「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査 2020」(スパークス・アセット・マネジメント調べ)
回答の上位は、グラフのとおり、「勝手に高額な買い物をしない」「お小遣いの使いみちには口を出さない」「毎月一定額は貯蓄に回す」「お金のことで不満があったら伝える」などです。
以下、この夫婦のマネールールに関するアンケート結果を参考にしながら、「夫婦間で絶対やってはいけないお金のルール」をまとめてみます。
やってはいけない5つのルールを押さえておこう!
お金については、「何をするか」よりも「何をやってはいけないか」を決めておいた方が守りやすくなります。以下、やってはいけないルールを5つ挙げてみましたので、この5つだけは避けるように気を付けてみてください。
●夫婦間で絶対やってはいけないお金のルール①:相談なしに高額な物を買う
相手に相談なく勝手に高額な買い物をするのは避けましょう。アンケート結果でも、勝手に高額な買い物をしないことをルールにしている夫婦は多くなっています。
たとえば、独身のときと同じ感覚で相手に相談なしに車を買うと、相手は「今車を買うよりも将来のために貯金しておいてくれたらいいのに」などと思い、不信感を抱くものです。高額な家電などを買う際にも、「必要な物だから」と言う理由で自分だけで決める人がいますが、相手にも相談すべきでしょう。
夫婦は共同で生活費を負担したり、協力して財産を築いたりする関係です。自分が稼いだお金も100%自分の思い通りに使えるわけではないことを認識しておきましょう。
●夫婦間で絶対やってはいけないお金のルール②:お金の不満を溜め込む
「お金の話をするとケンカになってしまう」という夫婦は珍しくありません。お金の話をすると相手の機嫌が悪くなるので、不満があっても伝えられずに、ストレスを抱えている人もいると思います。しかし、お金の不満を溜め込むと、夫婦関係は余計に悪くなってしまいます。アンケート結果では、約2割の夫婦がお金の不満を伝えることをルールにしています。お金の不満は溜め込まないようにしましょう。
お金の問題については、定期的に話し合いの時間を設けるのがおすすめです。少なくとも月に1回、毎月の収支を報告し合い、マネープランについて話し合う場を作ってみてはいかがでしょうか?お金の話し合いを避けるということは、夫婦として協力して生活していく意思がないということ。お金に対する価値観の相違があっても、話し合いをしながらすり合わせをしていくことを試みましょう。
●夫婦間で絶対やってはいけないお金のルール③:お小遣いの使い道に干渉する
共働きの場合、それぞれのお小遣いを設定していることも多いと思います。お小遣いの使い道については、あまり干渉しないことも、心がけておきたいところです。アンケート結果でも、お小遣いの使いみちに口を出さないことをルールとしている夫婦は多くなっています。
たとえば、お小遣いの範囲内で自分の趣味のものを買っているのに、相手にいちいち文句を言われると、良い気持ちはしないのが普通です。夫婦はお金の面で協力し合わなければなりませんが、相手のお金の使い方を全面的にコントロールしてもよいわけではありません。細かいことを言い過ぎると窮屈になってしまい、夫婦関係も悪化することがあります。
なお、ルール①にも紹介したとおり、毎月の支払いがお小遣いの範囲内だからと言って、相談なしにローンを組んで高額な物を買うのはやめましょう。
●夫婦間で絶対やってはいけないお金のルール④:貯蓄を個人任せにする
夫婦はライフプランの実現のための貯蓄も協力して行わなければなりません。貯蓄も各自が自己責任で行うことにしてしまうと、一人はしっかり貯蓄しているのに、一人は全く貯蓄がないといったことが起こりがちです。
住宅購入や教育資金、老後資金など、ライフプランの実現のために必要なお金は、夫婦で貯蓄額を決めて計画的に用意すべきものです。貯蓄を個人任せにするのはやめましょう。アンケート結果でも、毎月一定額は貯蓄に回すことをルールにしている夫婦が約2割となっています。
生活費を公平に分担し、貯蓄額を決めるためには、お互いの収入をきちんと公開することも必要です。世帯収入を把握した上で、具体的な貯蓄の方法について話し合っておきましょう。
●夫婦間で絶対やってはいけないお金のルール⑤:勝手にお金の貸し借りをする
夫婦間では、一人が勝手にした借金が、大きな問題に発展しがちです。相手に黙って借金をするのは基本的にNGです。
たとえば、お小遣いが足りなくなったときに、カードローンで借りてしまう人もいるでしょう。最初はすぐに返せると思っていても、結局また追加で借りてしまい、借金が膨らんでしまうことはあります。もし借金が返せなくなったら、家計から出さざるを得なくなり、パートナーにも迷惑をかけることになります。パートナーも「お金に困っているならまず相談してほしかった」と思うでしょうから、信頼関係も揺らいでしまいます。
アンケート結果にもあるように、「毎月お小遣い以上は使わない」ことを原則的なルールにした方がよいでしょう。どうしても事情があって足りない場合には、借金する前にパートナーに相談するのがいちばんです。
勝手にお金を借りるだけでなく、勝手にお金を貸すのも問題です。たとえば、親族が困っているときにお金を貸してあげることもあると思いますが、親族に貸したお金はいつ返してもらえるかわからないことがあります。お金が貸したままになれば家計に影響してしまいますから、パートナーの承諾を得るようにしましょう。
まとめ
夫婦は、お金のことも一緒に考えていかなければなりません。「自分で稼いだお金は自分のもの」という意識が強すぎると、パートナーに不信感を持たれてしまい、夫婦の関係にヒビが入ります。夫婦間ではお金の透明性を確保するよう努めましょう。
お金の使い方について不信感を抱えたままにならないよう、お金についてこまめに話し合う時間を設けることも大切です。やってはいけない5つのルールを参考に、それぞれのご家庭でお金のルールについて話し合ってみてください。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。
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