20/10/26
20代・30代・40代夫婦の平均貯蓄額はいくらなのか
夫婦とひと口に言っても、その形はさまざまです。共働きでそれぞれにバリバリ働く夫婦もいれば、ひとりが働いてもうひとりは専業主婦(夫)という夫婦もいます。子どもの有無や親との同居などの違いによって、生活スタイルとともに家計にも違いがあるでしょう。
しかし、そのような違いを超えて気になるのが、夫婦の貯蓄の平均金額。
今回は、年代別に夫婦の平均貯蓄額を見ていきましょう。
20代夫婦の平均貯蓄額は165万円
金融広報中央委員会では、「家計の金融行動に関する世論調査」を毎年行っています。2019年の、二人以上の世帯を調査したデータによれば、世帯主が20代の世帯の平均貯蓄金額は165万円でした。
●20代夫婦の金融資産保有額(%)
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2019年)」より作成
金額ごとに見ていくと、100万円未満が27.1%と最も多くなっています。20代ではまだ貯蓄を始めたばかりと考えられるため、貯蓄が少ないのも当たり前と言えるでしょう。
次に多いのは、100~200万円未満と200~300万円未満。それぞれ12.5%ずつとなっています。1000万円以上の貯蓄を持っている世帯は0.0%でした。
気になるのが、金融資産非保有=貯蓄ゼロの世帯が22.9%もあることです。20代では平均的に見ても貯蓄はまだまだ少ないですが、それでも、少額でもコツコツと続けていくことが大切です。
続けることで、将来の貯蓄額が大きく変わっていくからです。
30代夫婦の平均貯蓄額は529万円
30代夫婦になると、平均貯蓄額は529万円とまとまった金額になってきます。マイホームを購入したり、子供の教育費が増えてきたりすれば貯蓄を取り崩すことにもなりますが、それでも平均ではこれだけの貯蓄はキープできていることがわかります。
●30代夫婦の金融資産保有額(%)
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2019年)」より作成
平均の貯蓄額は529万円ですが、1000万円以上の金融資産を持っている世帯は13.2%にものぼっています。次に多いのは100~200万円未満です。貯蓄があっても大きな出費をすれば、一時的に貯蓄が少なくなるのは当然なのですが、それでも緊急予備資金としての貯蓄は残しておく必要があります。
30代の貯蓄ゼロ世帯は15.8%。急にお金が必要になっても貯蓄がないと、借金をせざるをえないことにもなりかねません。金利が高くなれば、その後の家計にも大きな影響が出てしまいます。
貯蓄を確保しておくことは、生活を守ることにつながります。貯蓄は計画的に行いましょう。
40代夫婦の平均貯蓄額は694万円
40代になると、さらに貯蓄額が増えて平均で694万円です。教育費がかかる世帯が増えますが、収入も増えることが多く、貯蓄も順調に増やせるようです。
●40代夫婦の金融資産保有額(%)
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2019年)」より作成
1000万円以上の金融資産を持つ世帯も30代よりも増えて20.1%。夫婦の5組に1組は1000万円の貯蓄がある、とも言えるでしょう。ついで多いのは500~700万円未満で9.8%です。全体的にゆとりの感じられる数字ではないでしょうか。
一方、貯蓄ゼロは18.7%です。貯蓄1000万円以上と同程度ですから、貯蓄については二極化していることがわかります。
40代夫婦は、そろそろ老後のことが気になる世代。今までは貯蓄ゼロでも何とかなっていたかもしれませんが、いつまでも元気に働けるとは限りません。40代で貯蓄がない場合は、早急に貯蓄計画を立てて実行する必要があります。
なお、平均は一部のお金持ちが引き上げてしまう傾向があります。同調査でも、中央値(全体のちょうど真ん中の人)の貯蓄額は20代71万円、30代240万円、40代365万円となっており、平均とは少なからず差があります。しかし、たとえどちらを重視したとしても、これからの生活のためにお金を貯めていかなければならないことに変わりはありません。
手取りの10~15%は貯蓄へ 貯まる仕組み作りが大切
同調査では、年間の手取り収入(臨時収入を含む)から、どのくらいの割合を貯蓄にしたかも調べています。
貯蓄をしている世帯では、手取りの10~15%未満を貯蓄にしている世帯が18.9%と最も多く、その次が5~10%未満15.1%となっています。無理のない貯蓄割合で、コツコツ続ける姿が浮かび上がってきます。
では、手取りの10~15%を確実に貯蓄するにはどうしたらいいでしょうか。
最も確実な方法は、貯まる仕組みを作っておくことです。しっかり貯めようと思ったら、なんとなくの成り行きまかせではいけません。
具体的には、次のような方法があります。
・給料から天引きで財形貯蓄や社内預金をする
・収入があったら、すぐに貯蓄用口座にお金を移す
・口座引き落としでiDeCoやつみたてNISAを利用する
つまり、強制的に貯蓄をするようにして、貯蓄を差し引いた残りのお金で生活費をやりくりするのです。貯蓄にまわす金額は、あまり無理をして高額にしてしまうと結局は貯蓄を切り崩すことが多くなり貯蓄が増えません。これならなんとか頑張れる、という金額を計算して、必ず実行するようにしましょう。
夫婦で貯蓄をするには、二人で力を合わせることが大切なポイント。どんなことにお金を使いたいか、お互いの希望を共有しあうと、貯蓄にもはずみがつくのではないでしょうか。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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