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20/12/07

家計・ライフ

キャッシュレス決済で不正出金被害続出…個人が行うべき3つの対策

ここ数年で消費者の生活に定着してきたキャッシュレス決済。それと同時にキャッシュレス決済を利用した不正出金の被害も増えているようです。記憶に新しいものではドコモ口座の不正出金がありましたね。今回はキャッシュレス決済による不正出金を防ぐための対策をご紹介。さらに万が一不正出金の被害にあってしまった場合の対処方法についてもお知らせします。

キャッシュレス決済を使わない人も注意!不正出金の手口

キャッシュレス決済を利用した不正出金で話題になっているのは、第三者が不正に入手した個人情報や口座情報をもとにキャッシュレス決済サービス(おもにスマホ決済)の口座を開設して、入手した口座情報を連携させたうえでキャッシュレス決済サービスへ入金する手口です。つまり、キャッシュレス決済を利用していない人でも勝手にキャッシュレス決済サービスの口座が作られ、不正出金の被害を受ける可能性があるのです。

金融庁はこのような被害が多発していることを受けて、キャッシュレス決済を利用した不正出金について「身に覚えのないキャッシュレス決済サービスを通じた銀行口座からの不正な出金にご注意ください!」という注意喚起をおこなっています。

自分でできる3つの不正出金対策

キャッシュレス決済を通じた不正出金を防ぐためには、口座情報や個人情報の管理を徹底することが大切です。また不正出金にいち早く気付くようにするための対策も必要になるでしょう。ここでは自分でできる不正出金対策をご紹介します。

●対策1:不審なサイトにはアクセスしない

口座情報や氏名・生年月日などの個人情報を不正に取得する手口として多いのが「フィッシング詐欺」です。金融機関や有名企業になりすまして電子メールやSMSから偽サイトに誘導し、これらの情報を盗み取ります。

このような偽サイトは非常に巧妙に作られており本物のサイトと見分けがつきづらいものです。偽サイトにアクセスしないためには、電子メールやSMSに貼られているアドレスを不用意にクリックしないのが一番でしょう。

●対策2:二段階認証を利用する

銀行口座からの不正出金を防ぐためには、二段階認証を利用してセキュリティを強固にするのも有効です。二段階認証とは通常の暗証番号やパスワードとは別に、本人しか知り得ない情報を入力したり、ワンタイムパスワードを利用したり、生体認証を利用したりすることで、利用者本人であることを確認する方法です。

ドコモ口座の不正出金では、ドコモ口座と銀行口座を紐づける際に二段階認証を導入していなかった銀行に被害が集中したと言われています。ご利用の銀行で二段階認証の仕組みがある場合は、利用できるよう設定しておきましょう。

●対策3:定期的に残高や利用履歴の確認をおこなう

万が一不正出金の被害にあった場合でも、定期的に残高や利用履歴を確認することによって被害を最小限に抑えることが可能です。銀行によっては口座に入出金があるとメールで通知してくれるサービスも。筆者はこのサービスを利用して不正出金にいち早く気付けるよう心掛けています。

また複数の銀行口座を持っている場合、それぞれの銀行口座の残高や利用履歴を確認するのが面倒に感じる方もいるかもしれません。そのような場合は家計簿アプリの利用も有効です。銀行口座を連携させることで残高・利用履歴が一元管理できるので便利ですよ。

不正出金被害にあった場合の対処方法

キャッシュレス決済を通じた不正出金の被害にあった場合は、すみやかに対象サービスの窓口に連絡しましょう。被害を拡大させないために利用停止の手続きが必要になります。

また「不正出金されたお金は戻ってくるのか」という点も気になるポイントでしょう。クレジットカードのショッピング利用なら利用明細の通知後60日以内に届け出ることで補償対象となるのが一般的です。
相次ぐ不正利用を受けて、スマホ決済サービス各社でもこのような補償制度が整備されてきました。主要なスマホ決済サービスでは、不正利用被害にあった日から30日または60日以内にスマホ決済事業者と警察に届け出ることで、原則全額(一部のサービスでは上限あり)補償を受けることができます。

さらに全国銀行協会では、キャッシュレス決済サービスを利用した不正出金の被害に対して、対象の金融機関およびキャッシュレス決済サービスを提供する事業者が連携して全額補償する方針を示しています。

まとめ

キャッシュレス決済を通じた不正出金にあわないためには、日ごろからセキュリティに対する意識を高めておくことが必要です。口座情報や個人情報を漏らさないための行動、不正出金被害にあってもいち早く気付ける工夫をして、十分な不正出金対策をおこないましょう。

鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com

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