20/07/07
PayPay、LINE Pay、楽天ペイ、d払い、メルペイ、auPAY…スマホ決済を徹底比較! おすすめアプリや二重取り・三重取りの組み合わせ技をプロが解説
2020年もキャッシュレス決済は大盛況。特にスマホ決済界隈はにぎやか。
これからはキャッシュレス決済を利用できないと損をする時代が到来しています。
今回は、スマホ決済、いわゆるペイサービスの最近の動向、オススメのスマホ決済アプリ、高還元率になる二重取り・三重取りの組み合わせ技を紹介します。
銀行や通信事業者など大手の参入が相次ぎ、一旦出尽くしたスマホ決済
主だったスマホ決済アプリをざっとあげると、
・PayPay(ペイペイ・ソフトバンク、ヤフー)
・LINE Pay(ラインペイ・LINE)
・楽天ペイ(楽天)
・d払い(NTTドコモ)
・au PAY(au)
・メルペイ(メルカリ)
・J-coin Pay(ジェイコインペイ・みずほ銀行)
・QUOカードPay(クオカードペイ・QUOカード)
・りそなウォレットアプリ(りそな銀行)
・ゆうちょPay(日本郵政)
・ファミペイ(ファミリーマート)
などです。一旦出尽くしたという印象です。最近は業務提携、資本提携、統合など相次いでいます。
主なQR決済サービス
ひとことでQR決済サービスといっても、主なものをまとめてみると、仕様がさまざま異なることがわかるでしょう。
精算方法には前払い・即時払い・後払いの3種類があります。
このうち、事前にチャージが必要なのは前払いです。コンビニの店頭やATMなどでもチャージできるのですが、やはり便利なのは、銀行口座やクレジットカードから直接アプリにチャージする方法。これなら、その場ですぐチャージが可能です。
どのアプリも前払いに対応していますが、利用できる銀行口座やクレジットカードが指定されている場合があります。
たとえば、
・PayPay(ペイペイ)にチャージできるクレジットカードはPayPayカードのみ
・LINE Pay(ラインペイ)にチャージできるクレジットカードはVISA LINE Payカードのみ
・楽天ペイにチャージできる銀行は楽天銀行のみ
・d払いのチャージはドコモ口座のみ
・メルペイはクレジットカードが使えない
・auPAYのチャージはauじぶん銀行のみ
といった具合です。
後払いの場合は、基本的に登録しているクレジットカードからお金が引かれます。クレジットカードが不要な後払いもいくつかあります。
たとえば、d払いはドコモユーザー、au PAYはauユーザー、PayPayはソフトバンク・ワイモバイルユーザーであれば毎月の電話料金に合算して支払うことも可能。またメルペイの「メルペイスマート払い」は買い物代金を翌月にまとめて支払うことができます。
サービスによって還元率にも違いがあります。PayPay・d払い・au Payでは、基本的に0.5%の還元が受け取れます。一定金額以上利用したり、特定のクレジットカードを使用したりすることで、還元率をより高めることができるものもあります。
LINE Payは基本的に1%の還元、最大で3%還元にすることも可能なため、お得そうです。しかし、これらの還元は「VISA LINE Payクレジットカード」を利用した場合に限られます。その他の支払いは還元の対象外となります。
また、楽天ペイは楽天カードからのチャージで1.5%、楽天銀行・ラクマからのチャージ、楽天ポイント払い、楽天カードのクレジットカード払いで1%の還元が受けられます。
PayPay・LINE Pay・d払い・メルペイ・au PAYは出金に対応しているものの、手数料がかかります。PayPayはジャパンネット銀行以外に出金すると手数料がかかりますが、他のアプリに比べると安めです。また、d払いも月1回だけはみずほ銀行に出金すると手数料が安くなります。とはいえ、出金せずにアプリ内で使うようにすれば手数料はかかりません。
なお、楽天ペイにも出金のサービスはあるのですが、2020年7月6日現在で一部を除き停止しています。
また、表からは除外しましたが、送金・出金に際して手数料がかからない「Pring」(プリン)というサービスもあります。
高還元率を狙え! ポイント二重取り・三重取りの「合わせ技」
現状、スマホ決済アプリで有力なのはPayPayでしょう。登場から1年強ですでに3000万ユーザー、230万ヵ所以上で使える大規模サービスに成長しています。ただし、前述のとおり0.5%の還元率を1.5%にしようとすると、少々大変なのは事実です。
そんななか、誰でも簡単に高還元率を実現する合わせ技があります。それが二重取り・三重取りです。
まずは二重取り。すでに少し紹介しましたが、楽天ペイ+楽天カード、d払い+dカードを利用するのが手軽です。
楽天ペイ単体の還元率は1%(楽天銀行・ラクマからのチャージ、楽天ポイント払い、楽天カードのクレジットカード払い)です。しかし、楽天ペイなら楽天カードでチャージすると、チャージ時で楽天カードから0.5%、支払い時に楽天ペイから1%の還元が受けられますので、合わせて1.5%還元にできます。
また、d払いの還元率の還元率も実店舗0.5%・ネットショッピング1%ですが、dカードやdカードGOLDを組み合わせると、還元率が1%(実店舗)、1.5%(ネットショッピング)に。アプリとカードのポイントを両方とも手に入れられるのです。
これに加えて、楽天ペイでは「楽天ポイントカード」、d払いでは「dポイントカード」を会計時にレジに提示することで、ポイントを上乗せすることができます。ポイントの三重取りが実現できるわけです。具体的には、
●楽天ペイの場合
・楽天ペイに楽天カードでチャージする(0.5%)
・楽天ペイで支払う(1%)
・楽天ポイントカードを提示する(0.5%〜1%)
合計 2%〜2.5%
●d払いの場合
・d払いで支払う…
実店舗は200円で1ポイント(0.5%)
ネットショッピングは100円で1ポイント(1%)
・支払先をdカード・dカードGOLDにする…200円で1ポイント(0.5%)
・dポイントカードを提示する(実店舗のみ)…100円で1ポイント(1%)
合計 実店舗2%、ネットショッピング1.5%
と、断然お得にできるのです。
キャンペーン・マイナポイント…お得が盛りだくさん
キャッシュレス決済各社はこれまで、多くの人にサービスを使ってもらうために、期間限定のキャンペーンを行ってきました。2020年7月以降も、各サービスのお得なキャンペーンがたくさんあります。
たとえば、PayPayでは、全国のセブン-イレブン店舗でPayPayを使って支払うと、抽選で決済金額の最大10倍(1,000%)のPayPayポイントが付与されます(7月1日〜7月31日まで)。
au PAYはローソンで利用すると還元率がアップするキャンペーンを開催。通常時は4%還元、「三太郎の日」(毎月3、13、23日)はauユーザーなら10%、その他の方も7%の還元が受けられます。さらに、auの会員サービス「auスマートパスプレミアム」に加入している方は、還元率が3%加算されます(7月1日〜・付与上限:3,000ポイント/月)。
メルカリはアカウントをNTTドコモの「dアカウント」と連携して商品を購入すると、購入金額の20%分のdポイントが戻ってきます(6月15日〜7月31日まで・付与上限:1000ポイント)。
また、2020年9月から、国の新たなキャッシュレス還元施策「マイナポイント」がスタートします。マイナンバーカードをお持ちの方が、対象のクレジットカード・電子マネー・スマホ決済などのキャッシュレス決済サービスとマイナンバーを紐付けてチャージまたは決済すると、1人あたり2万円までのチャージ・決済に対して25%(最大5,000円分)のポイントが還元されます。
マイナポイントを受け取るための手続き(予約)はすでに7月からスタートしています。マイナンバーカードと4桁の暗証番号、対応のスマホやパソコンがあれば、自分で申し込むこともできます(全国の手続きスポットでも予約可能です)。
さらに、マイナポイントに合わせたキャンペーンを行うサービスもあります。対象のサービスをマイナポイントの受け取り先に設定するだけで、本来の最大5,000円分のポイントに加えて、各社のポイントを上乗せしてくれるのです。
たとえばWAONで受け取れば2,000円分、au PAY・メルペイ・Suicaで受け取れば1,000円分、d払いで受け取れば500円分のポイントが上乗せされます。またPayPayでは抽選で最大100万円分のポイントがあたります。
このように、キャッシュレス決済のお得は盛りだくさん。もはや「現金で買い物をするのは損」と言っても言い過ぎではありません。
これから初めてキャッシュレス決済をするという方は、まずはこうしたキャンペーンで選んでみるのもいいでしょう。
どの方法でもいいので、日々の買い物をキャッシュレス決済で済ませるようなしくみを利用するのがおすすめです。
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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