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23/08/21

家計・ライフ

公務員の平均給与はいくら?もっとも高いのはどの職種?

公務員の平均給与はいくら?もっとも高いのはどの職種?

コロナ禍が落ち着いてきたとはいえ、物価高が広がっています。実質的な賃金目減りが問題となる一方、初任給アップや賃金アップなどのニュースが聞こえてきます。
しかし、業績によってはすぐに賃金アップとはいかない人も少なくありません。

そんななか、働くなら公務員が安心、と考える人も多いのではないでしょうか。公務員は安定しているし、福利厚生も充実、リストラのリスクが小さく、社会的信用もあります。
さらに給与が高ければ言うことなしと思われますが、公務員の給与は職種によって平均額に差があります。今回は、公務員の給与について、見ていきたいと思います。

公務員の給与はどう決まる?

公務員の給与は、地方公務員なら各自治体の給料表、国家公務員なら俸給表をもとに決められます。給料表・棒給表は、「一般行政職」「警察職」「医療職」など、大まかな職種別に用意されています。

●地方公務員の給料表の仕組み

総務省の資料より

横軸は職務の級を表します。基本的に昇進することで上位の級にランクアップしていきます。また、縦軸は号給で、年齢や勤続年数などによって上がっていきます。上の図は地方公務員の給料表ですが、国家公務員の棒級表もほぼ同じ構成になっています。

ただ、公務員の給与は単に給料表・棒級表だけで決まるわけではありません。公務員の給与の金額は、民間企業の水準と同程度になるように設定されています。

公務員の給与が民間企業の水準をあまりオーバーすると市民・国民から批判的に思われるでしょうし、少なすぎても公務員のなり手がいなくなってしまいます。

そのため、国は「ラスパイレス比較」といって、民間企業の給与を調べ、公務員の給与と比較します。ラスパイレス比較は、役職段階、勤務地域、学歴、年齢が同じ場合に、民間企業の給与と公務員の給与を比較する方法です。民間企業の給与と公務員の給与を比較することで、差があまり出ないように調整しているのです。ですから、公務員で給与の高い職業は、民間企業でも給与が高いと考えていいでしょう。

地方公務員で給与の高い職業は?

総務省「令和4年地方公務員給与の実態」によると、令和4年度の地方公務員全体の給与の平均(平均給料月額)は32万5991円です。これを職種別に見ると、高額収入のトップ5は以下のとおりです。

●地方公務員の給与が高い職業

総務省「令和4年地方公務員給与の実態」より筆者作成

公務員の給与には、民間と同様に諸手当が加えられます。「平均基本給月額」は、給料月額に扶養手当と地域手当を加えた金額です。その他の住宅手当や通勤手当などの諸手当も合計した金額が、「給与・諸手当合計の月額」です。

公務員で給与の高い職業は、民間企業でも給与が高いと考えていいでしょう。
1位の医師・歯科医師は民間でも高収入の職業なので、公務員でも給与が高いのもうなずけます。給料月額は49万3717円と他の職種と比べて最も高給です。
さらに民間と同様、給料月額に加えて、扶養手当や地域手当などもあわせて毎月の給与として受け取っていて、その金額が56万5131円です。
そのほかに、特殊勤務手当や時間外勤務手当、宿日直手当といった医師・歯科医師ならではの手当を加えると、110万1155円。かなりの高給と言えますが、その分ハードな仕事であることがうかがえます。

2位の特定任期付職員とは、民間から期間を限定して雇い入れるスペシャリストです。
行政の高度化、多様化、国際化が進展する中、その分野の特別な人材は必要不可欠と言えるでしょう。必然的に高給となるのでしょう。
給料月額は48万8034円、扶養手当と地域手当を加えた平均基本給月額は52万984円。そのほかの諸手当も含めると55万2460円です。

3位からは研究職、教職と続きます。高校や大学の先生などは、公務員のなかでも比較的高級取りといえそうです。

ちなみに、一般行政職の給料月額は31万5093円。、扶養手当と地域手当を加えた平均基本給月額は34万2089円です。
給与の金額は、民間企業とそれほど大きな違いはないようですが、そのほかの諸手当も含めると40万1372円。なかでも時間外勤務手当、いわゆる残業手当が比較的多いところを見ると、残業代はしっかり受け取れているようです。
諸手当がきちんとあることや、リストラや減給の可能性が少ないことを考えると、やはり公務員の安定感は大きなメリットでしょう。

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地方公務員の給与の高い都道府県は?

地方公務員の給与は、各自治体で決めた給料表がもとになっています。つまり、都道府県で給与の差があるということです。
では、地方公務員の給与が高い都道府県はどこなのでしょうか。給料と扶養手当、地域手当を合計した、平均基本給月額で比べてみましょう。

●一般行政職の都道府県別基本給(円)

総務省「令和4年地方公務員給与の実態」より筆者作成

給料の高い都道府県は、1位が東京、続いて神奈川、兵庫、大阪、三重、となっています。
総務省の資料によれば、民間企業の給与とラスパイレス比較をした結果、各自治体の給与は適正化してきているとのことです。つまり、民間企業の給与水準の高い地域が上位となる傾向がある、ということです。

国家公務員の平均給与が高いのはどの職業?

では、国家公務員の平均給与が高いのはどの職業なのでしょうか。平均給与月額のトップ5は以下のとおりです。

●国家公務員の給与が高い職業

人事院「国家公務員給与の実態」より筆者作成

平均俸給額はいわば基本給です。それに各種手当を加えた金額が平均給与月額です。
1位は医療職です。医療職俸給表(一)が対象になるのは、病院や診療所などの医師・歯科医師ですから、やはり民間同様、地方公務員同様給与水準が高くなると言えます。
基本給部分だけで50万7742円、各種手当を加えると84万532円です。特に地域手当が大きく、医師の偏在問題はこんなところにも影響を与えているのかもしれません。

2位の特定任期付職員は、民間から期間を限定して雇い入れるスペシャリスト。各省庁のホームページにも採用情報が掲載されていますが、弁護士の資格が必要など専門性の高いスキルが求められる職種が多いようです。
基本給部分は医療職よりも高い52万6382円。諸手当を含む平均給与月額では62万5769円です。

3位の専門スタッフ職とは、特定の分野における高度の専門的な知識経験にもとづく調査、研究、情報の分析などを行うことにより、政策の企画および立案等を支援する業務を行う職務です。専門スタッフという軽やかな名称とは裏腹に、かなりのスペシャリスト業務。高給なのも頷けます。
基本給部分は48万8602円、各種手当を加えると59万9219円です。
続けて、研究職、研究員です。専門的な仕事ほど、給与は高いことがわかります。ちなみに、一般的な行政職の平均俸給額は32万3711円、手当を加えた平均給与月額は40万5049円です。

公務員は賞与が決められている

公務員の収入は、毎月の給与だけではありません。忘れてならないのは賞与、ボーナスです。
民間企業のボーナスは業績でも変わり、決して約束されているものではありません。一方、国家公務員のボーナスは、内閣官房内閣人事局が人事院勧告として給与の方針を示し、それにもとづいて法律として定められたものです。

2023年6月に発表された、国家公務員の夏のボーナスは2.16カ月分で平均63万7300円の支給です。2022年12月の冬のボーナスは、2.21カ月分で平均62万2100円でした。民間企業の支給状況を考慮して決められるのですが、それでも1年間に4.37カ月分の支給が確実なのは安心でしょう。
地方公務員のボーナスもまた、国家公務員のボーナスに準じて定められます。

公務員は休暇制度が充実している

同程度の給与でも、休暇制度が充実しているとコスパがいいと言えるでしょう。週休2日はもちろんですが、昨今では週休3日が検討されています。
また、特別休暇として、公民権行使、官公署出頭、骨髄などドナー、ボランティアといったことにも休暇をとることができます。

公務員は、男性の育児休暇の取得も積極的にすすめている印象があります。結婚、産前・産後、保育時間、パートナーの出産、看護、介護といった、家族のために時間を確保できる休暇も、これからの働き方には必要な視点です。
オンとオフ、メリハリのきいた働き方ができるのではないでしょうか。

退職金が確実に受け取れる

不況、低金利、円高などの影響で、退職金制度を見直している民間企業もあります。退職金は企業が毎月積み立てておき、退職時に支払う仕組みになっていますが、思惑どおりに運用できず、毎月の給与に上乗せ支給する企業も出てきています。
この場合、毎月の手取り金額は増えるかもしれませんが、退職金がないのは老後のためには不安材料です。

一方、国家公務員の場合には国家公務員退職手当法という法律にもとづいて、退職金が確実に支払われる制度が作られているので安心です。
厚生年金とともに、老後の生活設計がしやすいことも、公務員のメリットでしょう。

まとめ

公務員の平均給与を紹介してきました。平均給与が高いのは、地方公務員・国家公務員とも、医療職や研究職と行った、専門的な仕事です。公務員であっても、平均給与が高い職業は、民間と同様の傾向があるといえるでしょう。

ただ、民間とは異なるメリットもありました。手当が充実していることや、ボーナスが確実にもらえること、休暇制度が充実していること、そして退職金が確実に受け取れること。
民間企業と同程度の手取り額だったとしても、実質的なインカムは大きそうです。

タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)

36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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