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20/10/24

相続・税金・年金

在職老齢年金改正で年金受給額が「2年間で228万円」もアップする人はどんな人?

「高齢で働くと年金が減るので損だ」「働かないほうが得だ」という話を聞いたことはありませんか? 60歳以降、働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、給料の額に応じて年金の一部あるいは全額が支給停止される場合があります。この制度を「在職老齢年金」といいます。
2020年6月に成立した法改正では、この在職老齢年金が見直されました。ポイントの一つが、「60歳台前半の在職老齢年金の支給停止基準額の引き上げ」で、2022年4月に施行されます。

この改正の影響を受けて、年金受給額が2年間で228万円もアップする対象者がでてくるというのだから驚きです。今回の法改正でどのように仕組みが変わるのかを分かりやすく解説いたします。

「60歳台前半」の支給停止基準額が「60歳台後半」と同じ47万円に

「在職老齢年金制度」とは、年金をもらえるようになった60歳以上の老齢厚生年金受給者がその後も就労し、賃金と年金の合計額が一定以上になる場合、全部または一部の年金支給を停止する仕組みです。

在職老齢年金は、そもそもの年金の支給停止の仕組みが「60歳台前半」と「60歳台後半」の2パターンに分かれています。

現在の在職老齢年金の仕組みでは、
・60歳台前半…「月収」と「年金月額」の合計額が28万円を超えた場合
・60歳台後半…「月収」と「年金月額」の合計額が47万円を超えた場合
に、年金額の一部または全額が支給停止となります。

今回の改正は、60歳台前半の「28万円」という基準額が、2022年4月から60歳台後半と同じ「47万円」に引き上げられるというものです。

●【資料1】在職老齢年金の支給停止の基準の変更

PayPay証券

60歳台前半の在職老齢年金をもらえるのは一部の世代のみ

年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)が支給されるのは原則65歳からですが、65歳になる前に「特別支給の老齢厚生年金」が支給される世代が存在します。


●【資料2】特別支給の老齢厚生年金である「報酬比例部分」の支給開始年齢

具体的には表のとおり、1953(昭和28)年4月2日~1961(昭和36)年4月1日生まれの男性、もしくは1958(昭和33)年4月2日~1966(昭和41)年4月1日生まれの女性です。これらの方々には、「特別支給の老齢厚生年金」として「報酬比例部分」が支給されます。

60歳以降、働きながら(厚生年金保険に加入しながら)「特別支給の老齢厚生年金」を支給される人のみが、今回の「60歳台前半の在職老齢年金」の対象となります。
上記以外の方、つまり1961年4月2日以後生まれの男性、1966年4月2日以後生まれの女性には、「特別支給の老齢厚生年金」が支給されることはありません。したがって、今回の法改正によって「60歳台前半の在職老齢年金」がもらえる人は、一部の世代のみということになります。

2年間で年金受給額が228万円アップする人も!

60歳台前半の在職老齢年金の支給停止額の計算方法は、現行と改正後で以下のように変わります。

●【資料3】60歳台前半の在職老齢年金の支給停止額の計算方法

現在は、在職中でも月収と年金月額の合計が28万円までであれば、年金が全額支給されます。しかし、月収と年金月額の合計が28万円超になると、上の【現在】の計算式の金額分だけ、年金が停止されます。
それが2022年4月以降は、月収と年金月額の合計が47万円までならば、年金が停止されなくなります。

上記の計算式をもとに、事例に当てはめて具体的な支給額を計算してみましょう。

【A子さん[1958(昭和33)年4月生まれ(現在62歳)の女性]のケース】
・月給32万円・賞与なし(60歳以降変わらないものとする)
・本来の老齢厚生年金額は180万円(年金月額15万円)
①2018年4月に60歳で定年後も月給32万円で働いている。
②2019年4月に61歳となり、一部支給停止された特別支給の老齢厚生年金(在職老齢年金)が支給されている。
③2022年4月に在職老齢年金制度が改正施行される。

【資料4】60歳台前半の在職老齢年金:A子さんの収入の推移イメージ

① 2018年4月~ の期間にもらえるお金
月収32万円 + 年金0円/月 = A子さんの合計収入:32万円/月

② 2019年4月~ の期間にもらえるお金(※【資料3】の「現在」参照)
⇒月収と年金月額の合計額が28万円を超えるので年金支給額が調整される。
・月収が47万円以下、年金月額が28万円以下なので、
【計算式①】(32万円+15万円-28万円)÷2×12月により114万円が支給停止
月額9.5万円の支給停止で、年金支給額は15万円-9.5万円=5.5万円(月額)
月収32万円 + 年金5.5万円/月 = A子さんの合計収入:37.5万円/月

③ 2022年4月~ の期間にもらえるお金(※【資料3】の「2022年4月以降」参照)
⇒月収と年金月額の合計額が47万円を超えないので年金は全額支給される。
月収32万円 + 年金15万円/月 = A子さんの合計収入:47万円/月

A子さんは2019年4月から、月額にして9.5万円が支給停止されていますが、2022年4月からは支給停止されていた9.5万円/月額が受け取れるようになります。
それ以降、A子さんが65歳を迎えるまでの2年分(9.5万円×12ヶ月×2年)の228万円が今回の法改正の影響で今までよりも上乗せされることになります。
A子さんは、今回の改正で、とても大きなメリットがあるケースだと言えます。

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まとめ

今回の法改正は、該当する人には大きなメリットがある見直しですが、そもそも「特別支給の老齢厚生年金」は、1961年4月2日以後生まれの男性、1966年4月2日以後生まれの女性には支給されません。
今回の改正は、男性は2025年度、女性については2030年度で終了する「特別支給の老齢厚生年金」を前提としたものです。改正の恩恵を受けられる世代も、シニア世代の就労に与える影響も一部に限られます。そういう意味では、シニア世代の働き方を考えるうえでは、「60歳台後半の在職老齢年金」を見直すことが本来の課題だといえるでしょう。

今回の改正にあたって、現行の47万円という基準額を62万円に引き上げるという案や、在職老齢年金制度そのものを完全に撤廃するという案も議論されたようです。しかし、年金財政への影響や高所得のシニア世代を優遇するものであるとの指摘などもあって見送られました。

超高齢社会でこれからますます労働力人口は減少していきます。そんな中、働きたいと考えるシニア世代には、まだまだ現役時代と同じように活躍してほしいものです。「高齢で働くと年金が減るので働かないほうが得だ」などという考え方から、シニア世代の就労意欲を削ぐことがないような年金制度改革を今後期待したいものですね。

KIWI ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士

長年、金融機関に在籍していた経験を活かし、個人のキャリアプラン、ライフプランありきのお金の相談を得意とする。プライベートでは2児の母。地域の子どもたちに「おかねの役割」や「はたらく意義」を伝える職育アドバイザー活動を行っている。

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