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19/06/08

相続・税金・年金

6月に届く「住民税決定通知書」3つのチェックポイントとやっておきたい節税術

毎年5月~6月になると、勤務先から「住民税決定通知書」が配られます。今年も、すでに受け取った方がいらっしゃるでしょう。
その名前から、住民税が決まったんだなということはわかりますが、何となく難しそうだからと、そのままにしていませんか?
そこで今回は、住民税決定通知書の見方をご紹介。住民税の決まる仕組みを知って、節約術まで考えてみましょう。

住民税の金額を知らせる住民税決定通知書

住民税は、市町村民税と道府県民税の2つを合わせた税金です。東京23区では特別区民税・都民税と呼ばれています。
個人の場合、毎年1月1日時点で住所のある市区町村に両方まとめて支払います。納めたお金は、福祉や公共設備などの行政サービスに充てられます。

住民税決定通知書は、住民税の金額が決まったことを知らせる書類です。住民税の年度は6月始まりで、翌年5月末までとなっています。ですからこの時期に送られてくるのですね。

住民税の金額は、所得割と均等割の合計で決まります。
所得割は、前年1年間の所得に応じて金額が計算される税金です。お金をたくさんもらった人には、その分たくさん払ってもらおう、というわけです。
それに対して均等割は、一定以上の所得がある人全員が同じ金額を負担する税金です。

住民税決定通知書の3つのチェックポイント

それでは、住民税決定通知書を見てみましょう。

こちらは総務省の資料より抜粋したものです。お住まいの地域により書式が多少違うこともありますが、記載されている内容は同じです。実際は横につながっています。

これから、会社員の方が確認すべきポイントを3つにわけて解説します。

① 所得欄…給与収入と給与所得を確認

給与収入は、いわゆる年収のことです。そして給与所得は、給与収入から給与所得控除額を差し引いた、残りの金額です。給与所得控除額は、会社員に認められている経費のようなものだと考えてください。

前年末に会社から受け取った「給与所得の源泉徴収票」には、給与の「支払金額」と「給与所得控除後の金額」が記載されていますので、金額が同じになっているか確認してみましょう。

② 所得控除欄…給与所得から差し引く所得控除額を確認

独身の人もいれば配偶者と子どもを養う人もいますし、健康な人もいれば病気がちの人もいます。そうした個人の事情に配慮して、税金の計算の元になる課税所得を減らすことができるのが所得控除です。

所得控除には社会保険料控除、医療費控除、配偶者控除、扶養控除など全部で14種類あり、それぞれ控除できる条件や金額に違いがあります。給与所得からこれらの控除を引いた金額が、課税所得となります。

年末調整や確定申告でこれらの控除を申告していれば、「所得控除」のそれぞれの欄に控除される金額が記載されているはずです。それに漏れがないか確認しましょう。

③ 税額欄…税額控除額を確認

市町村民税と道府県民税、それぞれに税額控除前所得割額、税額控除額、所得割額、均等割額が記載されています。

税額控除前所得割額には、②で求めた課税所得に税率をかけた金額がそれぞれ記載されています。税率は基本的に、市町村民税・特別区民税が6%、道府県民税・都民税が4%です(政令指定都市は市民税8%、道府県民税2%)。

所得割の額は、税額控除前所得割額から税額控除額を引いた金額(100円未満切り捨て)になります。
ふるさと納税をした場合や、住宅ローン控除がある場合などは、この税額控除前所得割額からさらに税金を差し引く税額控除ができます。申告した金額が反映されているか、確認してください。

また、均等割は2023年度(令和5年度)まで、基本的には道府県民税・都民税が1500円、市町村民税・特別区民税が3500円ですが、一部地域では多少異なります。

これらの金額から、毎月の住民税の納付額が決められます。

所得控除・iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)・ふるさと納税で住民税節約!

「住民税がどう決まるかわかった、けどもうちょっと金額を減らしたい」という方は、控除できる金額を増やせないか考えてみましょう。

税額を減らすことのできる控除には、給与所得控除・所得控除・税額控除の3種類がありましたね。

このうち、所得控除では、年末調整や確定申告で申告していないものがあれば忘れずに申告するようにしましょう。とくに医療費控除や社会保険料控除など、提出を忘れているものはありませんか? 確認してみてください。
また、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)を利用すると、老後のために積み立てたお金(掛金)をすべて所得控除できます。掛金は60歳まで原則引き出せませんが、自分の将来のお金を貯めながら住民税が減らせるのでお得です。

さらに、税額控除では、ふるさと納税が使えます。ふるさと納税をすると、納税(厳密には寄附)した金額から2000円を引いた金額を税金からダイレクトに差し引くことができます。そのうえ、ふるさと納税をした自治体からプレゼントがもらえます。

以上、住民税がどのようにして決まっているか、お分かりいただけましたでしょうか。しくみがわかると、節約術にも目が向くと思います。今年はぜひチェックしてみてください。

畠山 憲一 Mocha編集長

1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。

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