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23/08/13

相続・税金・年金

国民年金「元が取れる」のは何年後?繰り上げ・繰り下げの場合はどうなるのか

国民年金「元が取れる」のは何年後?繰り上げ・繰り下げの場合はどうなるのか

20歳以上60歳未満の日本人は国民年金に加入することが義務付けられています。そして、原則65歳から老齢基礎年金をもらい始めます。では、国民年金の元が取れるのは、もらいはじめてから何年後なのでしょうか。また、年金を繰り上げ受給・繰り下げ受給した場合はどうでしょうか。長生きしたとき、どのような受け取り方を選択すればより得になるのか解説します。

65歳から年金をもらい始めると約10年後の75歳で元が取れる

国民年金保険に加入することは、20歳から60歳までのすべての日本人に義務付けられています。40年間分の国民年金保険料を納めれば、65歳から満額の老齢基礎年金がもらえます。

2023年度(令和5年度)の国民年金保険料は、1か月あたり1万6520円です。実際には毎年度変動がありますが、仮に40年間この金額の国民年金保険料を納めたとすれば、40年間の国民年金保険料の総額は「1万6520円×12か月×40年=792万9600円」です。

それに対して、65歳から満額の老齢基礎年金をもらえるとすれば、79万5000円(2023年度)です。実際、65歳から年金を受給するとすれば、何年で元がとれるのでしょうか。

《65歳で年金を受給した場合》
・老齢基礎年金額:79万5000円(2023年度分)
・元が取れる年数:792万9600円÷79万5000円=9.97(年)

40年間支払った国民年金保険料に対し、65歳から老齢基礎年金を受け取り始めた場合であれば、約10年後の75歳のときに元が取れる計算です。

60歳に繰り上げ受給した場合は約13年後の73歳で元が取れる

年金をもらい始めるのは原則65歳からですが、60~64歳に繰り上げ受給をすることもできます。繰り上げ受給では、1か月早めるごとに0.4%減額されます。もし、60歳から老齢基礎年金を受給するのであれば「60か月×0.4%=24%」減額になります。
60歳で繰り上げ受給をした場合、元がとれるまでの年数は次のように変わります。

《60歳で繰り上げ受給をした場合》
・繰り下げ受給する老齢基礎年金額:79万5000円×0.76=60万4200円
・元が取れる年数:792万9600円÷60万4200円=13.12(年)
60歳から老齢基礎年金を受け取り始めた場合であれば、約13年後の73歳のときに元が取れる計算です。65歳から年金をもらい始めた場合であれば、75歳のときに元が取れるため、60歳で繰り上げ受給をした方が、約2年早く元が取れることになります。ただ、一旦繰り上げ受給を申請した後の年金は、一生減額されたままとなりますので注意が必要です。

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70歳・75歳から繰り下げ受給した場合は約5~7年後の77~80歳で元が取れる

繰り上げ受給とは反対に、老齢基礎年金をもらう時期を66歳以降にする繰り下げ受給もあります。繰り下げ受給をすることで、老齢基礎年金を1か月あたり0.7%増やすことができます。70歳まで繰り下げれば「60か月×0.7%=42%」、75歳まで繰り下げれば「120か月×0.7%=84%」も年金が増えます。実際に増えた年金が、何年で元がとれるか以下で試算してみましょう。

《70歳まで繰り下げ受給をした場合》
・繰り下げ受給する老齢基礎年金額:79万5000円×1.42=112万8900円
・元が取れる年数:792万9600円÷112万8900円=7.02(年)
70歳から老齢基礎年金を受け取り始めた場合であれば、約7年後の77歳のときに元が取れる計算です。

《75歳まで繰り下げ受給をした場合》
・繰り下げ受給する老齢基礎年金額:79万5000円×1.84=146万2800円
・元が取れる年数:792万9600円÷146万2800円=5.42(年)
75歳から老齢基礎年金を受け取り始めた場合であれば、約5年後の80歳のときに元が取れる計算です。

65歳から老齢基礎年金をもらった場合、元が取れるのは75歳からでした。繰り下げ受給をした場合、元が取れる年齢は75歳よりも遅くなります。しかし、毎年もらえる金額が増えるため、もらい始めから元が取れるまでの年数は短くなります。

日本人の平均寿命が伸びることを想定した場合を比較

年金を65歳から受け取ったとき、それよりも早くに繰り上げ受給をしたとき、70~75歳まで繰り下げ受給したとき、それぞれ何歳で元が取れるかがわかりました。

しかし、どれを選ぶかは、そのときの状況次第で決めるという方も多いかもしれません。今の段階で、どのような受け取り方が得なのかを知っておけば、老後について、より計画的なビジョンが描けるかもしれません。

厚生労働省「簡易生命表」(2021年)によると、2021年の男性の平均寿命は 81.47歳、女性の平均寿命は87.57歳です。これから先、さらに長生きするとして、仮に90歳まで生きた場合、年金の受給時期でもらえる金額がどのくらい変わるのかを見てみましょう。

《60歳で繰り上げ受給》
・90歳まで30年間年金をもらった場合:60万4200円×30年間=1812万6000円
・国民年金保険料を40年払い込んだ額との比較:1812万6000円÷792万9600円=2.28倍

《65歳で年金を受給》
・90歳まで25年間年金をもらった場合:79万5000円×25年間=1987万5000円
・国民年金保険料を40年払い込んだ額との比較:1987万5000円÷792万9600円=2.50倍

《70歳まで繰り下げ受給》
・90歳まで20年間年金をもらった場合:112万8900円×20年間=2257万8000円
・国民年金保険料を40年払い込んだ額との比較:2257万8000円÷792万9600円=2.85倍

《75歳まで繰り下げ受給》
・90歳まで15年間年金をもらった場合:146万2800円×15年間=2194万2000円
・国民年金保険料を40年払い込んだ額との比較:2194万2000円÷792万9600円=2.76倍

以上を、90歳までの年金額の多い順に並べると
・第1位:70歳まで繰り下げ受給
・第2位:75歳まで繰り下げ受給
・第3位:65歳で年金を受給
・第4位:60歳で繰り上げ受給

となります。もっとも年金額が多いのは「70歳まで繰り下げ受給」となりました。 人の寿命がいつまでかはわかりませんが、90歳以上長生きするのであれば、75歳までの繰り下げ受給の方が優位となるでしょう。

まとめ

今後、日本人の平均寿命が伸びることを考えると、65歳よりも早く年金をもらい始める繰り上げ受給は損といえます。年金の受給開始が遅くなってしまいますが、可能であれば70歳・75歳まで繰り下げ受給をしたほうが、結果として年金額が多くなるでしょう。

舟本美子 ファイナンシャルプランナー

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー

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