20/12/14
保険証の番号は見せてはいけないって本当!? 番号からどんなことがバレてしまうのか
病院に行く時には必ず持っていく保険証ですが、さまざまな取引や届け出などの際には、本人確認の書類としても使われています。日常的なものだけに、保険証に印字されていることにはあまり意識が向かないかもしれませんが、保険証の番号からわかる情報があります。
では、どのようなことが保険証からわかるのでしょうか。
保険証の種類は3種類
日本は「国民皆保険制度(こくみんかいほけんせいど)」なので、原則としてすべての国民が公的医療保険に加入しています。公的医療保険は大きく分けて3種類あり、それぞれに保険証を発行しています。
●社会保険(被用者保険)
会社員、公務員、教職員といった被用者、つまりどこかに雇われて働く人とその家族が加入しているのが社会保険です。
勤務先が大企業であれば、企業ごとに健康保険組合が運営している健康保険に加入することになります。勤務先が中小企業なら協会けんぽ、公務員や教職員は共済組合に加入します。
●国民健康保険
自営業者や年金生活者とその家族が加入します。会社員などの被用者であっても社会保険に加入していない場合は国民健康保険に加入します。
自治体が運営している国民健康保険のほか、医師や土木建築業者などの同業者が加入できるものもあります。
●後期高齢者医療制度
75歳以上が加入します。家族の被扶養者として他の公的医療保険に加入していたとしても、75歳になるとすべての人は後期高齢者医療制度に加入することになります。
保険証の番号からわかること
さて、これらの保険証には、記号、番号、保険者番号という3つの番号の記載があります。それぞれ、どのような意味があるのでしょうか。
●記号
健康保険の運営主体は、社会保険なら企業、国民健康保険なら自治体などです。これら運営主体を「保険者」といいます。保険証の記号は、保険者ごとに発行されている番号で、事業所整理番号とも言います。
ただし、この番号をチラッと見ただけでは、どの健康保険に加入しているかまで分かる人は少ないでしょう。
●番号
番号は、各加入者を表す番号です。同じ事業者内での加入者には順番に番号が割り振られるため、入社時期が早いほど番号が若くなります。
そのため、番号が若いと社歴が長い、するとおそらく役職が高い、と判断される材料にもなります。また、番号が1や2だと創業者であると考えられる、などとも言われます。
●保険者番号
保険者番号は、保険者に関する情報を示しており、社会保険は8桁、国民健康保険では6桁です。社会保険の場合は最初の2桁が法別番号と言って医療保険制度の区分を表しますが、数字から勤務先を推測することができます。
01:全国健康保険協会(協会けんぽ)→中小企業の従業員
02:船員保険→船員
06:組合管掌健康保険→大企業の従業員
31:国家公務員共済組合→国家公務員
32:地方公務員共済組合→地方公務員
33:警察共済組合→警察職員
34:公立学校共済組合/日本私立学校振興・共済事業団→教職員
39:後期高齢者医療制度→後期高齢者
2020年10月から、番号にはマスキングを
このように、さまざまなことがわかる保険証の3つの番号ですが、2020年10月からプライバシー保護の観点から、本人確認等の目的の場合にはこれらの番号にはマスキングをすることになりました。
たとえば、金融機関の口座開設や、携帯電話の契約などの際に、本人確認書類として健康保険証のコピーを提出する場合には、記号、番号、保険者番号の箇所にはマスキングテープや付箋などを貼って見えなくする必要があります。
また、提出を求める側も、「被保険者証の記号・番号が記載された面の写しを送付してください」といった表現はしてはいけないことになりました。
まとめ
病院に行く時以外にも何かと使う保険証ですが、今後はマイナンバーカードも保険証代わりに使えるようになる予定です。
メリットとしては、マイナポータルで特定検診情報や処方された薬の情報が確認できたり、医療費控除が簡単にできたりすることがあります。しかし、同時に自分の情報をしっかりと管理する意識も必要になってきます。
保険証、マイナンバーカードのどちらを使う場合でも、自分の情報を守ることが大切です。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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