19/03/07
クレジットカードの支払い方法、住宅ローン審査でひっかかるのはどれ?
家を買う・建てることは、人生の大作業です。
しかし、住宅ローンで引っかかってしまう場合も。物件探し・展示場見学をして施工業者も決まって、物件購入の申込金も支払ったにも関わらず、住宅ローンの審査で断られてしまうこともあるのです。
その原因の一つが、クレジットカードの使い方にあるとしたら……。
今回はカードの利用の仕方が住宅ローンにどう影響するのかを中心にみてみましょう。
金融機関はどこをみる? 住宅ローンの審査
マイホームは高額なので、多くの人が長い期間にわたり住宅ローンを返していくことになります。貸し手である金融機関にとっては、その貸したお金がきちんと返してもらえるのかを判断するために、担保価値や借り手の返済能力を見ます。
その中でも「信用力」は特に重要です。金融機関は、個人信用情報機関で住宅ローンの申込者に貸しても大丈夫なのか調べます。
個人情報については、申込者が住宅ローン以外に借入があるのかをチェックします。また、クレジットカードの利用状況を確認します。もし、この段階で支払いの延滞や申込書に記入している内容以外の借入があった場合には、審査が通らないことになります。
個人信用情報機関には、株式会社CICのほか、全国銀行個人信用情報センターや株式会社日本信用情報センターがあります。
金融機関はクレジットカードのココを見る!
毎月の支払いが可能かどうかを見る指標に、返済負担率というものがあります。返済負担率とは、年収に対する返済額の割合のことです。たとえば、返済負担率が30%までの金融機関の場合、年収400万円の人なら年間120万円が年間の返済の上限になります。
ある金融機関を例にとると、クレジットカードでは、分割払い、リボルビング払い(リボ払い)、キャッシング、カードローンの内容をローンの申込書に記入します。具体的には、借入先、借入名義人、カードの契約日、借入限度額、現在の借入残高、完済の予定の有無、完済予定日など、かなり細かい内容までたずねられます。
このうち特に、リボ払いやキャッシングを利用していると、借入可能額に大きく影響してきます。
上記のように年間120万円が返済上限であっても、リボ払いを利用していると、リボ払いの残額だけでなく、カードの限度額分が差し引かれてしまうことがあります。もし、30万円がカードの限度額だとすれば、借りることができる上限が90万円に減ってしまいます。
※返済上限120万円-限度額30万円=住宅ローン上限90万円(年額)
→月額7万5000円まで
また、住宅ローンの審査は各社審査基準が異なります。
ある銀行ではクレジットカードを持っていれば、利用がなくても限度額の10%はいつも使用していると仮定して審査をするといいます。以前、クレジットカードの枚数を減らすようにお客様にお願いしたという話を不動産会社の方から聞いたこともあります。
ですから、住宅ローンの審査に通るためには、不必要なクレジットカードがあれば解約しておく、カードの残債を完済しておくなどの準備が必要になります。
意外な盲点?! 携帯の分割購入費用
借入額に対して返済比率がギリギリの場合、携帯代などの分割払いも借金扱いとして、月々の支払いに含める場合があります。
携帯(スマホ)の端末代金は、24回払いや36回払いなどの契約で、毎月の使用料に上乗せして払っている人も多いと思います。この端末の代金は、実はクレジット契約になっています。
わずかな金額だからといって滞納してしまうと、5年間は信用情報に記録が残ります。ある金融機関の方に、金額の大小ではなく「損害を与えた」という事実が重要視されるのだと伺ったことがあります。これくらいの金額なら…という甘い判断が原因で、後で困らないようにしておきたいものです。
まとめ
人生には、自分でコントロールできることとできないことがあります。今後の景気の動向や将来の給料、転勤の可能性などは予測ができにくいものです。一方、お金の使い方やいくら貯蓄するのかは、自分で決めることができます。
マイホームを買うなら、金融機関がどのような審査をするのかを知った上で、準備をしていくことが大切です。クレジットカードの使い方もその一つですね。
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池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®
証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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