18/09/22
消費税8%で住宅購入したいならいつまでに契約すべき?
2019年に、10%に引き上げられる予定の消費税。たかが2%…などとは到底いえません。特に、住宅のように数千万円するものを買う場合には、その2%が大きな差となってきます。「何とか8%のうちに買いたい!」という場合、いつまでに買えばいいのでしょうか。
消費税増税は高い買い物ほど大きく響く
9月20日に実施された自民党総裁選で、安倍首相が石破元幹事長を退けて3選を果たしました。憲法改正やアベノミクスの総まとめ、さまざまな外交問題など、山積みの課題の行方も気になりますが、私たちの生活に直結するのはやはり、消費税増税でしょう。
2019年10月1日より、現状8%となっている消費税の税率が10%に引き上げられる予定です。これによって、あらゆるモノやサービスの価格が値上がりすることになります。この値上がりは、高額な買い物になればなるほど大きく感じられるようになります。
その筆頭はやはり、人生最大の買い物、住宅でしょう。
たとえば、3000万円の住宅を購入した場合、消費税が8%なら240万円ですが、10%になると300万円に。2%の増税で60万円も増えてしまうのです。これによって住宅ローンの借入金額が増えれば、金利負担も増えることになります。
住宅の消費税は「引き渡し」が基準だが、例外も
消費税増税の影響だけで60万円も高くなるなら、何とか増税前に買いたい! 特に今、住宅購入を考えている方なら、きっとそう思うでしょう。
住宅の消費税は基本的に、2019年9月30日までに物件の「引き渡し」を受けた場合に、8%となります。引き渡しとは、売主の持っている土地や建物を買主に渡すこと。所有権を移したり、お金を支払ったり、カギを受け取ったりすることです。いろいろな手続きがありますから、直前になって契約したのでは間に合わないのです。
とはいえ、特に注文住宅やマンションなどで「これから建てます」という場合、契約してから引き渡しを受けるまで1年以上かかることもありえます。「消費税増税は避けられないのか…」と思われてしまいそうです。
しかし、安心してください。実は2019年3月31日までに契約をしておけば、引き渡しが10月1日以降になっても消費税は8%でいい、という例外が認められているのです。もし今、住宅の購入を検討しているのでしたら、この日をひとつの基準として考えていくのがいいでしょう。
最後にもう一度おさらい 消費税8%で買うには?
ここまでお話ししてきた、消費税8%での住宅購入のタイミングをまとめておきます。
1)2019年3月31日までに「契約」→消費税8%
2)2019年4月1日以降に「契約」
→「引き渡し」が2019年9月30日までなら消費税8%
→「引き渡し」が2019年10月1日以降なら消費税10%
3)2019年10月1日以降に「契約」→消費税10%
1989年に3%でスタートした消費税は、5%、8%と段階的に増えてきましたが、10%への増税はこれまで2度見送られています。さて、今回はどうなるでしょうか。
住宅購入を検討している方はもちろん、そうでない方もぜひ注視しておきましょう。
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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