17/06/11
空室リスクばかり気にしてはダメ! 滞納リスクをしっかりと対策
不動産投資におけるリスクはいろいろありますが、意外にやっかいなのが、家賃の滞納です。空室で家賃が入ってこない場合には、入居者が決まれば家賃が入ってきますが、滞納の場合には居住している状態なのでこちらの方がややこしいのです。そこで、今回は滞納に対するリスク対策についてお話ししていきます。
滞納したからといって、すぐには退去してもらえない
不動産投資における最大のリスクは、空室リスクといえますが、実は、気をつけなくてはならないのが、家賃の「滞納リスク」。
空室の場合には、入居者が決まれば家賃が入ってきますが、滞納の場合には居住している状態なのに家賃が入ってこないので、こちらの方がややこしいのです。というのも、たとえ家賃を滞納していても、「居住権」を主張でき、1回や2回、家賃を滞納したくらいでは、すぐに退去しなくてもすむからです。
滞納リスクの対策には、管理会社選びがポイント
では、数ヶ月も家賃の滞納があり、何度も電話や書面により督促していても支払ってもらえない場合にはどうなるのでしょうか?
この場合には、一般的には「裁判」になります。半年以上にわたり、家賃を滞納しているケースでは、裁判官により強制執行をしてもらえます。ただし、強制執行をしてもらうまでに半年以上の年月がかかり、その間は家賃も入らず、弁護士費用もかかってしまいます。
管理会社に任せている場合には、対応は管理会社にしてもらうことになりますが、滞納に対するノウハウを豊富にもち、素早く対応してくれる管理会社とそうでない会社とでは賃貸付けと同様、大きな差があるのでやはりどこの管理会社に任せるかは重要なポイントです。
入居者選定にはオーナーも積極的にかかわろう
とはいえ、優良な管理会社に任せるといっても、入居者の選定のときにはオーナー自身が選定の基準をしっかりもち、事前に管理会社と審査基準について話し合っておくとよいでしょう。
通常、入居を希望する人がいた場合、管理会社から入居を希望する人の申込書が送られてきますが、そこには、申込者の住所、勤務先、年収、連帯保証人、連帯保証人の勤務先、年収などが書かれています。
「安定した職についているか」「申し込み内容に不備はないか」「連帯保証人も安定した職についているか」などをよく確認し、できるだけ属性のよい入居者に入ってもらうことで滞納のリスクはある程度回避することはできます。
私が最初に購入した物件は、人気エリアだったこともあり募集を開始してからすぐに複数人からの申し込みがありました。その中から管理会社と話しあい、30代の大手不動産会社に勤めているOLさんに借りてもらうことにしました。安定した収入がある職業についており、お父さんが連帯保証人となっていたこと、申込書にかかれていた字がとてもキレイで誠実な感じがしたことなどが彼女に決めた理由です。
最近では、滞納リスクに備えて、入居を希望する際には、家賃保証会社に加入してもらうことが入居の条件となっているところがほとんどです。家賃保証会社に加入してもらうことで、家賃の滞納や万が一、夜逃げなどがあった場合でも保証会社がその費用をカバーしてくれます。
ただし、保証会社によって保証の金額や保証の期間がさまざまなので、保証内容をよく確認しましょう。一般的には1回の保証料は月額家賃の30%〜100%で、保証期間は2年というところが多いようです。
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高山 一恵 ファイナンシャルプランナー
(株)Money&You取締役。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』『Mocha(モカ)』や登録者1万7000人超のYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、全国で講演活動、執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)など書籍90冊、累計150万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。twitter→@takayamakazue
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