19/02/13
マンションと一戸建て、選ぶ決め手は住んでからの費用の違い
家を買うなら、マンションと一戸建てでは、どちらがいいのでしょうか。大きな買物であれば、失敗はしたくありません。費用のことは重要なポイントですが、購入価格だけではなく、住んでからの費用の違いにも注意が必要です。
住んでからかかる費用
家を買う時は、とかく物件価格や住宅ローンの金利ばかり気になってしまいがちですが、住んでからかかる費用が少ないほうが、トータルでは安い買物になります。
住宅は大きな買物ですから、自分の好みだけを優先してしまうと、後から「こんなはずではなかった」と後悔してしまうかもしれません。
○ 修繕費
マンションも一戸建ても、定期的なメンテナンスは必要です。特に水周りはマメにチェックしておきたい箇所です。修繕は早めに行うことで、費用や期間が短くすむことが多くなります。
外壁や屋根なども定期的に修繕が必要になりますが、まとまった費用がかかります。
マンションは、毎月修繕積立費を支払うので、修繕が必要になった時に費用がなくてできない、という最悪の状況にはなりません。
しかし、修繕積立費は、管理費とともに、住んでいる限りずっと支払い続けます。老後の年金生活になっても支払いが無理なくできるかどうか、という視点で考えましょう。
一戸建ては、強制的な積立はありませんので、自分のペースで資金準備ができます。
しかし、準備が間に合わなければ、修繕のために新たなローンを組まなくてはならないかもしれません。誰にも強制されないからこそ、しっかり資金作りが必要です。
○ 管理費
マンションでは、修繕積立費とともに、毎月支払います。しっかりしたマンションでは、管理費がそれなりに高いものですが、共用部分やマンション周りの掃除が行き届き、エレベーターの故障や廊下の電灯が切れていることもなく、ゴミ集積所や自転車置き場が整理整頓されていると、気持ちがいいだけでなく、セキュリティ上も効果的です。
一戸建てでは、管理費がかからない代わりに、これらのことを自分でケアする必要があります。家周りの掃除は、ご近所とのお付き合いもあり欠かすことはできません。特に雪が降った時には除雪作業をしないと危険です。
セキュリティ対策として警備会社と契約することもありますが、警備員の到着までには時間がかかります。玄関ドアや窓などの開口部には補助鍵を付けたり、監視カメラを使ったりといった工夫をするといいでしょう。
○ 固定資産税
家を購入したら、毎年払わなくてはならないのが固定資産税です。固定資産税は、土地と建物それぞれにかけられ、合計した金額を支払います。
【土地の税金】
同じ土地面積に建てられたマンションと戸建てであれば、土地の税金はマンションのほうが安くなります。戸建ては土地面積全体が税金の対象ですが、マンションの場合は戸数などに応じて決められた、持ち分比率の分だけ払えばいいからです。
【建物の税金】
建物の固定資産税は、新築時は請負工事金額の約50~60%が目安といわれており、建築費用が高額な建物ほど税金も高くなる傾向になります。たとえば、鉄筋コンクリートのタワーマンションと、木造平屋の戸建てでは、タワーマンションのほうが高くなります。
老後も安心して住むために、物件選びは長期の視点で
住宅は、長く住み続けるものです。元気で働いている現在だけではなく、病気やケガで収入が減ったり、老後の年金生活になったりした時にも安心して住めるかどうかも、しっかり見極めましょう。
修繕費、管理費、固定資産税が払い続けられるかどうか、そして、身体に不調があっても問題なく生活できるか、といった視点が必要です。
部屋の中の段差など元気な時にはつい見過ごしがちですが、将来バリアフリーにリフォームする場合には費用がかかります。
また、戸建ては基本的に自分の希望でリフォームを決められますが、マンションでは共有部分には手を付けられないなど、自分の希望だけでは決められないこともあるので、長い目で考える必要があります。
まとめ
住宅購入は、土地、建物の物件価格や、住宅ローンの金利だけではなく、長期の視点にたった費用の比較検討が必要です。 もしもここに住んだら、と考えて、後悔のない物件選びをしましょう。
タケイ 啓子
ファイナンシャルプランナー(AFP)。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
記事提供:moneliy
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moneliy マネリー
「すべての女性を笑顔にする、マネーケア。」
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