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18/10/12

トレンド

走り続けるところに、勝利の女神はほほ笑む。『SHOE DOG 靴にすべてを。』

アディダスやプーマをしのぎ、世界最高のスポーツ用品メーカーとなったナイキ。
今月ご紹介の本は、創業者フィル・ナイトがこれまでのビジネスを綴った自伝です。

映画のような実話

タイトルの「SHOE DOG」とは、靴の製造、販売、デザインなどにすべてを捧げる人たちの呼称。「本の虫」のようなものですね。
前にご紹介した『陸王』は、ランニングシューズの開発に乗り出す老舗足袋会社の奮闘話でしたが、こちらは経験が全くない若者がハッタリで始めたビジネスの実話。違いはありますが、どちらの話もドラマチックで、靴に注ぐシュー・ドッグの情熱にあふれています。


今や、押しも押されぬ大企業となったナイキですが、経営が軌道に乗るまではトラブル続きでした。資金繰りに苦しみ、提携企業との関係に悩まされ、関税局の厳しい追及にあったり訴訟を起こされたりと、次々に大きな問題が持ち上がります。
そのたびに人とのつながりや仲間の助けによってピンチを切り抜けていくフィル。

実話だというのが驚くほど、小説のようにスリリングな展開である上に、経営者自らが語る言葉はリアリティに満ち、迫力にあふれています。
スリリングで波乱万丈な内容は、物語としてもおもしろく、淡々としたビジネス書が苦手な人でも楽しめます。

日本企業なしではナイキはなかった

日本の企業がナイキ社創業のきっかけになったということは、あまり知られていません。
フィルのビジネスは日本のオニツカ社(現アシックス)のランニングシューズの米国販売からスタートしました。オニツカ社のシューズにほれ込んだ彼は、単身来日し、ビジネス提携をもちかけます。1962年当時の日本にはまだ戦後の日米間の格差が残っていましたが、彼に元敵国や敗戦国相手という意識はなく、高品質の靴を作るビジネスマンたちと仕事をしたい一心で働きかけました。まさにシュー・ドッグです。

日本のビジネスの心得を学び、敬意とともに彼が見せた熱意は、オニツカ社を動かします。駆け出しの彼に多くのことを教えたのは、日本のビジネスマンたち。資金繰りに悩む彼に援助を行ったのは日商岩井(現双日)でした。そうした背景なしでは、今のナイキはなかったのです。

現在はもう日本との関係はありませんが、ナイキ創業時、彼はソニーのような会社にしたいと思っていたそうです。かつては世界の中で存在感を放ち、海外から注目されていた日本企業。その時代を見直すことで、改めて今後の日本のビジネス路線が見えてくるような気もします。

JUST DO IT!

社名を勝利の女神ニケ(NIKE)になぞらえてナイキにしたフィル。かつて陸上選手だった彼は、ランニングシューズの仕事を天職とみなし、勝ち続けたいというアスリート思考で、泥臭く商機をつかんでいきました。成功の秘訣は、やはりキャッチフレーズ「JUST DO IT.」でしょう。とにかくあきらめないで前に突き進むという彼のビジネスの姿勢が出ている言葉です。

行動が大切だという信念を持って、アクションし続けた彼。多くの失敗を重ねて、何度も挫けそうになりますが、決してあきらめない彼の信念に多くの人々が共感していき、周りの協力によって成功をつかむことができました。
ビジネスチャンスを求めて行動し続ける人や、他者を引き付ける強い信念を持つ人に勝利の女神が微笑むことを、この本は教えてくれます。

540ページにも及ぶ分厚い本ですが、創業者の自伝そしてナイキ社の歴史は映画のようにおもしろく、パワーみなぎる文章にどんどんページが進みます。アスリートであり、シュー・ドッグである彼の一貫した姿勢は、ビジネスマンの参考となるでしょう。「ビジネス書大賞 2018」に選ばれた話題の本です。

『SHOE DOG 靴にすべてを。』
(東洋経済新報社)

小野寺 理香 おのでら りか

読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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