17/11/14
結婚前に彼氏と話しておきたいお金のこと
結婚を機にマネー相談に訪れるお客様は沢山いらっしゃいます。
結婚式の費用をはじめ、新婚旅行、結婚後の生活費用など、結婚にはそれなりのお金がかかってきます。中には、彼氏が結婚式の準備や貯蓄に協力的ではないとのご相談もちらほら。
今回は、結婚前に彼氏と話しておきたいお金について一緒に考えていきましょう。
女性側の離婚申し立ての約40%が、お金が原因
結婚とは、結婚式を挙げて終了ではありません。この先ずっと一緒に暮らしていくことになります。ですので、お互いの価値観を共有しておくことは大切ですね。その中でも、特にお金の価値観については重要です。
なぜならば、結婚後お金に関する価値観の違いが原因ですれ違い、離婚を申し立てる女性はとても多いのです。
司法統計年報(2015)によると、離婚動機の1位が「性格が合わない」(40.5%)、2位が「生活費を渡さない」(28.3%)、3位が「精神的に虐待する」(25.6%)でした。2位以外にも、7位に「浪費する」(11.3%)がランクインしています。2位と7位を合わせて39.6%と、お金が原因の離婚申し立ては約40%にものぼります。
のちのち、お金のトラブルで離婚するというような事態を避けるためにも、お金の話を結婚前にしておく必要があります。
彼氏の夢やビジョンを聞いてあげることからスタート
お金の話は面倒と考える男性は少なくありません。ですので、いきなりお金の話ではなく、彼氏の夢や将来ビジョンを聞くことから始めましょう。その中で、自分との将来はどう描いているのか聞き、それを紙など形にし、「見える化」していきます。そこから、夢やビジョン、ライフプランを実現するには、いくらお金がかかるのかという話に繋げていき、お金の価値観を擦り合わせていきましょう。
自分との生活を大事にしてくれる男性であれば、価値観を話し合うことで、これから一緒に生活していくという自覚や責任感が芽生えるでしょう。
お互いのお金を「見える化」する
次のステップは、お互いの貯蓄額、収入額、支出額を「見える化」することです。この場合、女性から開示すると、男性も応じやすくなります。
ただし、女性は貯蓄額を少なめに申告した方が良いです。なぜならば、女性は何かと物入りですし、将来的に何が起きるかわからないからです。隠し財産があった方が家計円満になっていることが多いと感じます。
収入は給与明細を見せ合えればベストですが彼氏が開示を渋ることもあるでしょう。理由としては、「将来の小遣いが少なくなり、趣味や贅沢に使えなくなるのではないか」という思惑があるからです。
ですので、「現状、費やしている趣味の分は確保する」というようなルールを決めれば男性側も開示しやすくなります。男性にとっては、自由に使えるお金があるのかどうかがポイントなのです。また、この時に、お互いどういったモノにお金を使っているのか、満足しているのかを共有できると良いですね。
貯蓄できる仕組みづくり
人間は意志が弱い生き物なので、収入から支出を引いて余ったら貯蓄をしようと思っても続かないものです。収入から貯蓄分を先取りし、余ったお金で支出をやりくりするという習慣にすると、確実に貯蓄ができます。
「財形制度」「社内預金制度」「定期預金自動積み立て」「投資信託自動積み立て」などを活用すれば、先取りで強制的に貯蓄ができます。
また、いくら貯まっているのか見える化することも大事です。ふたり別々の口座でお金を貯めるのではなく、ふたりの共通口座をつくり、そこにお金を貯めていくと良いでしょう。
共通口座をつくると「ふたりのお金」という意識が働き、責任感が増すので、貯蓄に成功しやすくなります。いくら貯められているかわかることで、貯蓄に対するモチベーションも上がります。
まとめ
人生100年を生きる時代に突入し、パートナーとの関係はこれまで以上に大事になってきます。お金のトラブルでお別れするなんてことがないように、結婚前にお金の話をしっかりしておきましょう。ただ、お金の話は面と向かってしづらいという声も多くあります。その場合は、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーを第三者として入れると話が円滑になることが多いので、ぜひ活用してみてください。
執筆者
頼藤太希 (株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場『FP Cafe』を運営。メディアなどで投資に関するコラム執筆、書籍の監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。著書は「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)、「税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法」(河出書房新社)など多数。日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。
記事提供:moneliy
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「すべての女性を笑顔にする、マネーケア。」
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