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22/12/20

家計・ライフ

定年後の「再就職」と「再雇用」でもらえる給付金の額が全然違う

定年後の「再就職」と「再雇用」働き方の違いでもらえるお金が全然違う

60歳を過ぎても働き続けることが当たり前になりました。定年後の働き方には大きく分けて、再雇用と再就職があります。雇用保険からは「再就職」のときは高年齢再就職給付金、「再雇用」のときは高年齢雇用継続基本給付金がそれぞれもらえますが、実際のところ、もらえる金額が全然違うことをご存知でしょうか。定年後の働き方を考えるときは、その違いを理解し、計画的に考えておいた方がよいでしょう。今回は、2つの給付金がいくらもらえるのかを例を出して比較します。

「再就職」と「再雇用」違いを理解しよう

定年後の働き方として、再就職と再雇用という2つの選択肢があります。
再就職とは、今まで働いていた会社を定年退職し、その後、ハローワークや転職サービスなどの就職サービスを活用して新たな就職先を探すことです。一方、再雇用とは、今まで働いていた会社にある再雇用制度を利用して、その会社もしくは子会社、関連会社などに再度雇用されることです。

「再就職」のときにもらえる高年齢再就職給付金とは

高年齢再就職給付金とは、失業手当を受給して再就職した人が対象になる給付金です。失業手当を受給した後、60歳以後に再就職して、再就職後の各月に支払われる賃金が基本手当の基準となった賃金日額を30倍した額の75%未満となった場合に、以下の5つの要件をすべて満たした人がもらえます。なお、失業手当をもらう前、離職した時点の年齢は60歳より前でも後でも問題ありません。

●高年齢再就職給付金のもらえる要件のイメージ

厚生労働省「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」より

●高年齢再就職給付金の給付の5つの要件

①60歳以上65歳未満で再就職した雇用保険一般被保険者であること
②雇用保険の被保険者だった期間が5年以上あること
③1年を超えて引き続き雇用されることが見込まれる安定した職に再就職したこと
④同一の就職について、再就職手当の支給を受けていないこと
⑤再就職の前日における失業手当の支給残日数が100日以上あること

●高年齢再就職給付金の給付期間

高年齢再就職給付金がもらえる期間は、以下の2パターンがあります。

【失業手当の支給残日数が100日以上200日未満】
再就職の翌日から、1年を経過する日の属する月まで2か月に1回支給されます。
【失業手当の支給残日数が200日以上】
再就職の翌日から2年を経過する日の属する月まで2か月に1回支給されます。

ただし、どちらも被保険者が65歳に達した場合、その期間に残りがあっても給付は終了します。また、各暦月の初日から末日まで被保険者であることが必要です。

厚生労働省「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」より

●高年齢再就職給付金の給付額

高年齢再就職給付金がどのくらいもらえるのかは、支給対象となる月に支払われた賃金が、再就職直前の失業手当の基準となった賃金からどのくらい下がったのか(低下率)に応じて計算方法が変わります。

【低下率61%以下】支給対象月に支払われた賃金額×15%
【低下率61%~75%】-183/280×支給対象月に支払われた賃金+137.25/280×賃金月額
【低下率75%以上】給付金の支給なし

なお、支給対象月に支払われた賃金の最大15%ですが、支給額には上限(36万4595円)、下限(2125円)となります。毎年8月に毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに改定されます。

●「賃金月額」30万円の場合の計算例

賃金月額とは、原則として60歳に到達する前6か月間の平均賃金です。受給資格確認通知書などに記載されています。

【支給対象月に支払われた賃金が26万円】
低下率を計算 26万円/30万円×100=86.6%
支払われた賃金の低下率が75%以上のため支給なし

【支給対象月に支払われた賃金が20万円】
低下率を計算 20万円/30万円×100=66.6%
支払われた賃金の低下率61%~75%の間
支給額は-183/280×20万円+137.25/280×30万円=1万6340円
失業手当の支給残日数が100日以上200日未満の場合、支給期間をとおしてもらえる金額
・1万6340円×12か月(1年間)=19万6080円
失業手当の支給残日数が200日以上の場合、支給期間をとおしてもらえる金額
・1万6340円×24か月(2年間)=39万2160円

【支給対象月に支払われた賃金が18万円】
低下率を計算 18万円/30万円×100=60%
支払われた賃金の低下率60%のため上限となる15%を支給
18万円×15%=2万7000円
失業手当の支給残日数が100日以上200日未満の場合、支給期間をとおしてもらえる金額
・2万7000円×12か月(1年間)=32万4000円
失業手当の支給残日数が200日以上の場合、支給期間をとおしてもらえる金額
・2万7000円×24か月(2年間)=64万8000円

PayPay証券

「再雇用」のときにもらえる高年齢雇用継続基本給付金とは

失業手当などを受給していない人を対象とする給付金です。原則として60歳時点の賃金と比較して、60歳以後の賃金(みなし賃金を含む)が60歳時点の75%未満となっている人で、以下の2つの要件を満たした場合に対象となります。

●高年齢雇用継続基本給付金のもらえる要件のイメージ

厚生労働省「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」より

●高年齢雇用継続基本給付金給付の2つの要件

①60歳以上65歳未満の一般被保険者であること
②雇用保険の被保険者であった期間が5年以上あること

●高年齢雇用継続基本給付金の給付期間

高年齢雇用継続基本給付金がもらえる期間は、被保険者が60歳に到達した月から65歳に達する月までとなります。なお、各暦月の初日から末日まで被保険者であることが必要です。

●高年齢雇用継続基本給付金の給付額

高年齢雇用継続基本給付金がいくらもらえるのかは、先述の高年齢再就職給付金の計算方法と同じです。しかし、高年齢再就職給付金の給付期間は最大2年なのに対し、高年齢雇用継続基本給付金の給付期間は最大5年あります。もし雇用が5年継続するのであれば、その分だけ多くもらえます。次に、高年齢再就職給付金の例と同じ内容をもとにトータル金額がいくら違うのか確認してみましょう。

【賃金月額30万円・支給対象月に支払われた賃金20万円】
1か月の支給額1万6340円
雇用継続が5年の場合 1万6340円×60か月(5年)=98万400円

【賃金月額30万円・支給対象月に支払われた賃金が18万円】
1か月の支給額2万7000円
雇用継続が5年の場合 2万7000円×60か月(5年)=162万円

先述した高年齢再就職給付金と最大でもらえる金額で比較すると、次のとおりになります。1か月の支給額はどちらも同じですが、もらえる期間が違うので、トータルで比較すると、全然違う結果になります。

・1か月の支給額1万6340円を計算
【高年齢再就職給付金を2年間もらった場合】
1万6340円×24か月(2年間)=39万2160円
【高年齢雇用継続基本給付金を5年間もらった場合】
1万6340円×60か月(5年間)=98万400円

・1か月の支給額2万7000円を計算
【高年齢再就職給付金を2年間もらった場合】
2万7000円×24か月(2年間)=64万8000円
【高年齢雇用継続基本給付金を5年間もらった場合】
2万7000円×60か月(5年間)=162万円

ここまで紹介してきた高年齢雇用継続給付で実際に支給される金額を計算する際、低下率によっては計算が面倒と感じることもあるでしょう。そんなときは「給付金早見表」で、ざっくりとした額を求めることができます。

●高年齢雇用継続給付の給付金早見表

厚生労働省「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」より

高年齢再就職給付金・高年齢雇用継続基本給付金は2025年4月から縮小

高年齢再就職給付金・高年齢雇用継続基本給付金は、もともと高齢者の失業を防ぐ目的で設けられた制度です。しかし、高年齢者雇用安定法が改正され、企業は65歳までの雇用確保が義務となり、70歳までの就業確保が努力義務となっています。このように、積極的にシニアを雇用する背景を受け、高年齢再就職給付金・高年齢雇用継続基本給付金の「賃金の原則15%」という上限は2025年4月から「10%」に引き下げられることになりました。今後、さらに縮小・廃止になることが決まっています。

まとめ

現在は男性の80%以上、女性の約60%が60歳以降も就業しています。「人生100年時代」を生き抜くには、健康面・経済面を支えるために長く働くことが大事になります。ただ働き方によって、もらえるお金が全然違うことを押さえておきましょう。

舟本美子 ファイナンシャルプランナー

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー

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