23/04/02
会社で消耗せずに楽しく働く方法『佐久間宣行のずるい仕事術』

いつも仕事に一生懸命のあなた、真面目に働いているうちに心身をすり減らし、いつのまにか疲れがたまっていませんか?
今回ご紹介する本のタイトルが気になりますね。「ずるい」ってどういうこと?いけないことではないのでしょうか?読んでみると、この本で使われる「ずるい」とは効率的に成果を出す意味で使われており、人を出し抜いたりごまかしたりするネガティブさはありませんでした。『ずるい仕事術』とは周りと戦って消耗することなく、自分のやりたいことを実現する方法なのだそう。
著者は人気プロデューサーの佐久間宣行氏。彼が新人の頃から20年以上かけて身につけた仕事のテクニックが、人間関係やマネジメント、企画、メンタル面などから紹介されています。今回はその中から次の3つを紹介します。
フラットでていねいなコミュニケーションをしよう
組織で働くと、思うような仕事ができず、時には上司や会社に腹が立つこともあるでしょう。でも愚痴ばかり言っていては周りと揉めるし、職場の空気を悪くしてしまいます。人間関係が悪いところでは仕事がしにくく効率も上がらないもの。自分のやりたいことをするためには、上司や会社と戦うのではなく、逆に周りを理解しようとする謙虚さが大切です。
相手の立場を考えてメンツをつぶさないようにすると、なごやかに、そしてスムーズにものごとが進みます。人を見て態度を変えるのではなく、だれに対してもフラットでていねいなコミュニケーションを心がけると、周りに信用されて人間関係が向上し、仕事をしやすくなります。人を敬う気持ちは相手に伝わって、そのまま帰ってくるもの。相手を尊重できれば、敵対心を持たれて対立することもなく、仕事環境を整えやすくなるのです。
「まだ早い」をあざとく使おう
本文中には「ずるい」のほかに「あざとい」という言葉も出てきます。こちらも悪い意味ではなく、うまく活用するというニュアンスです。
ずっと憧れていた仕事に携われる時がきても「まだ早い、もう少し実力をつけてから…」とおじけづいてしまう気持ちはありますね。でも失敗せずにできる自信がないと、いつまでたっても「よし、今だ」と着手できないものです。
経験値が足りないと不安ですが、見方を変えれば失敗しても許してもらえる段階。間違っても当たり前だと思ってもらえるうちに、思い切って挑戦してみましょう。
早ければ早いほど失敗しても失うものは少ないし、チャンスにつながることもあります。リスクが少ないうちにチャレンジしないのはもったいないことなのです。
楽しそうに働こう
あなたは今日、仕事中に何回笑いましたか?
サービス業の人はともかく、多くの方はおそらく数回程度ではないでしょうか。職場で一度も笑わなかった人もいるかもしれません。「集中して仕事しているから、笑うなんてとんでもない」と思う人や、「仕事は憂鬱で、笑えない」という人だっているでしょう。それでも楽しそうに働くことは大事だそうです。
本当は楽しくなくても、とりあえず楽しいフリだけでもして見せるのは、周囲に自分を演出する仕事のテクニック。人は誰でも楽しいものが大好きですから、あなたが楽しそうに仕事をしていると目ざとく反応して、近くに集まってきます。注目されて認識されると仕事のチャンスが増え、人が集まると仕事を進めやすくなって、業績を上げやすくなります。
それに、「楽しそう」なフリをしていただけなのに、いつしか本当に「楽しい」という気持ちに変わっていくのが人間の不思議なところ。実際に楽しく前向きに働けたら自分がハッピーになれますから、喜んで始めてみたいものですね。
著者が長年活躍しているマスコミ業界に限らず、どんな人でもすぐに活用できる仕事術がこの本に詰まっています。新人からベテランまで、楽しみながら結果を出したい人に読んでほしい一冊です。
佐久間宣行のずるい仕事術
【読書ブロガー小野寺理香のブックレビュー】記事
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小野寺 理香 おのでら りか
読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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