23/03/15
住民票、戸籍謄本、印鑑証明…証明書が「10円」でとれるコンビニ交付の使い方
マイナンバーカードがあれば、これまでは役所に行って数百円の手数料を払って取得していた証明書がコンビニでとれることをご存知ですか?しかも、役所の窓口より手数料が安く、期間限定ながら「10円」で手に入る自治体もあります。今回は、マイナンバーカードでできる「コンビニ交付」の使い方を解説します。
コンビニ交付で取得できる書類は?
コンビニ交付とは、マイナンバーカード(または住民基本台帳カード)を利用して市区町村が発行する証明書が全国のコンビニ等のキオスク端末(マルチコピー機)から取得できるサービスのことです。
コンビニ交付で取得できる書類は、次のとおりです。
●お住まいの市区町村の証明書
・住民票の写し
・住民票記載事項証明書
・印鑑登録証明書
・各種税証明書
・戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)
・戸籍の附票の写し
●本籍地の証明書(お住まいの市区町村と本籍地の市区町村が異なる方向け)
・戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)
・戸籍の附票の写し
●その他
・新型コロナウイルス感染症予防接種証明書
コンビニ交付のメリットは3つあります。
●コンビニ交付のメリット1:いつでも必要な時に利用できる
役所の窓口はいつも混んでいて待ち時間が長く、空いている時間も限られているものです。その点コンビニ交付は毎日6時30分から23時まで利用できます。これならば仕事の休憩時間や役所が閉まっている夜間の時間や休日にも利用することができて便利ですね。
●コンビニ交付のメリット2:どこでも利用できる
お住まいの地域に関わらず、全国のコンビニなどの店舗内に設置されている端末で書類が取得できます。すべてのコンビニではないようですが、大手のセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンでは全国取り扱い可能なようですので、自宅周辺だけでなく仕事場やお出かけ先の近くでも利用できます。
●コンビニ交付のメリット3:すべての手続きを1人でできる
役所の窓口であれば周りにたくさんの人がいます。手続きをするのに役所の人と少なからず接しなくてはいけなくなりますが、コンビニ交付であれば申請から受領まですべての手続きを1人で行うことができます。周りの人の目に触れずに安心して証明書を取得することができますし、コロナ感染の対策にもなります。
コンビニ交付の準備と手順
コンビニ交付を利用する準備とコンビニ交付の手順を見てみましょう。
●コンビニ交付の準備
コンビニ交付でお住まいの市区町村の証明書を取得するには、以下2つが必要です。
・お住まいの市区町村がコンビニ交付サービスを提供していること
・マイナンバーカード(または住民基本台帳カード)を取得していること
2023年3月9日時点で、1098市区町村がコンビニ交付サービスを提供しているそうです。4割弱の自治体ではまだ利用できませんが、徐々に利用できるようになるでしょう。
また、本籍地の市区町村の戸籍証明書を取得するには、本籍地の市区町村がコンビニ交付サービスに対応していることと、本籍地の市区町村に利用登録申請を行うことが必要です。
●コンビニ交付の手順(マルチコピー機の操作方法)
コンビニ交付の手順は、次のとおりです。
①各店舗に設置されているキオスク端末(マルチコピー機)の画面に表示されている「行政サービス」ボタンを押す
②ご利用上の同意事項を読み「同意する」を選択
③行政サービスメニューが表示されるので「証明書の交付」→「証明書交付サービス」を選択
④端末の所定の場所にマイナンバーカードを置きマイナンバーカードを読み取る
⑤証明書交付の市区町村がお住まいの市区町村か異なる市区町村かを選択
⑥マイナンバーカードの交付時に設定した4桁の暗証番号を入力
このあと、取得したい証明書や部数を選択し、お金を入れれば手続き完了。証明書がマルチコピー機から出てきます。
取得費用「10円」の地域も
コンビニで各証明書を取得すると、時間や手間だけでなくお金も節約することができます。各証明書の取得費用が窓口より100円安いからです。そのうえ、地域によっては、期間限定ながら証明書等を「10円」で取得できます。
たとえば長野県諏訪市では、2023年8月末までマイナンバーカードを使ってのコンビニ交付で住民票等の証明書を取得する場合、発行手数料を10円とします。東京都港区、北海道伊達市、奈良県奈良市など、期間はそれぞれ違いますが、同様に10円にしている自治体はたくさんあります。マイナンバーカードの普及とコロナ禍での申請窓口の過密緩和が目的のようで期間限定の実施ではありますが、10円で発行できるなら嬉しいですね。
まとめ
マイナンバーカードができた当初からコンビニで証明書が発行できるようにするという目的が掲げられてきました。コロナ禍ということもあり非対面の需要が強くなりコンビニ交付のメリットも大きくなったと思います。
証明書は頻繁に必要になるものではありませんが、引っ越しや就職などの春の時期は利用が多くなりそうです。何より役所に行くために交通費を払い、日中の時間に行けるように予定を合わせ、窓口での待ち時間が長いと感じながら待ち続ける煩わしさから解放され、隙間時間で近くのコンビニで証明書を発行できることはとても便利。マイナンバーカードを是非発行して利用してみてください。
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小塚歩 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
大手証券会社、IRリサーチ会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。FP事務所 まいまねい 代表。人生100年時代だからこそ、もっと金融を身近に感じてほしく、セミナー活動を通して、金融リテラシーや金融教育を広めるセミナー講師。得意分野は投資・金融資産運用。
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