25/02/28
「無駄遣いしてないのにお金がない人」の家計に潜む4つの落とし穴

「特に贅沢をしているつもりはないのに、なぜか毎月お金が足りない」そんな悩みを抱えている人は少なくありません。無駄遣いをしている自覚がないのに家計がピンチになってしまう人の家計には、お金が消えていく「落とし穴」が潜んでいるのです。
今回はお金が知らぬ間に消えていく4つの落とし穴と、その解決策について詳しく解説します。今まで気づかなかった「お金の漏れ」を防ぎ、家計を改善し、将来への不安も軽減していきましょう。
家計の落とし穴①:サブスクや保険、「塵も積もれば」の固定費を削減せよ!
家計の見直しをする際、最も効果的なのが「固定費」を見直すことです。固定費とは、毎月必ず発生する支出のことで、家賃、保険料、通信費などが含まれます。固定費は、一度見直すだけで長期間にわたって節約効果を発揮するため、最初にチェックするべき項目です。
特に見落とされがちなのが、サブスクリプションサービス(サブスク)です。サブスクは音楽や動画配信、オンラインフィットネス、ニュースサイトなどさまざまあり、月額数百円から数千円の支払いで使いたい放題になる便利なサービスですが、その支払いが積み重なって、意外と大きな負担になっていることがあります。ですから、使用頻度が低いサービスがあれば、思い切って解約しましょう。
また、契約したことを忘れてそのままになっていることもあります。使っていないサービスに延々とお金を払い続けているかもしれません。一度クレジットカードの明細を確認して、必要なサービスだけにすると良いでしょう。
保険も大きな固定費の一つです。万が一のために加入した保険が、本当に今のライフスタイルに合っているかどうか、定期的に見直すことが大切です。例えば、過剰な保障内容になっていないか、他社と比較して適正な保険料かどうかを確認しましょう。筆者のもとに相談にみえるお客様の中には、過剰に保険に加入している人も少なくありません。適切な見直しを行うことで、年間数万円以上の節約になることもあります。
家計の落とし穴②:買い物の「ついで」が危険?無意識の支出パターンを知る
日々の買い物の中で、ついでにこれも買っておこうと思うことはありませんか。スーパーやコンビニに行ったとき、予定になかったけど、いつもよりやすいからといってお菓子や雑貨をついカゴに入れてしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。しかし、こうした無意識の支出は積み重なると、月に数千円から数万円にもなります。 ついで買いを防ぐためには、事前に購入するものを決めてリスト化し、それ以外のものは買わないというルールを徹底しましょう。
ネットショッピングも要注意です。特にセールやポイント還元が魅力的に思えて、本来必要のないものを購入してしまうケースが多く見られます。また、あといくら購入したら送料が無料になるからオトクだと思い、いつか使うだろうというものを購入しているケースも。結果的に送料よりも高い商品を購入していては本末転倒です。
そうならないためにも、購入前に「本当に必要なものか」を考えることが大切。衝動買いを防ぐため、「1週間経って見直しても必要なら買う」など、クールダウン期間を設けるのも有効な手段です。
家計の落とし穴③: 貯蓄だけでは貯まらない!「先取り投資」でお金を増やす仕組みを作る
貯金をしっかりしているのに、お金が増えないと感じる人は、貯めるだけでなく増やす仕組みを作ることを考えましょう。特に、低金利の銀行にお金を預けているだけでは、資産がほとんど増えないばかりではなく、価値が目減りしていく時代です。
そこでおすすめなのが先取り投資です。仕組みは先取り貯蓄と同じで、確実にお金を貯めたり増やしたりすることができます。収入が入ったら、自動的に投資に回す仕組みを作ることで、無理なく資産形成ができます。例えば、NISAやiDeCoを活用し、長期的に投資を続けることで、資産を効率的に増やすことが可能です。
投資というと、リスクが高いと不安を感じる人もいるかもしれませんが、少額から始められる積立投資なら、リスクを抑えつつ運用をすることができます。重要なのは、無理のない範囲で継続することです。お金を使わないから貯まるのではなく、「お金を運用して増やす」という考え方を持つことが、今後の資産形成には不可欠です。
家計の落とし穴④:将来のお金、不安じゃない?ライフプランで見える化を
お金が貯まらないと感じる理由の一つに、将来の支出について考えていないことが挙げられます。将来必要なお金の見通しが立っていないと、無計画に支出をしてしまったり、反対に貯金ばかりに気を取られてしまったりすることがあります。どれだけ節約や投資を頑張っても、目標が曖昧では思うように資産は増えません。
そこでおすすめなのがライフプランを作成することです。自分や家族のライフイベント(結婚、住宅購入、教育資金、老後資金など)をリストアップし、それぞれに必要な資金を予測することで、将来必要なお金を明確にできます。
例えば、老後資金なら、公的年金だけでは不足する可能性が高いため、早めに準備を始めることが重要です。総務省の家計調査(2023年)によると、夫婦2人の無職世帯における平均的な生活費は月額約25万円とされており、不足分は約3万80,000円です。これを基に単純に計算すると65歳から90歳までの25年間で約1,100万円の資金が必要になると考えられます。ただし、年金の受給額や単身世帯やライフスタイルによっても必要額は異なるため、自分に合った試算を行うことが大切です。
この不足分を補うために、iDeCoや新NISAなどの節税しながらお金を用意できる制度を活用し、計画的に資産形成を進めることが有効です。さらに、退職金や企業年金、個人年金なども考慮に入れながら、自分に合った方法で資産を確保していきましょう。
ライフプランをしっかりと立てることで、「いくら必要で、どのように準備すればいいのか」が明確になり、不安を軽減できるのです。
無意識のうちに消えているお金を管理しよう
無駄遣いしていないのにお金が貯まらない原因は、意外なところに潜んでいます。固定費の見直し、無意識の支出の抑制、資産を増やす仕組みづくり、そしてライフプランの明確化を行うことで、家計の健全化が実現できます。まずは、できることから一つずつ見直し、気づかぬうちに消えていたお金をしっかり管理していきましょう。そうすることで、生活がより豊かなものになるでしょう。
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黒須 かおり ファイナンシャルプランナー(CFP)
女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識など幅広い資金計画とライフプランのアドバイスを手がけている。金融機関にて資産形成のアドバイザーとしても活動中。FP Cafe登録パートナー

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