22/12/31
【都道府県別】お年玉の平均額はいくら?コロナ禍で減っているのは本当か
1年が終わりに近づき、新たな年を迎えるころになると気になるのが「お年玉」。お正月のイベントの中でお年玉を楽しみにしている子どもたちはたくさんいます。それと同時に大人が気になるのは「周囲の家庭はいくら渡しているのか」ではないでしょうか。
今回は、総務省のデータをもとに、お年玉の世帯平均額はいくらなのかを考えてみました。
お年玉の平均額はいくら?都道府県別ランキング
お正月のお金のイベントといえば、お年玉です。子どものころ、ポチ袋をひとつひとつ開けていくらもらったか、集計した経験のある方も多いでしょう。そしてお年玉を渡す立場になると「多すぎても少なすぎても良くないよな」と、渡す金額に迷った経験のある方も多いはずです。周囲の家庭はお年玉をいくら渡しているのでしょうか。
総務省「家計調査(家計収支編)」は、家計のさまざまな収入や支出を集計して、月ごとに公表しています。しかし、家計調査に「お年玉」という項目はありません。また、家計調査には都道府県別の集計データはなく、県庁所在地や政令指定都市のデータしかありません。そこで、
・二人以上世帯の2022年1月の「贈与金」のデータを「お年玉」とみなす
・都道府県庁所在地のデータを各都道府県のデータとみなす(東京都は「東京都区部」)
と仮定して、2022年1月のお年玉のランキング表を作成しました。
●2022年1月の「贈与金」の都道府県別ランキング
筆者作成
1位は奈良県で2万1278円です。2位の宮崎県、3位の三重県までが2万円台になっています。反対に、最下位の埼玉県は5791円ですから、トップの奈良県の4分の1強しかないことになります。地域によってかなり差があるなという印象です。
2022年1月の「お年玉」の平均額は1万2975円。1世帯で1万3000円くらいをお年玉に支出しているということですね。渡す相手の年齢等によって金額の差をつけることもあるかと思いますし、渡す人数によっても支出額は違ってくると思います。
コロナの影響でお年玉は減ったのか
2022年のお年玉の平均額は1万2975円とお話ししましたが、これまではどうだったのでしょうか。直近ではコロナの影響が大きいと思いますが、お年玉もコロナで減ったのでしょうか。
同じく、家計調査のデータから過去5年のお年玉の平均を算出すると、
・2018年:1万7204円
・2019年:1万6166円
・2020年:1万5147円
・2021年:1万1624円
・2022年:1万2795円
となっています。
こうしてみると、コロナの影響が大きかった2021年の金額は、過去から見ても低い金額だったということがわかります。
まだまだコロナ禍は続いておりますが、2021年よりもウィズコロナの生活が馴染んできた2022年のお年玉の金額は、1100円ほど回復しています。お年玉の動向も、家計動向を反映しているといえます。
過去5年のお年玉平均額はいくら?都道府県別ランキング
2018年から2022年まで、5年分の1月のデータを平均して都道府県別のランキングにすると、顔ぶれが変わります。
●過去5年の「贈与金」の都道府県別ランキング
筆者作成
1位は佐賀県で1万9168円です。以下福岡県、長崎県、山梨県、静岡県…と続きます。一方、最下位の秋田県は9758円と、1万円を切ってしまいました。秋田県は、2022年のランキングでも45位と少ない方でした。
まとめ
都道府県別のお年玉のランキングを見ると、地域によっても金額の開きがあることがわかりました。またコロナの影響で、2021年のお年玉は少なくなっていることを紹介しました。
さて、2023年のお年玉はどうなるのでしょうか。2022年はコロナや円安など、さまざまな影響でインフレが加速しています。2021年、コロナの影響で収入が減りお年玉が減ったということであれば、2023年は支出額が増えてお年玉が減るという家計の傾向もみられるかもしれません。
いずれにしても、お年玉は新年のスタートのイベントです。お年玉は本来、子どもたちが1年元気で過ごせるようにという意味を込めて渡すものではありますが、今回のデータを参考に、いくら渡すかを考えてみてくださいね。
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小塚歩 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
大手証券会社、IRリサーチ会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。FP事務所 まいまねい 代表。人生100年時代だからこそ、もっと金融を身近に感じてほしく、セミナー活動を通して、金融リテラシーや金融教育を広めるセミナー講師。得意分野は投資・金融資産運用。
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