connecting…

  • NISA
  • FIRE
  • Money&You TV
  • 確定拠出年金「iDeCo」「企業型」
  • マネラジ。
  • ふるさと納税
  • 届け出だけでお金がもらえる! 給付金制度を活用しよう
  • セミナーレポート
  • まとめ記事/チェックテスト
  • 歴女の投資ファイル
  • ズボラでも出来るシリーズ
  • 投資信託でプチリッチ!「投信ウーマン」
  • 投資女子への道
  • 恋株
  • ぽいきさんの幸せを呼び込むシリーズ
  • 大人女子を応援!家庭で出来る漢方の知恵
  • 読書ブロガー小野寺理香のブックレビュー
  • 駐在マダム、モラハラ夫からの逃亡記
  • “逆打ち”お遍路をご紹介

17/03/02

相続・税金・年金

確定拠出年金をもらうときの注意点

image

FPでありDCプランナーでもある筆者が、確定拠出年金(DC)の「企業型」にフォーカスして、初歩からわかりやすく説明していきます。
この連載を読めば、企業型DCを上手に活用できるようになります。

いよいよ最終回、確定拠出年金を受け取るときの注意点をお話します。

積み立てた年数で、もらい始めることができる年齢が違う

確定拠出年金は、「死亡したとき」「高度障害を負ったとき」以外は、60歳以降でなければ年金を受け取ることができません。
さらに、積み立てた年数によって受け取ることができる年齢が変わります。
具体的には次の表をご覧ください。

image

つまり、50歳を超えて積み立てを始めた場合は、60歳では資産を受け始めることができません。例えば、53歳から積み立てを始めたら、62歳以降しか受給が開始できないのです。
表にある受給開始年齢は、最も早く受給する場合で、その年齢以降であればいつからでも受給開始ができます。但し70歳までに受給開始手続きをしなければ、70歳になると自動的に一時金として支給されます。
また、60歳を超えても、年金受給している間も、運用を続けることができます。

一時金でも年金でも、または両方の併用でも受け取れる

資産の受け取りは、一時金として一括でもらうこともできますし、分割して年金として受取ることもできます。
また、一部を一時金で、一部を年金でというように併用もできます。

一時金でもらったときは、「退職所得」とみなされ、「退職所得控除」を受けることができる上に、もし控除額を上回っても、課税されるのはその2分の1となります。
計算式は以下となります。

退職所得 =(確定拠出年金一時金 - 退職所得控除額)× 1/2

退職所得控除額の計算式
積立年数 20年以下の部分:40万円 × 積立年数 [ただし最低80万円】
     20年超の部分:800万円 + 70万円 ×(積立年数 - 20)
※1年未満の期間は1年に繰り上げる
例:30年間積み立てた場合、1500万円まで非課税

一方、年金でもらう場合は、「雑所得」の「公的年金等」となり、「公的年金等控除」を受けることができます。 公的年金等控除額は年齢で異なり以下となります。

image

例:60歳から年間70万円ずつ、資産を取り崩して年金としてもらったとしても、課税となる金額はありません。

一時金、年金、それぞれの受け取り時に注意すること

先ほど一時金は、「退職所得控除」が使えるといいましたが、前年以前14年以内に勤務先などから退職金をもらってこの控除を受けていたら、その額も合算して計算しなければなりません。
例:22歳入社、30歳から企業型確定拠出年金開始
60歳で退職金1500万円を受給(退職所得控除2060万円のため非課税)
65歳で確定拠出年金を一時金で800万円を受給した場合

1500万円 + 800万円 = 2300万円
2300万円 - 2060万円(退職所得控除) = 240万円
240万円 × 1/2 = 120万円(1000円未満切捨)
120万円が退職所得となり、以下の表から所得税が課税されます。

image

120万円 × 5% = 所得税6万円 + 復興特別所得税
120万円 × 10% ≒ 住民税12万円
確定拠出年金受給時に約18万円の税金がかかります。

また、分割して年金として受け取る場合は、国などからの公的年金との合算となるので、控除額の計算時には注意が必要です。加えて、確定拠出年金は振り込まれるごとに振込手数料が引かれますし、金融機関によって何回に分割できるかが異なるため、確認しなければなりません。
いつ、どのような形で受け取るかは、税金の面からいくつかシミュレーションしてみる必要があります。

まとめ

受給のタイミングと回数、他の制度とのかかわりで、税金のかかり方が大きく変わることをご理解いただけたでしょうか。
けれども、税金の制度も生き物ですから、将来もらうときの法律に左右されることは大いに考えられます。
とはいえ、この制度の一番の目的は、「老後資金の確保」だということを忘れずに、ぜひ確定拠出年金を賢く利用して、安心の老後生活を過ごしてください。

7回にわたっての「ゼロからわかる『企業型確定拠出年金』」は今回で終了です。
確定拠出年金は、「老後資金」「長期運用・少額積立」「自助努力」の3つがキーワードです。
老後は誰にでもやってきます。まだまだ先だと思わずに、早くから計画して資金を確保していくことはとても大切なことです。
もう一度、このシリーズを最初から読み返して頂いて、「確定拠出年金」を深く知ってもらえると嬉しいです。

【確定拠出年金】の特集記事
「超入門! ゼロからわかる『確定拠出年金』」
「マッチング拠出、選択制DCって何?」
「運用って何? 確定拠出年金の運用商品」
「確定拠出年金でオリジナルポートフォリオを作ろう!」
「確定拠出年金での運用先の変更はどうする」
「確定拠出年金では、年末調整、離転職、倒産した場合はどうなるの?」
「確定拠出年金をもらうときの注意点」

小野 みゆき 中高年女性のお金のホームドクター

社会保険労務士・CFP®・1級DCプランナー
企業で労務、健康・厚生年金保険手続き業務を経験した後、司法書士事務所で不動産・法人・相続登記業務を経験。生命保険・損害保険の代理店と保険会社を経て2014年にレディゴ社会保険労務士・FP事務所を開業。セミナー講師、執筆などを中心に活躍中。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連するみんなのマネー相談(FP Cafe)

50歳から正社員とパート、どちらが得?

年金神奈川県 いいね 2
2015/12/06

主人は自営業で二人で国民年金を20年以上払ってきました。 
50歳になって私は正社員になり厚生年金に。主人は会社で厚生年金を始めました。
正社員といっても手取りで20万円程度で残業代もボーナ...

マネー相談の続きを見る

国民年金基金か確定拠出年金か

年金広島県 いいね 2
2016/10/31

▼プロフィール
年齢:夫 48歳、私 37歳
住居:賃貸マンション
職業:夫(彼) 正社員、私 アルバイト
貯金:夫(彼) 約4000万円、私 約2500万円
年収:夫(彼) 約150...

マネー相談の続きを見る

遺産相続についての質問です
父母も高齢になって来て不謹慎ですがそろそろ遺産などについても考えなければと思っているのですが、実は私の6歳上になる兄と私(妹)の仲がとても悪いのが懸念材料です。以前...

マネー相談の続きを見る

閉じる
FP Cafe® お金の相談をするなら、一生涯の「お金の相談パートナー」へ