22/09/01
お金が貯まらない人の悪習慣「身の丈を超えた自動車をローンで購入」はなぜダメか
住宅ローン以外でローンを組んでしまうことが多いのが自動車ローンです。しかし、自動車ローンを組むとお金が貯まりにくくなります。安易にローンを組んで車を買わないよう注意しておきましょう。今回は、自動車ローンでお金が貯まらない理由について説明します。
お金を貯めたいなら自動車ローンに注意
自動車を購入するときに、現金一括購入するか、ローンを組むかで悩む人は多いと思います。現金一括購入すれば、その分貯金が減ってしまいます。一方、ローンを組めば毎月一定額を払えばいいので、家計の見通しも立てやすくなります。一見、ローンを組んだ方が、お金が貯まりやすいような気もするでしょう。
しかし、ローンを組めば利息を払わなければなりません。自動車ローンの金利の相場は、銀行ローンなら年1~2%、ディーラーのローンなら年4~8%程度です。ディーラーのローンの方が審査に通りやすいので、年5%程度のローンを払うことになるケースが多いでしょう。
たとえば、150万円の車を全額ローンの5年払い、金利5%で購入した場合、毎月の返済額は約2万8000円、トータルの支払額は約170万円です。現金一括購入ではかからない無駄なお金が約20万円かかってしまいます。
月々2万8000円の支払いも楽ではないでしょう。自動車ローンの返済期間は最長10年のところが多いので、返済期間を延ばして月々の支払額を減らせるかもしれません。しかし、返済期間を延ばせば支払う利息はもっと増えてしまいます。
さらに、10年経てばそろそろ車の買い替えが必要になります。また車を買ってローンを組めば、返済がいつまでも終わりません。結局、ローンを組んで車を買えば、無駄なお金がかかるうえに、毎月の支払いも大変になり、お金が貯まりにくいのです。
残価設定型ローンはどう?
残価設定型ローンとは、車の返却を前提として契約終了時の残価(下取り価格)をあらかじめ設定し、残価以外の部分の価格を分割で支払う方式のローンです。契約終了時には、車を返却するか、残価を支払って車に乗り続けるか、新車に乗り換えるかの3つのうちいずれかを選択します。残価設定型ローンでは分割払いする部分の金額が少ないため、毎月の支払額を少なくできます。しかし、デメリットもあります。
1つは、利息の負担が大きくなることです。残価設定型ローンでは、据え置いた残価の部分にも利息がかかります。たとえば、200万円の車の残価を50万円とすると、分割払いをするのは150万円ですが、利息は200万円全部に対してかかるのです。毎月の返済額を抑えられても、結局利息の負担が大きくなってしまいます。
また、車の価値を維持するため走行距離の制限があるほか、もし車に傷やへこみができてしまったら追加費用を請求されるなどのリスクもあります。契約終了後に残価を一括払いできない場合、車を手放さなければならないのも困ることがあるでしょう。新車に乗り換える場合に、同じメーカーの車しか選べないのもデメリットです。
安易に自動車ローンを組むのはNG
新車を買うとなると、100万円を超えるのが一般的です。住宅と同じようにローンで買ってしまうことも多いでしょう。しかし、自動車ローンの金利は住宅ローンの金利より割高です。特に、乗るなら新車や良い車がいいからと言って、身の丈を超えた自動車ローンを組んでしまうのは危険です。
車を使う頻度がそれほど高くないなら、カーシェアリングやレンタカーを利用する方法もあります。カーシェアリングは、月額固定料金は無料もしくは少額で、使った分だけ料金を払う仕組みになっています。近くにステーションがあれば、車を使いたいときにすぐ使えます。長時間や長距離のドライブをするときには、レンタカーを使った方が割安なので、両方を組み合わせて使うとよいでしょう。車を所有しなければ、駐車場代や車検費用などの維持費もかかりません。
車が必須の地域に住んでいるなら、移動に支障なく使える車で十分と考えましょう。ローンを組まず現金一括購入しやすい中古車を選ぶのがおすすめです。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。
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