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22/11/09

相続・税金・年金

総額2600億円「放置年金」112万人が運用せず手数料だけ支払い…転職・退職時に必要な手続きは

総額2600億円「放置年金」112万人が運用せず手数料だけ支払い…転職・退職時に必要な手続きは

転職や退職の際に企業年金の移換手続きを忘れて、放置されている年金資産が問題となっています。このような「放置年金」は5年間で6割増えており、その総額は約2600億円。おもに企業型確定拠出年金(企業型DC)の加入資格を失った人が対象で、2022年9月末時点で112万人もいます。

年金資産を放置するとどのような問題があるのでしょうか?今回は放置年金のデメリットをお伝えしたうえで、転職・退職時に必要な手続きと、放置年金があるか確認する方法を紹介します。大事な老後資産を目減りさせないために、ぜひチェックしてみましょう。

放置年金にはどのようなデメリットがある?

転職や退職時に企業型DCの移換手続きをおこなわないと、以下のデメリットが生じます。

●放置年金のデメリット1:年金資産が運用されない

転職や退職で企業型DCの加入資格を失い、その翌月から6か月以内に手続きをおこなわない場合、年金資産は自動的に国民年金基金連合会に移されます(自動移換)。移された資産は現金として管理されるため、運用されません。長期間現金のまま放置すると、物価上昇により実質的な資産の価値が目減りしてしまうので注意が必要です。

●放置年金のデメリット2:手数料がかかる

年金資産が運用されないにもかかわらず、管理手数料がかかってしまうというデメリットもあります。自動移換された際に4348円、さらに自動移換中に毎月52円の手数料が年金資産から差し引かれます。放置している期間が長いほど手数料負担が多くなるので、早めに手続きすることをおすすめします。

●放置年金のデメリット3:60歳になってもすぐに受け取れない場合がある

自動移換されたまま放置していると、老齢給付金を受け取れる時期が遅くなる場合があります。60歳から確定拠出年金の老齢給付金を受け取るためには10年以上の通算加入者等期間が必要ですが、自動移換されている間はこの期間にカウントされないためです。

通算加入者等期間が10年未満の場合、その期間に応じて受け取れる年齢が先延ばしされます。老後の働き方やマネープランに影響しかねないので、この点にも十分注意しましょう。

転職・退職時に必要な年金の手続き

企業型DCのある会社を退職する際は、自ら手続きをして年金資産を移さなければなりません。企業型DCの移換の手続き方法は、転職先に企業型DCがある場合とない場合で次のように異なります。

●転職先に企業型DCがある場合

転職先の企業型DCがある場合、新たにその会社の企業型DCに加入する手続きが必要です。転職先の指示に従って、手続きをおこないましょう。

なお、以前の会社で保有した企業型DCの運用商品はいったん売却されるため、転職先の企業型DCで新たに運用商品を選ぶ必要があります。会社によって企業型DCの運用商品のラインナップが異なるので、そのときの運用スタイルやリスク許容度に応じて、適した商品や資産配分を選び直しましょう。

●転職先に企業型DCがない場合

転職先に企業型DCがない、または独立・起業などで第1号被保険者になる場合、企業型DCの資産はiDeCo(個人型確定拠出年金)へ移換します。iDeCoに移換する際は、自ら掛金を拠出して運用する「加入者」か、掛金は拠出せず運用のみおこなう「運用指図者」のいずれかを選べます。

運用指図者になっても運用期間中の手数料は毎月差し引かれるので、月5000円(最低掛金額)以上を継続して支払える余裕があれば「加入者」となって老後資金を積み立てながら運用することをおすすめします。

どちらのケースでも、年金資産の移換手続きに必要な情報が記載されている以下のような書類が必要です。企業型DCのある会社を退職後、1週間~1ヵ月半程度で送られてくるので失くさないようにしましょう。

・「確定拠出年金 加入者資格喪失手続完了通知書」
・「確定拠出年金 加入者資格喪失のお知らせ」

放置している年金があるか確かめる方法は?

企業型DCは基本的に会社が掛金を負担するため、将来もらえる年金資産として意識しにくい傾向があります。そのため、放置している年金があるかわからない人も少なくありません。

そのような人は、まずは過去に勤めていた会社に企業型DCがあったか、自身が加入していたかどうかを調べる必要があります。退職時に会社からもらう資料などで分からなければ、その会社の人事部などに問い合わせましょう。

過去に勤めていた会社で企業型DCに加入しており、何の手続きもしないまま退職した翌月から6ヵ月以上経っていれば以下の書類を探しましょう。自動移換されていれば、ご自宅に届いているはずです。

・「確定拠出年金に関する重要なお知らせ(自動移換通知)」
・「確定拠出年金に関する重要なお知らせ(定期通知)」

いずれかの書類があれば、その案内に沿って手続きをおこないます。上記の書類が見つからなければ、「自動移換者専用コールセンター」(03-5958-3706・平日9:00〜17:30)に問い合わせてみましょう。

自動移換された人の手続きの方法は、年齢や勤務先の企業型DCの有無などによって異なります。特定運営管理機関(JIS&T)が運営する自動移換者用のサイトで調べられるので、チェックしてみてください。

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まとめ

転職・退職の際に企業型DCの移換手続きをしないままでいると「放置年金(自動移換)」となり、年金資産を運用できない、手数料が差し引かれ続ける、というようなデメリットが生じます。積み立てた年金資産を運用できるチャンスを逃してしまうだけではなく、資産を目減りさせてしまう危険性もあるのです。

企業型DCのある会社に勤めている人は、転職・退職時に忘れずに手続きしましょう。すでに自動移換されてしまった人も、早めに手続きして運用を再開することをおすすめします。将来もらえるはずの年金資産を守るために、放置年金がある人は早めに手続きしましょう。

鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com

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