22/07/16
エアコンは「冷房」「ドライ」「送風」のどれが正解? エアコン+扇風機の組み合わせはお得なのか
梅雨が明け、猛暑が続く昨今。エアコンをつける機会が多くなり「少しでも電気代を節約したい」と考えるご家庭も多いでしょう。夏のエアコンには「ドライ」「冷房」「送風」の3つの機能がありますが、電気代のかかり方や適した使い方はそれぞれ異なります。
今回は夏のエアコンのそれぞれの機能に触れたうえで、電気代や快適さの面から、どの機能を使うのがおすすめかご紹介します。また、エアコンを扇風機と併用する効果についても紹介するので、節電しながら快適にエアコンを使いたい人はチェックしてみてください。
エアコンの機能1:室内の水分を外に出す「ドライ」(除湿)
エアコンのドライ(除湿)は、目標の湿度になるまで室内の水分を外に排出する機能です。湿度の高い空気を吸い込んで、エアコン内の熱交換器を使って空気中の水分を集めて外に排出します。
●エアコンのドライ機能には2種類ある
エアコンのドライには「弱冷房除湿」と「再熱除湿」があります。
弱冷房除湿はエアコンが空気中の水分を集める際に下がった空気の温度をそのまま室内に戻します。そのため弱い冷房をかけたように室内の温度も下がるのが特徴です。
一方で再熱除湿は温度の下がった空気をエアコンが温めなおしてから室内に戻します。ですから、弱冷房除湿のように室温が下がることはありません。
お使いのエアコンにどちらのタイプのドライ機能が搭載されているかは、エアコンのメーカーや機種によって異なります。エアコンの取扱説明書やリモコンなどに記載されていることが多いので確かめてみましょう。
エアコンの機能2:室内の温度を下げる「冷房」
エアコンの冷房は設定した温度まで室内の空気を冷やす機能です。エアコンが空気中の熱い空気を吸い込んで室外に排出し、冷たい空気を室内に戻します。そのため冷房をつけているときは、室外機から熱い空気が出てきます。
エアコンが温度を下げることを最優先するため、ドライ(弱冷房除湿)よりしっかり室内を冷やす効果があります。
エアコンの機能3:温度や湿度を変えずに空気を巡らせる「送風」
エアコンの送風は室内の空気を巡らせることに特化した機能です。温度や湿度は下がりません。扇風機やサーキュレーターのようなものだと考えてよいでしょう。
また冷房やドライ機能を使ったあとに、送風運転することでエアコン内部のカビを防ぐ効果もあります。
エアコンの機能は「送風」が最もお得だが、「使い分け」も意識して
エアコンの機能を電気代の面で見た場合、最もお得なのは送風です。前述のとおり風が出ているだけなので、冷房やドライより大幅に電気代を抑えられます。冷房をつけるほどではないけど、少し涼みたいときは送風機能がお得です。天井に溜まった暖かい空気をエアコンで循環させたい場合にも便利です。
では、エアコンのドライと冷房では、電気代の面ではどちらがお得なのでしょうか。
東京電力エナジーパートナーの過去の検証データによると、設定温度24度のときの各モードのエアコンの電気代は、次のようになっています。
●設定温度24度のときの電気代比較
東京電力エナジーパートナー「エアコンの冷房と除湿の上手な使い方」より
ドライと冷房で比較すると、ドライ(弱冷房除湿)が一番安く、次に冷房、最も電気代がかかるのはドライ(再熱除湿機能)です。ドライでも、再熱除湿の場合は冷房よりも電気代がかかることがわかります。
ただし、エアコンの電気代ばかり気にしすぎると快適さが損なわれたり、熱中症になってしまったりする危険性もあるので注意が必要です。前述のとおり、冷房とドライではそもそもの目的や特徴が異なります。気温が高い日は冷房、蒸し暑い日はドライ、というように無理をせずエアコンを使い分けましょう。
●エアコンの電気代を抑えるちょっとした工夫
エアコンの冷房やドライ機能を使う際に、ちょっとした工夫をすることで電気代を抑えられます。
たとえば、カーテンやブラインドを閉めると外の熱気を遮断できるので、効率よく室内の温度を下げられます。
またエアコンのフィルターを定期的に掃除するのも効果的です。フィルターにホコリがつまると冷房が効きにくくなり無駄な電力がかかってしまいます。月1回か2回を目安に掃除しておきましょう。
●快適に節電するなら「エアコン+扇風機」の組み合わせが◎
快適さを保ちつつ節電したいなら、エアコンと扇風機を組み合わせて使うのがおすすめです。
東京電力エナジーパートナーの調査によると、エアコンを26度に設定したときに比べて、設定温度を1度上げて扇風機を併用すると9%の省エネになる、という結果が出ています。
・「エアコンのみ」と「扇風機併用」の消費電力比較
東京電力エナジーパートナーのウェブサイトより
扇風機によって空気が巡ることで体感温度も下がるので、快適さも保たれるでしょう。
ただし寝ているときに扇風機を使う場合は、体に風を直接当てないよう注意が必要です。睡眠中は体温が下がりやすく、体が冷えすぎたり体調不良を起こしたりする危険性があるためです。
まとめ
エアコンの機能の適した使い方は、気温や湿度などによって異なります。電気代の面では送風がもっともお得ですが、エアコンの電気代を過剰に気にして体調を崩しては本末転倒です。気温が高いときには冷房、蒸し暑い日はドライと、エアコンを使い分けるようにしましょう。
また、エアコンと扇風機を併用するなど、工夫することで冷房効率があがりますし、電気代を抑えることにもつながります。
猛暑のなかで節電も求められる今夏ですが、エアコンの機能を正しく理解して、賢く使い分けましょう。
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鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com
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