19/05/15
【歴女の投資術】ゴジラ期待で株価上昇中!「東宝」3つの魅力
歴女の投資ファイル 12の巻 東宝<9602>
小さなベンチャー企業が、これまでなかった独創的なサービスや商品を世に送り出し、大企業へと成長するー。
投資で勝つにはまずは歴史から。このシリーズでは、様々な企業(銘柄)の歴史をご紹介致します。
その1:「ゴジラ」で世界へ
東宝は阪急系の邦画配給最大手の会社。邦画界で勝ち組といえば東宝です。
映画業界では「興行収入10億円」でヒットだと言われています。その中で、これまで同社の手がけた映画は50億円以上がなんと40本! 日本の5人に1人が観たことになるという 「千と千尋の神隠し」や総興行収入400億円超えの「君の名は。」は皆さんにもお馴染みですね。
そして東宝といえばゴジラ。ゴジラは東宝が商標権を持つオリジナルキャラクターで、同社が製作から興行まで手がけています。
映画は、リスクは大きいものの、大ヒットすればキャラクタービジネスも含めて莫大な利益を生む可能性があります。
5月31日には東宝が海外での映画製作に本格的に乗り出した「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」が世界同時公開となります。これからの東宝に目が離せません。
その2:日本が生んだ偉大なアイディアマン創始者
東宝の創始者は小林一三氏。
明治6年1月3日に山梨県巨摩郡河原部村の商家に生まれます。
生まれてすぐ母が死去し、養子だった父は実家に戻ったため、おじ夫婦に引き取られます。とても裕福な家でしたが、生みの親のいない一三氏は「温かい家族」というものに強く憧れる子供でした。
明治21年に慶應義塾大学に入学しますが、勉強そっちのけで小説を書くことに没頭します。在学中には、山梨日日新聞においてミステリー小説も連載し、将来は新聞社に入って小説家になりたいと思っていました。
ところが新聞社に就職を失敗、三井銀行(三井住友銀行の前身)に就職します。小説家志望の夢見る少年だった一三氏に銀行の仕事は全く合わず、「銀行の仕事は何も面白くない」と花街に入り浸り、芸者遊びに明け暮れる日々を送っていました。
そんな一三氏の転機になったのは、大阪の起業家・岩下清周との出会い。証券会社立ち上げに誘われ、紆余曲折あって大阪に新しく設立する鉄道会社(のちの阪急電鉄)の専務となります。
当時の大阪は東洋のマンチェスター(英国を代表する商工業都市)と言われた大工業都市。急激な人口増加により、人々は長屋で窮屈な生活を送っていました。
そこで一三氏は、梅田から宝塚まで線路を開通するとともに沿線土地を買収して庭付き一戸建ての分譲を始めようとひらめきます。
さらに「夢のマイホーム」が庶民にも手が届くよう、住宅ローンを販売するという画期的なアイディアで大成功を手にしました。
一三氏はその後もバツグンの企画力で、「宝塚新温泉」や「宝塚歌劇団」、「阪急百貨店」などを作り、1936年には「大阪阪急野球協会」(現在のオリックスバファローズ)を、1937年には東宝映画(現在の東宝)を設立します。一三氏の発想の源には、子供時代の寂しかった記憶から、家族みんなが一緒になって楽しめるものを、という想いがありました。
その3:過去最高の営業利益に向け順調に成長
(出所:ヤフーファイナンス )
現在、東宝はTOHO VISION2021の中期事業計画を掲げており、最終年度の2021年には過去最高営業利益の502億円を目指しています。初年度となる2019年2月期の決算は449億円で推移目標の「400億円」を大きく上回りました。
その中期事業計画の成果を握るのがG2戦略。
Godzilla(ゴジラを軸にキャラクタービジネスを強化)とGlobal(日本の企画商品の海外展開の本格化)の頭文字をとったもので、飛躍的な利益成長の実現を目指します。
東宝の企業理念は「朗らかに、清く正しく美しく」
宝塚歌劇団の座付きの脚本家として「家族全員が分かりやすい劇を」と自ら脚本を執筆した小林一三氏。
その一三氏の精神を原点に同社は世界に向けて最高のエンタテインメントを提供し続けています。
*本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。
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岡田 禎子 「投資は面白い」がモットーなFP日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴しさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆とセミナーなどで活動中。
TVドラマ「インベスターZ」の脚本協力なども行なっています。
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