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20/10/28

資産運用・経済

NISAでありがちな5つの大失敗

NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)は投資で税制優遇が受けられる制度。資産形成をしたい人ならぜひ利用したい、お得な制度です。
ただ、NISAの仕組みをよく知らないと、投資しても大失敗をする場合があります。
今回は、NISAでありがちな「5つの大失敗」とその対処法をお伝えします。

NISAってどんな制度?

NISAは年120万円までの投資について配当や譲渡益が5年間非課税となる仕組みです。
20歳以上の日本国内に住んでいる人であれば、誰でも利用することが可能。対象となる商品は、国内株や投資信託、外国株などです。

通常、株式を購入すると、その配当金や売却益には20.315%(復興特別所得税含む)の税金(所得税と住民税の合計)がかかります。ところがNISAを利用すれば非課税となりますので、税金はかかりません。長期投資で資産形成したい人にとって、ぜひ使いたい制度となっています。

ただその仕組みはやや複雑で、よく理解していないと失敗につながる恐れもあります。
そこで今回はNISAでありがちな失敗談を5つ集めてみました。

大失敗①:NISAで損をしても、損益通算・繰越控除できない

NISA口座で5万円の株の売却損を出してしまったAさん。課税口座の方で10万円の株の売却益があるため、損益通算しようとしたものの、NISAではできませんでした。結果、想定より多く税金を払う羽目に…。

上場株式を売却して損失が出た場合、利益(その年の利子や配当金、売却益など)と損失を相殺出来る「損益通算」と、株の損失を3年間繰り越してその間の利益と相殺出来る「繰越控除」という特例があります。この特例は確定申告をすることで適用され、節税することが出来ます。

ところがNISA口座ではこの損益通算が出来ません。
Aさんの場合、課税口座の売却益10万円からNISA口座の売却損5万円を損益通算することが出来ず、10万円の利益に対してそのまま税金がかかります(分離課税選択の場合は20.315%)。

大失敗②:買った株をNISA口座に移せない

課税口座で株を買ったBさん。その後、NISAがお得な制度と知って、さっそく利用しようと考えました。そこで、NISA口座を開いて株を移そうとしたものの、制度上出来ないと知ります。結局NISAの非課税の恩恵が受けられずBさんはがっかり。

課税口座で買った株や投資信託など有価証券は、後からNISA口座に移すことはできません。NISAの非課税の恩恵を受けるには、NISA専用の口座を開き、そこで有価証券を買い付ける必要があります。

大失敗③:使わなかったNISA枠は翌年に引き継ぐことはできない

2019年の12月にNISA口座を開いたCさん。ただ年末は公私ともに忙しくそのままほったらかしに。年が明けてNISA枠を使って株を買おうとしたCさんでしたが、2019年分の非課税枠120万円分がすべて消滅していて大ショック。

NISAは非課税の枠が年間120万円まで使えます。ただ使わずに残った分は翌年に引き継ぐことはできません。たとえば年末までにNISA枠120万円のうち80万円使って投資した場合、残りの40万円は翌年に引き継ぎできず消滅してしまいます。
先のCさんの場合は、新たに付与された2020年のNISA枠を使って投資を行うことになります。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

大失敗④:ロールオーバーで新規投資できる額が減ってしまった

2015年にNISA口座でA株を100万円分購入したDさん。
5年後の2019年にロールオーバー制度を利用すれば非課税のままA株を持ち続けられると知ったDさんはさっそく手続きをしました。年末のA株の評価額は120万円です。ところが2020年に新しいNISA枠120万円を使ってB株を購入しようとしたDさんは、新しく使える残り枠がないといわれてびっくり。結局課税口座で買うことに。

NISAの非課税期間は最長5年間です。ただロールオーバー制度を利用すれば非課税のままNISA口座で買った資産を持ち続けることが出来ます。しかしながら、ロールオーバーした分も新しい非課税枠に含まれるため、その分新規で投資できる可能額が減ることになります。

大失敗⑤:値下がりした資産を課税口座に移管すると購入額が評価額になる

EさんはNISAで100万円分購入したA株を5年後に課税口座に移管しました。そのときのA株の評価額は下落して50万円となっていました。その後A株は上昇したので、Eさんは80万円で売却、100万円で購入して80万円で売却したので20万円の損失です。
損したのだから税金は払う必要がないと思っていたEさんでしたが、なんと30万円が課税対象となっていました。Eさんは泣く泣く税金を払ったのです。

課税口座に移す場合、非課税期間終了時点の時価が、新たな購入額と見なされます。この場合も、課税口座での新たな取得価格は50万円となるため、80万円となった時点で80万円から50万円を引いた30万円が利益とみなされ、課税対象となったのです。
Eさんのように、課税口座に移すと課税額が増える可能性もあるので注意が必要です。

まとめ

NISAはその仕組みをよく理解すれば大変お得な制度です。2020年も残り2ヶ月。お使いのNISA枠をチェックして、上限まで上手に活用しましょう。

岡田 禎子 「投資は面白い」がモットーなFP日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)

証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴しさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆とセミナーなどで活動中。
TVドラマ「インベスターZ」の脚本協力なども行なっています。

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