20/09/07
一般NISAからつみたてNISAに口座変更してみた! 画像付きで手順や注意点を徹底解説
投資の利益にかかる税金が非課税にできるNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)。20歳以上の方が利用できる制度には、一般NISAとつみたてNISA(積立NISA)の2種類があります。しかし、両方の制度を同時に使うことはできません。
「これまで一般NISAを利用していたけど、やっぱりつみたてNISAを使いたい」という場合、一般NISA口座からつみたてNISA口座に切り替えることができます。実際に筆者は切り替えてきましたので、その流れをご紹介します。
一般NISAの口座はつみたてNISAにいつでも変更できる
一般NISAは年120万円までの投資(株や投資信託など)の売却益や配当金・分配金にかかる20.315%の税金を最長5年間非課税にできる制度です。
それに対して、つみたてNISAは年40万円までの投資(金融庁の基準を満たす投資信託)の売却益や分配金にかかる税金を最長20年間非課税にできる制度です。
より長期間、じっくりと資産運用をしたいという場合には、つみたてNISAの方が向いているでしょう。
一般NISAを利用している方がつみたてNISAを利用したい場合は、一般NISAからつみたてNISAに変更することができます。
一般NISA・つみたてNISAの切り替えはいつでもできますが、年1回だけです。あとから「やっぱり元に戻したい」といっても、戻せるのは翌年以降になります。
一般NISAからつみたてNISAに口座を切り替える手順
筆者は今回、一般NISAからつみたてNISAに口座を切り替えました。その際、金融機関も一緒に変更しています。ここでは、その手順を紹介します。
●手順1:一般NISAの金融機関で変更手続きを行う
一般NISAの金融機関に連絡し、NISAの金融機関を変更する旨を伝えます。金融機関によって、ネットで手続きする場合もあれば、コールセンターに問い合わせる場合もあります。また、折り返し郵送で届く「金融商品取引業者等変更届出書」を提出する必要がある金融機関もあります。
筆者の場合は、ネットだけで手続きが完了し、金融商品取引業者等変更届出書も不要でした。
●手順2:「勘定廃止通知書」が届く
一般NISAの金融機関から、「勘定廃止通知書」が届きます。
勘定廃止通知書は、ひとことで言えば「一般NISA口座を廃止した」ということを示す書類です。次の手順で必要になりますので、大切に保管しておいてください。
●手順3:つみたてNISAの金融機関で変更手続きを行う
つみたてNISAの金融機関につみたてNISA口座の開設手続きを行います。「非課税適用確認書の交付申請書 兼 非課税口座開設届出書」に必要事項を記入し、手順2の勘定廃止通知書と一緒に提出します。
「非課税適用確認書の交付申請書 兼 非課税口座開設届出書」は、新たにNISAの口座を開設するときに提出する書類です。これまでにNISA口座を持っていた場合は、勘定廃止通知書を添付して提出する必要があります。
あとは金融機関と税務署の審査が行われ、問題なければつみたてNISA口座が開設されます。筆者の場合は、変更手続き開始からつみたてNISA口座の開設まで、おおよそ1カ月程度で完了しました。
なお、つみたてNISAから一般NISAへの変更も、同様の手順で可能です。
口座変更のルールに要注意!
「すぐに変更したい」と思う方もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。NISA口座の変更にはルールがあります。
●1年間で変更できるのは1回だけ
一般NISA・つみたてNISAの切り替えは、年1回だけです。あとから「やっぱり元に戻したい」といっても、戻せるのは翌年以降になります。
●1回でも取引をしていると翌年まで変更できない
口座を変更したい年に1回でも一般NISA口座で取引をしていると、その年内はつみたてNISA口座に切り替えられなくなります。たとえば、2020年1月に一般NISAで取引をした人が、2月につみたてNISA口座に変更しようとした場合、実際に口座が変更されるのは2021年1月からとなります。
●10月以降は翌年分扱い
たとえ今年1回も取引をしていなくても、10月以降に申請した場合、口座が変更されるのは翌年からになります。
なお、切り替え前の一般NISA口座で保有している資産は、つみたてNISA口座に移したり、ロールオーバー(持ち越し)したりすることはできません。しかし、一般NISA口座内の資産は、投資から5年間は非課税となります。一般NISA口座の資産を慌てて売る必要はありません。
まとめ
お金を増やすためには、資産運用が欠かせない時代です。そのなかで、非課税にできるNISAを活用すれば、有利にお金が増やせるでしょう。特に一般NISAの口座は持っているものの、活用していないという方は、つみたてNISAに切り替えて、少額からでも投資信託の積立投資をスタートしてみてはいかがでしょうか。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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