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25/01/11

資産運用・経済

つみたてNISAが2018年開始から7年経過、一番儲かっている商品はどれ?

つみたてNISAが2018年開始から7年経過、一番儲かっている商品はどれ?

投資で得られた利益にかかる税金がゼロにできるNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)。なかでも、積立投資専用のNISAとして2018年にスタートしたつみたてNISAは、2024年から「つみたて投資枠」として制度が変わり、一生涯にわたって運用益非課税の恩恵が受けられるようになりました。

つみたてNISAではすでに新規の投資をすることはできませんが、これまでつみたてNISAで投資してきた資産は最長20年にわたって運用益非課税にできます。
では、つみたてNISAで2018年に投資した人は、いくらお金を増やせたのでしょうか。今回は、2018年から2024年までの7年間でもっとも儲かった商品を調べてみました。

2018年初から2024年末の7年騰落率の第1位は236%!

金融商品の価格は、日々上下しています。金融商品が、一定期間のはじめと終わりでいくら値上がり(値下がり)したかを表す割合を騰落率といいます。たとえば、1年間で1万円の商品が1万1000円に値上がりしたら、1年間の騰落率は+10%。逆に9000円に値下がりしたら−10%というわけです。

つみたてNISAの対象商品は、金融庁の定める基準を満たす、手数料が一定以下の投資信託・ETF(上場投資信託)です。これは、2024年に制度が変わったNISA(新NISA)のつみたて投資枠でも同じ。本稿執筆時点(2024年1月5日)で、つみたて投資枠の対象商品は301本あります。

投資信託協会のウェブサイトを活用して、2018年1月から2024年12月末までの7年間運用した場合の「7年騰落率」を調べてみました。なお、つみたてNISAスタート後(2018年1月1日以降)に登場した商品は除外しています。

その結果は、次のとおりです。

●つみたてNISA(つみたて投資枠)対象投資信託の7年騰落率ベスト5

第1位:iFree S&P500インデックス 236.73%
第2位:上場インデックスファンド米国株式(S&P500) 235.14%
第3位:フィデリティ・米国優良株・ファンド 233.27%
第4位:iシェアーズ米国株式(S&P500)インデックス・ファンド 232.46%
第5位:米国株式インデックス・ファンド 230.48%

つみたて投資枠の対象商品のなかで、7年間でもっとも儲かった商品は「iFree S&P500インデックス」でした。
7年騰落率の上位の投資信託は、いずれも230%以上と大きな値上がりを見せています。しかも、第5位まですべて米国の株価指数「S&P500」との連動を目指す投資信託でした。
1年前、2024年1月に「6年騰落率」を調べた際にもトップだった「iFree S&P500インデックス」の6年騰落率は139.58%でした。つまり、わずか1年で騰落率が約97%も上昇したことになります。それだけ、米国市場が好調だったということができます。

国内株など、他の資産に投資する投資信託でも7年騰落率は総じて上昇しています。投資信託は元本保証のない投資商品ですが、2018年からつみたてNISAに取り組んできた方の多くは、利益を出せている状態だといえるでしょう。

同様に、3年・5年・10年騰落率も調べてみました。

●つみたてNISA(つみたて投資枠)対象投資信託の3年騰落率ベスト5

第1位:日経平均高配当利回り株ファンド 109.29%
第2位:iFreeNEXT FANG+インデックス 106.76%
第3位:フィデリティ・米国優良株・ファンド 81.44%
第4位:eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 77.38%
第5位:SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 77.01%
(※2022年1月1日以降に登場した商品を除外)

2022年〜2024年の3年間でもっとも儲かった商品は「日経平均高配当利回り株ファンド」。日経平均株価の構成銘柄から予想配当利回り上位 30社に投資する高配当株ファンドです。新NISA対象の高配当株ファンドの中で、唯一つみたて投資枠での投資が可能。高いパフォーマンスを上げていることから、人気が集まっています。
第2位の「iFreeNEXT FANG+インデックス」はFacebook、Amazon、Netflix、Googleの4銘柄を含む10銘柄で構成された指標「NYSE FANG+」との連動を目指す投資信託。第3位〜第5位はいずれもS&P500に連動する投資信託です。

●つみたてNISA(つみたて投資枠)対象投資信託の5年騰落率ベスト5

第1位:iFreeNEXT FANG+インデックス 466.33%
第2位:イノベーション・インデックス・AI 267.85%
第3位:iFreeNEXT NASDAQ100インデックス 239.99%
第4位:フィデリティ・米国優良株・ファンド 184.57%
第5位:eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 179.18%
(※2020年1月1日以降に登場した商品を除外)

5年騰落率のトップは「iFreeNEXT FANG+インデックス」。第2位以下を大きく引き離しています。第2位の「イノベーション・インデックス・AI」は世界のAI関連企業の株式に投資する投資信託。第3位の「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」はパフォーマンスがよくて話題の米国株指標「NASDAQ100」との連動を目指す投資信託です。

いずれも高いリターンを誇るのですが、リスクも相応に高いことと、信託報酬の高さには注意が必要です。信託報酬はiFreeNEXT FANG+インデックスが年0.7755%、イノベーション・インデックス・AI が年0.8195%、iFreeNEXT NASDAQ100が年0.495%と比較的高くなっています。その点、第5位の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は年0.09372%と非常に安い信託報酬で米国への分散投資が可能です。

●つみたてNISA(つみたて投資枠)対象投資信託の10年騰落率ベスト5

第1位:上場インデックスファンド米国株式(S&P500)《上場S&P500米国株》 318.32%
第2位:iシェアーズ米国株式(S&P500)インデックスファンド 310.16%
第3位:フィデリティ・米国優良株ファンド 283.05%
第4位:eMAXIS NYダウインデックス 262.48%
第5位:インデックスファンド NYダウ30(アメリカ株式) 258.92%
(※2015年1月1日以降に登場した商品を除外)

以上、データは投資信託協会「投信総合検索ライブラリー」より

10年騰落率となると、単純に10年以上前に登場した商品ですので、顔ぶれがだいぶ変わります。NYダウ(ダウ平均株価)と連動する商品も第4位・第5位に登場していますね。総じて米国が強かったことは事実です。

株式の騰落率の場合は、「昨日は下がった」「今日は上がった」などと、1日単位の騰落率が話題になりますが、投資信託では長期間コツコツと積立投資することが多いでしょう。つみたてNISAだけでなく、つみたて投資枠でもそれは同じです。ですから、長期間の騰落率を見ることが大切です。
過去のパフォーマンスがいいからといって、それが今後も続くとは限りません。しかし、長期間かけて大きな成果を出せているという結果は、ひとつの安心材料かもしれません。

2025年こそNISAを始めよう

つみたてNISAを2018年から利用した場合の「7年騰落率」に加え、投資信託で3年・5年・10年投資を続けてきた場合の騰落率を紹介してきました。
今回は第5位までのデータを紹介しましたが、市場の動きを見る限り、たとえその他の商品を買っていたとしても、多くの場合お金を増やせていたはずです。

NISAでつみたて投資枠を利用すれば、長期・積立・分散投資をしながら非課税のメリットも得られます。堅実にお金を増やせるでしょう。
投資を長く続けるには、早く始めることが一番です。もしまだNISAを利用していないならさっそくスタートして、長期でしっかりお金を貯めていきましょう。

畠山 憲一 Mocha編集長

1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。

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