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22/03/13

家計・ライフ

60代以降も働く人の平均年収はどれくらいか

60代以降も働く人の平均年収はどれくらいか

平均寿命が延び、元気な60代は珍しくありません。まだまだ現役、といった雰囲気で働き続ける人も多くいます。とはいえ、50代と比べると年収は少なくなってしまいそう。実際、60歳以降も働く人の年収はどのくらいなのでしょうか。

正社員、60~64歳の平均年収は493万1000円

厚生労働省の「2020年賃金構造基本統計調査」によれば、正社員で働く人の平均年収は、60歳以降は50歳代と比べて少なくなっています。
正社員の平均年収は、50~54歳では637万5600円、55~59歳で638万3200円です。60歳以降は減っていて、60~64歳で493万1000円、65~69歳で417万800円、70歳以上は386万4100円です。

●正社員の平均年収(男女計)

※「年収」は「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で筆者計算。以下同じ。
厚生労働省「2020年賃金構造基本統計調査」より筆者作成

60歳以降は、再雇用や継続雇用などで働くことが多いと思いますが、年収はどうしても減ってしまいます。特に男性の場合は大きく減ってしまいます。これは、50代の時の年収が高い水準のため、減少幅が大きくなってしまっていると考えられます。
60歳以降の生活レベルの見直しは、避けられないと思われます。

●正社員(男性)の平均年収

厚生労働省「2020年賃金構造基本統計調査」より筆者作成

女性の場合は、60歳以降の平均年収は50代よりは減りますが、男性ほどの差ではありません。生活への影響はさほどないのかもしれませんが、50代での暮らしをやりくりしてなんとか頑張っていたとすると、60歳以降はさらに厳しくなってしまいそうです。
老後の備えは早めにしておきたいですね。

●正社員(女性)の平均年収

厚生労働省「2020年賃金構造基本統計調査」より筆者作成

非正規雇用、60~64歳の平均年収は351万9400円

50代までは正社員で働いていた人も、60歳以降は非正規雇用になる場合があります。非正規雇用は、正社員ほど安定していないデメリットはありますが、業務内容や拘束時間にゆとりができるメリットもあります。そこで、正社員よりは年収が減ることになっても、非正規を選ぶ人は少なくありません。そのため、非正規の平均年収は、50代よりも60歳〜64歳のほうが高くなっています。しかし、その後は再び減少していきます。

非正規の平均年収は、50~54歳では282万1000円、55~59歳で286万5600円です。60~64歳で351万9400円と増加していますが、65~69歳で295万2600円、70歳以上は275万9100円と減少しています。

●非正規の平均年収(男女計)

厚生労働省「2020年賃金構造基本統計調査」より筆者作成

●非正規(男性)の平均年収

厚生労働省「2020年賃金構造基本統計調査」より筆者作成

●非正規(女性)の平均年収

厚生労働省「2020年賃金構造基本統計調査」より筆者作成

もっとも平均値は、あくまで年収の総和を人数で割った数字。60歳まで非正規雇用で働いていた人が60歳以降に収入がアップする、とは考えにくいでしょう。
「自分の場合はどうなのか」を冷静に見極めることが大切です。

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働くことのメリットは?

平均年収は年齢を重ねていくとともに減っていきますが、だからといって働くことをやめてしまえば、その減った年収すら受け取れなくなってしまいます。それに、働くメリットは目の前の収入、来月の給料だけではありません。
たとえば、次のようなものが挙げられます。

●厚生年金が増やせる

60歳以降も勤務先で厚生年金に加入すると、後々に受取る老齢年金の金額が増やせます。厚生年金は70歳まで加入することができます。また、2022年4月に導入される「在職定時改定」では、65歳以上70歳未満の方が老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金に加入して働く場合、年金額が毎年1回改定されて増加します。

●老齢年金の繰り下げ受給がしやすい

給料で安定した収入があれば、公的年金の受取りを65歳から後ろ倒しにする「繰り下げ受給」もやりやすいでしょう。65歳以降繰り下げ受給をすると1カ月につき0.7%、年金額を増やすことができます。2022年4月からは、最大75歳まで繰り下げ受給をすることで年金額を84%増やすことが可能になります。

●健康維持にも役立つ

働くメリットは、お金の面だけにあるのではありません。働き続けることで毎日刺激を受けますし、身体も動かします。定期的な健康診断や、周りの人との情報交換など、健康維持にも役立ちそうです。




長く働くことは、家計にも健康にもメリットがあります。
自分らしい働き方を見つけて、いきいきとしたセカンドライフを送っていただきたいと思います。

タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)

36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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