17/01/10
【投資女子の道】第16話 「ヤフーファイナンスを使いこなそう」
OLの神崎美穂(37)と山口玲奈(33)は、株式投資のスクールに通っています。
今回は「ヤフーファイナンスを使いこなそう」ということで、株王子・川本の講義です。
時価総額って何だろう?
出所:ヤフーファイナンスHPより
川本「株式投資を行う際に、活用したいのはヤフーファイナンスです。気になる銘柄を見つけた時に、スマホさえあればサッとチェック出来ます。例えば、資生堂を見てみましょう。資生堂のコードは4911なので入れてみてください」
美穂「(スマホをいじって)4911、と。あ、資生堂、出ました」
川本「『参考指標』の欄をみます。時価総額、発行済株式数、などが載っていますね」
玲奈「(指をさし) ココですね」
川本「1つ目のポイントは、時価総額です。時価総額は、『株価』×『発行済株式数』で求めます。時価総額は、企業価値を評価する重要な指標です。さて、ここで質問ですが、日本で1番時価総額が大きい会社はどこだと思いますか?」
美穂「えー、トヨタ自動車?」
川本「正解です。トヨタ自動車の時価総額は22兆円以上です。その次は、NTTドコモ、NTTなど名だたる大企業が続きます。銘柄は、時価総額や流動性(株を売りたい時にいつでも売れるのかどうか) の基準で大型株・中型株・小型株と区別されます。大型株なら流動性が高い、中・小型株は、株価の動きは良いけれど、流動性は大丈夫なのか、など選んだ銘柄が、どのサイズなのか把握することはとても重要です」
美穂「流動性が高いというのは、取引できる株数総数が多いかどうかなのね。資生堂は……、時価総額1兆2368億円!(2017年1月6日現在)」
川本「コーセーは6210億円、ファンケルは1119億円ですから、資生堂がいかに大きな会社か分かると思います。このように業界内での横比較にも使えます」
美穂「なるほど」
PER、PBRをチェックしよう
川本「次に、PER、PBRをチェックします。これらは、その株が『割高なのか、割安なのか』判断する基準になります」
美穂「PERは以前教えてもらいました!確か、株価を一株あたりの利益で割って算出するんですよね」
川本「そうです。PERは株価の割安度を利益から判断する指標(参考:第3話:好きな会社の成績表を読めるようになろう) です。もう一つのPBRについて、今回は詳しくお話しします」
玲奈「ピービーアール?」
川本「PBR(株価純資産倍率) は、株価の割安度を資産から判断します。PBRは、株価を一株あたりの純資産で割って求めます。純資産は、仮に会社が倒産しても株主に戻ってくる資産です。これを解散価値といいます。つまり、PBRが1倍なら、会社が倒産しても株価と同じ資産が戻るし、1倍以下なら、解散価値より株価が下回っているといえます」
玲奈「じゃあ、PBRが1倍以下なら、お買い得ってこと?」
川本「確かに株価は底値圏といえますが、あまりに低い場合は倒産リスクがあるという見方もできます」
玲奈「と、倒産!倒産するとどうなるのですか?」
川本「その株は、紙クズ(無価値)になります。ですから、PBRでのチェックは大切なんです」
玲奈「紙クズ!」
川本「その他、配当利回りや最低購入代金もチェックが必要ですね。このように、投資をする際は、ヤフーファイナンスにあるような参考指標で、銘柄を確認することが大切です。スマホさえあれば、誰でも、どこでも、タダでチェックできますので、必ず見るクセをつけましょう」
玲奈「(ため息ついて) 恋人探しもヤフーファイナンスみたいなチェック出来るサイトがあればいいのにー」
美穂「玲奈ちゃん、自分でアプリ会社作っちゃえば?」
玲奈「そっか。その時は川本さん、上場のお手伝いして貰えますか?」
川本「(困惑して) えっ!あのー、それは」
美穂、玲奈、笑う。
(続く)
*本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。
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・第14話「みんなどこで株式投資の情報収集をしているの?」
・第15話「みんな大好き!株式投資の成功・失敗談」
・第16話「ヤフーファイナンスを使いこなそう」
・第17話「ヤフーファイナンスを使いこなそう:チャート編」
・第18話「株で大失敗する5つのタイプ〜ダメンズには気をつけろ〜」
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岡田 禎子 「投資は面白い」がモットーなFP日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴しさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆とセミナーなどで活動中。
TVドラマ「インベスターZ」の脚本協力なども行なっています。
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