16/11/14
【投資女子の道】第9話 「株式の投資スタイルには『バリュー株投資』と『グロース株投資』がある」
OLの神崎美穂(37)と山口玲奈(33)は、株式投資のスクールに通っています。冬の寒空の中、スクールの屋上で、なんとなく落ち込んだ様子で、街を眺めている校長で株王子の川本がいます。そこへ美穂が缶コーヒーを持ってやってきますが…。
バリュー投資とは?
美穂「あの、株王子の川本先生ですよね」
川本「あ、はい。あなたは確か…、神崎美穂さん?!」
美穂「そうです。あ、これ良かったらどうぞ」
美穂、川本に缶コーヒー二つのうち一つを渡す。
川本「ありがとうございます。おっ、温かい」
美穂「先ほどの先生の授業、最高でした!」
川本「本当に?」
美穂「(頷いて) 投資には、『バリュー株投資』と『グロース株投資』の二つのスタイルが大きくあって、『バリュー株投資』は、企業価値と株価を比較して、株価が企業価値よりも割安と判断される銘柄に投資する。
『グロース株投資』は、企業の将来の成長性に投資する、つまり有名になる前のレディー・ガガに投資するようなものです、のくだりが面白かったです」
川本「(笑う) 有難うございます」
美穂「あの、もう一度バリュー株の、割安かどうかの判断基準を教えて貰えますか?ちょっと難しかったので」
川本「もちろん。バリュー株が割安かどうかは、利益面からと資産面から測ることができます。
利益面は、PER(株価収益率)を使います。PERは、株価が予想一株あたり当期純利益の何倍かを表していて、低いほど割安です。
資産面はPBR(純資産倍率)を使います。PBRは、株価が一株あたり純資産の何倍かを示したもので、これが一倍を割り込んでくると割安とされます」
美穂「そうでした!」
グロース株投資とは?
川本「『グロース株投資』で重要なのは企業の成長です。毎年、売上、利益ともに増収・増益であるほど、高成長であると判断されます。神崎さんは、『バリュー株投資』と『グロース株投資』のどちらに興味がありますか?」
美穂「私は、断然『グロース株投資』です!」
川本「どうしてですか?『バリュー株投資』の方が、リターンは小さいですが、リスクも小さいですよ」
美穂「自分が応援している企業がどんどん成長して大きくなっていくのを、目の当たりで見たいんです。たとえ、『バリュー株投資』より、『グロース株投資』の方が、リスクが大きくても、いつもトキめいていられるじゃないですか。
私、株式投資を始めてから、人生が変わったんです。こうしてスクールに通ったり、色々な先生達に出会ったり、毎日が新しい発見の連続で楽しくて・・・」
川本「(美穂を微笑ましく見る)」
美穂「私ったらスミマセン、ペラペラと勝手に喋ってしまって」
川本「神崎美穂さん、いいですね!」
美穂「へ?」
川本「実は、自信を持って投資した銘柄が大きく下がって凹んでいたんです。株は理論だけではないですよね。でも、今回、神崎さんから元気貰いました!」
美穂「えー、本当ですか?!」
川本「はい。株式投資を始めた頃のワクワクした気持ちや企業を応援する気持ちを思い出しました。(ガッツポーズをして) この通り。ありがとうございます!」
美穂「ヤダ。そんな、お礼だなんて、やめてください(照)」
イイ感じ!の二人。
遠くの扉の影から、二人の様子を見ていた山口玲奈。
玲奈「先輩、良かったね!」
(続く)
*本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。
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・第7話「株式投資の配当金って何?」
・第8話「株式優待で銀座の街をエンジョイしよう」
・第9話「株式の投資スタイルには『バリュー株投資』と『グロース株投資』がある」
・第10話「株式投資のバイブル『会社四季報』を使いこなそう」
・第11話「株価チャートの見方をマスターしよう」
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岡田 禎子 「投資は面白い」がモットーなFP日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴しさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆とセミナーなどで活動中。
TVドラマ「インベスターZ」の脚本協力なども行なっています。
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