16/11/01
【投資女子への道】第7話「株式投資の配当金って何?」
OLの神崎美穂(37)と山口玲奈(33)は、株式投資のスクールに通うことにしました。
現在、第2回目の講義中。何やら、不機嫌そうな美穂ですが…
株式の配当金とは何?
講師の山田久恵(40)が教壇で講義をしている。
山田「本日は、株式の配当金について講義をします」
玲奈「(小声で)先輩、どうしたんですか。ご機嫌の悪そうな顔をして」
美穂「だって講師が株王子じゃないなんて、つまんなーい」
玲奈「まあまあ、ご機嫌なおして下さい。それより、先輩。あの講師のネックレス、電卓ですよ」
美穂「え?マジで。ホントだ。ウケる。どこで買ったんだろう?」
玲奈「あの人、絶対に電卓マニアですよ」
山田「そこ!授業中ですよ。おしゃべりはやめて静かにしなさい!」
美穂・玲奈「ス、スミマセン」
山田「株式の配当金とは、企業が稼いだ利益の中から、株主に対して還元するお金です。権利確定日に株を持っていれば貰うことができます。
投資には『キャピタルゲイン』と『インカムゲイン』を狙う2つがあると学んだと思いますが、『インカムゲイン』を狙う投資家にとって『配当』はとても重要です。配当は企業の『経営方針』で決まり、利益があっても設備投資などに資金を回す企業もあれば、利益がなくても配当金を払う会社もあります。そのため、配当狙いの投資をする場合は、『過去の配当実績』や『経営方針』を確認することが大切になります」
配当利回りの計算の仕方を覚えましょう
出所:ヤフーファイナンスHPより「配当利回りランキング(東証一部)」
山田「ところで神崎美穂さん。銀行の普通預金の金利は今いくらでしょう?」
美穂「へ?分かりません」
山田「配当狙いの投資の場合は、銀行預金の金利と配当金で貰う場合の利回りと、どちらがお得かが焦点になります。例えば日産自動車の株を100株買った場合、1051.5円(2016年10月28日終値)×100株で、(電卓ネックレスで計算し)10万5150円ですね。こちらの資金が必要です。それによって配当金として年4800円受け取れます。4800円÷10万5150円で、(パパッと計算し)4.56%が配当利回りになります」
玲奈「計算速っ!」
山田「現行の銀行預金の金利は0.001%程度ですので、配当利回りの方がはるかに高いのが分かりますね。仮に日産自動車の株価が急落して800円になったら配当利回りはいくらでしょう。さあ、皆さん、机にある電卓で計算してみて下さい」
玲奈「えー、計算苦手なのに」
面倒くさがる玲奈の隣で、電卓でパパっと計算する美穂。
美穂「はい!6%です」
山田「正解です。このように株価が下がると『配当利回り』は高くなります。業績悪化などで株価が急落しているのに『配当利回り』だけをみて投資をしてしまうと思わぬ損をすることがあるので注意が必要です。業績が悪化すると、配当を減額、また停止されることがありますし、株価がさらに下落し損をする可能性があるからです。業績は必ずチェックするようにしましょう」
玲奈「(小声で)先輩、すごいじゃないですか。電卓得意なんですか?」
美穂「へへ。新入社員のとき、散々やったから」
玲奈「さすがアナログ世代!」
美穂「それ褒めてないでしょ」
山田「神崎美穂さん!」
美穂「ス、スミマセン。おしゃべりして」
山田「そうじゃなくて、神崎美穂さんは電卓がお好きなんですか?」
美穂「え?まあ、そうですね」
山田「実は私も大好きなんです。ネックレスもほら。(電卓を見せる)。気が合いそうですね、私たち」
美穂「はい!私もそのネックレス、さっきから素敵だと思っていたんです。どこで買いました?」
山田「(嬉しそうに)実はですね・・・!」
玲奈「(呆れて)ったく。先輩ったら、調子いいんだから・・・」
(続く)
*本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。
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・第5話「実際に株を買うと、見る世界が変わる」
・第6話「株式投資には『キャピタルゲイン』と『インカムゲイン』がある」
・第7話「株式投資の配当金って何?」
・第8話「株式優待で銀座の街をエンジョイしよう」
・第9話「株式の投資スタイルには『バリュー株投資』と『グロース株投資』がある」
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岡田 禎子 「投資は面白い」がモットーなFP日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴しさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆とセミナーなどで活動中。
TVドラマ「インベスターZ」の脚本協力なども行なっています。
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