16/11/22
【投資女子の道】第10話 「株式投資のバイブル『会社四季報』を使いこなそう」
OLの神崎美穂(37)と山口玲奈(33)は、株式投資のスクールに通っています。
今回の講義は「『会社四季報』の見方」ですが、講師の水谷隆(40)に食らいついている玲奈がいます。
会社四季報とは何?
水谷「資生堂、ですか?!」
玲奈「はい、株主優待で新しい化粧品やシャンプー貰えるらしくって」
水谷「では、さっそく四季報でチェックしてみましょうか」
美穂「お、ここで四季報登場!なんですね」
水谷「はい。四季報は使えますよー!上場銘柄が同じ定型フォームで一冊の書籍に凝縮されていますので、銘柄間で比較しやすいし、3、6、9、12月の定期発行で連続性もあり、情報が満載です。全上場企業の情報が丸ごと一冊にまとまっていているのは日本だけなんです。ちなみに東洋経済新報社から出版していますが、1936年からずっと続いています」
玲奈「四季報って手のひらサイズなのに、凄いんですね。というか「東洋経済新報社」凄いですね!」
水谷「僕は、お宝銘柄を探すには四季報に勝るものはないと思っています。証券マン時代は、上司からこいつをよく投げつけられて逃げてばかりでしたが、今じゃ、枕にして夢の中でも銘柄を探すくらい愛用していますね、ハハハ」
美穂「(唖然として) 先生、豪快でいらっしゃる」
画像:Photo AC
四季報を使ったお宝銘柄探しのポイント
画像:会社四季報を参考に筆者作成
水谷「四季報は図のように12ブロックに分かれています。そのうち、初心者が見るべきポイントは、コメント記事(A)、業績(B)、チャート(C)の3つです。コメント記事(A)は、四季報の記者が綿密なリサーチによって、その企業の現状と将来性が記事になっています。わずか9行ですが、ここを読むだけで、企業の現状や課題点が掴めます」
玲奈「資生堂は、・・・2016年の秋号では、今期は営業利益下振れとあります(涙)」
水谷「まあまあ。次に業績(B)をチェックします。売上高、営業利益、経常利益、純利益、一株益、が過去に増収増益で推移しているか、将来予想はどうなのかをきちんと確認しましょう」
美穂「過去の業績、将来の業績、どちらも大切なんですね」
水谷「(頷き) ここで注意なのが、業績の今期、来期の予想数字は四季報記者の独自の取材に基づいたものであるということです。業績の一番下に『会』と書かれた会社側の業績予想の数字がありますがこちらと比較することが大切です。外枠の会社比マークに注目して下さい」
美穂「資生堂は笑顔マークですね」
水谷「営業利益が会社比強気の場合は、笑顔マーク、会社比弱気なら泣きマークがついているのも四季報の特徴ですので、投資判断に使えます。最後にチャート(C)で、上昇トレンドかどうかをチェックしましょう!さらに踏み込んで、PERなどの指標や、配当金の推移なども確認すると良いですね。株主優待は巻末に掲載されています」
玲奈「資生堂は、笑顔マークだし、チャートも上向きだし、いけそう!」
美穂「(四季報の巻末をみて) 玲奈ちゃん、資生堂の株主優待が貰えるのは、1000株以上で一年以上継続保有の株主だって」
玲奈「え?1000株?100株じゃなくて?ってことは、現在の株価が2946.5円(2016年11月18日終値) だから、294万円以上必要ってこと!?」
水谷「株主優待は、保有株数や保有期間で貰える条件が異なる場合がありますので、必ず確認しましょう」
美穂「玲奈ちゃん、固まっているようだけど、大丈夫?」
玲奈「・・・あの先生、四季報はどの銘柄も見方は一緒なんですよね。他の化粧品銘柄についても教えて下さい!」
(続く)
*本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。
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・第8話「株式優待で銀座の街をエンジョイしよう」
・第9話「株式の投資スタイルには『バリュー株投資』と『グロース株投資』がある」
・第10話「株式投資のバイブル『会社四季報』を使いこなそう」
・第11話「株価チャートの見方をマスターしよう」
・第12話「『売買ルール』をきちんと決めよう」
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岡田 禎子 「投資は面白い」がモットーなFP日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴しさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆とセミナーなどで活動中。
TVドラマ「インベスターZ」の脚本協力なども行なっています。
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